人と魔物の極限解放

狂剣氏ヨウガ

第三話 ロリコン王国?

 ディエックゲープから逃げ切った後、街に向かいながら話をしていくつかわかったことがある。 まず、ここは地球じゃないということだ。アーウェイスなんて名前の国聞いたことない。 次に、この世界の季節だが、日本とほとんど変わらない。雨は決まった日に降るらしいので梅雨はなさそうだが、四季はあるそうだ。 暦は西暦ではないが、一年は12ヶ月に分かれているそうな。ちなみに今は5月だそうだ。距離や、重さ、時間の単位は日本のまんまだった。
 それにしても日本とほぼ一緒なのは不思議だ。まあ新しく覚えるよりはいいし、気にしないことにしよう。だってよく言うじゃないか、『だって仕様だもの』って…… そんなこんなで一般常識を確認していたら、いつの間にか街に着いていた。
「おお、ここがウェスタントか? なかなかでかいな」「魔王軍と戦った時の西の防衛戦だからな。城壁で囲まれてる分大きくなるんだよ」
 ほう、この世界には魔王軍なんてのがあるのか。じゃあ獣人族とか魔族とかいるのかな…… あ、でも亜人ってどっちについてるんだろ? それにしても街に入るゲートは大きいのに門番1人なのな。 こっちに気づいて苦笑してるってことは顔見知りかね?
「エド、すまんが救急隊呼んでくれないか? 怪我をしてしまってな」「また勝手に抜け出したのですか坊っちゃま……わかりました、救急隊を呼びますね。ところで、そちらのお方は?」「ああ、ディエックゲープに襲われてるところを助けてもらってな。街の場所がわからないそうだったのでお礼もしたいのでそのまま連れてきた」
 ……なんか門番さんが訝しげな目で見てくるんだけど。 居心地悪いからやめてくんねぇかな……いやまあ確かに怪しいけども。 もっとフレンドリーな門番プリーズ。
「おい、お前。身分を証明できるものはあるのか?」「身分を証明するものなんて持ってたかな……」
 多分ないと思うけど、一応ポケットを弄ろうとしてポケットに手を突っ込む。 ……が、ズボンにポケットが付いていなかった。
「あれ、ポケットがない?」「は?」
 待って、門番さん。そんな可哀想な人を見るような目はやめて。 記憶障害者じゃないから。お願いだから待って。
 一度落ち着いて、改めて自分の格好を見てみると、何故か見たことのない服を着ていた。
「は? え、ちょ、まっ、どゆこと?なんでこんな服着て……」「……坊っちゃま、こんな怪しい人物は門番として、街に入れるわけにはいきません。記憶障害者か何かわかりませんが、街に入れたら危ない気がします」「俺たちの恩人だぞ彼は! 怪しいなど関係あるか! 貴族だから助けられるのは当然みたいな顔をしろと言うのか?」「い、いえ。そういうわけでは……ですが、怪しい人物を街に入れて万が一何かあれば私は門番失格なのです。せめて身分を証明するものがなければ」
 ……まあ門番ってそういう仕事だもんな。 しかし、街に入らずに情報収集は流石に厳しい。どうにかして入れてもらえないだろうか……
「門の前で何を騒いでいる? いったい何事だ」
 門番とルーデが言い争っていると街の中から声が聞こえてきた。服が豪華なところを見ると、貴族か何かだろうか。
「はっ、ルーデント様が怪しい人物を連れてきて街に入れてくれと仰るもので……」「父上、俺たちは彼にディエックゲープに襲われているところを助けてもらいました。そのお礼をしたいと思い、彼を連れて参りました」
 父上? お前、さっき貴族とか言ってたから身分高いかもって思ったらまさかの領主の息子かよ。 っていうかハルトくんほっといていいんだろうかこれ……
「怪しい人物か…………君、森からきたのかね?」「え、まあ森からというより森で目覚めたといいますか……」「ふむ……因みに、ロリコンというのに聞き覚えは?」「え? ロリコ? え、あ、はい、知っております」
 何故ロリコン? と思うも、一応答える。
「なるほど……門番よ、この者を街に入れることを許可する。責任は私が取ろう」「……わかりました。君、疑って悪かったね。通って構わないよ」「あ、はい……どう、も?」
 なんでロリコンを知ってるってだけで入れるの? あれか? ここはロリコン王国だったり?……なんちゅう国や。
「ルーデント、彼を屋敷にお連れしろ。仕事が片付いたら私もすぐに戻る」「わかりました、父上」
 なんかよくわからんけど、とりあえず街に入ることはできるらしい。 とりあえず、今はそれでよしとしよう……事情説明してくれる感じだし。
 因みにハルトくんはこっそりきた救助隊がいつの間にか運んでいました。 救助隊の癖に影薄いなオイ。

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