天魔界戦

皇神凪斗

第13話 戦士の闘い

新街の宿前にて。
「貴様を殺すのは、巨人の戦士ジールだ。覚えておけ。」
掠れそうにな声で巨人はそう答えた。
「お前を返り討ちにする俺は魔法剣士アルマだ。俺を甘くみるんじゃねーぞ?」
そう言ってアルマは『魔装』を発動し、巨人はに突撃。勢いに乗せて思いっきり振り下ろす。ジールもそれに合わせて鉈で防御。大きな金属音が鳴り響き、アルマの攻撃を受け止める。
ジールは、そのまま鉈で押し返す。アルマは体制を崩される。そこに今度はジールの鉈が横から迫る。
アルマはギリギリの所で足に力を込め宙返し、回避に成功する。
真っ向から行っても『パワー』では勝てない。ならば『技』で仕掛ける!
アルマは1度深呼吸。そして右足を少しだけ前へ、剣を両手で持ち体の前で構える。
アルマの剣術の基本の構え。
「剣術か、面白い。」
ほんの少しだけ微笑むとジールも剣を構え直した。
アルマの2度目の突撃。しかし、これも弾かれる。ジールが反撃に出る。
アルマは弾かれた勢いを利用して回転、剣を持つ腕を目掛けて振り上げる。
この男・・・!こいつの肩を引き裂く前に腕を切断されてしまうな。
そう判断したジールは後ろに少し飛び、なんとか避ける。
今度はジールから仕掛ける。腕をピンと伸ばし、リーチを活かして振り下ろす。
完全に攻撃の態勢に入った時、アルマは加速する。足に『魔装』を集中させ、ジールの近くへ。鉈を持たない肩を狙いう。
アルマの剣は少しだけジールの肩を切り裂いたが、直ぐに反応したジールは最小限のダメージで引き下がる。
「攻撃した瞬間にそれを妨害するような攻撃。なんとも戦いにくい剣術だな。」
「悪いな。これが俺の剣術。爺さんから受け継いだものだ。」
「・・・ひとつ聞きたい。何故魔法で攻撃してこない?」
「巨人は魔力を魔法に使えないと聞いた。それに対し、相手の手の届かない場所から魔法で攻撃なんて卑怯なことはしない。俺はお前の『強さ』を超えて勝つ。」
「なるほど。舐められている訳では無いと言う訳か。殺されかけているというのに素晴らしい覚悟だ。いい戦士だな貴様は。」
互いに剣を構え直す。戦闘態勢だ。
ジールは両手で剣を持ちアルマへ迫る。小さく隙のない攻撃を仕掛ける。
アルマはひらりとかわし、反撃に出るが鉈で防御されてしまう。両手で持つことで無駄の無い鉈捌きとなる。
アルマは1度離れ違う角度から攻撃。それも防御される。防御態勢が完璧だ。
今度はジールが仕掛ける。素早い振り下ろし。
その攻撃をスレスレでかわしたアルマは────
鉈を殴った。
かなりのパワーで鉈を殴られ、攻撃途中だったジールは両手を鉈に引っ張られ胴がガラ空きになる。
その隙をアルマは見逃さない。
切っ先を喉元に突きつける。


「俺の勝ちだな。」

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