男の娘でも可愛ければいいよね!

煮干

18.テスト勉強

「もう無理だよ...。」
「頑張れよ、ほら次行くぞ。」
「待って、その前に休憩。」
そう言うと、大空は机に突っ伏した。
手を前に伸ばすと教科書が隠れる。健太はシャーペンを振り上げた。だが、左手で明確な殺意をもった右手をなんとかおさえる。
大きく二回ほど深呼吸をする。
「よし。」
そう言うと、左手にあった定規でおもいっきり大空の手を叩いた。
大空はすぐさま手を引っ込め、痛みに悶えた。
叫ぶことはできない、なぜならここは図書館だから。
「あれ?ここはどうするのですか?」
誠が教科書を横から健太に見せる。が、すかさず幸が間に入って説明をする。
こうやって幸は健太を独り占めしようとした。
だが、それに気づかないほど二人も鈍感ではない。
ならばと二人同時に質問をする。
しかし、ここで問題が発生する。
三人の願いは健太の独り占め、二人で分けあうことなど頭にない。
我先にと二人同時にしゃべるため健太は聞き取れない。
「落ち着け、とりあえず大空から言ってみろ。」
「えっと...ここ。」
「...さっき説明したよな?お前の脳みそは鳥か?」
健太から冷たい視線が送られる。
「じゃあ僕は誠君だね。」
幸は誠の後ろへと回り込み、覗きこむ形をつくり耳元で呟いた。
「残念だったね...健太さんは僕のものだから...で、どこなの?」
「自己解決できました...。」
首を二回ほど縦にふり、誠のもとを離れた。
「ねぇ、健太君。トイレいこ。」
つれしょん。
二人に電撃がはしる。場所を変えて短い時間でも一緒にいようとする貪欲さ、長く一緒にいようと考えるあまりに見落としていた一つの方法。
「いいよ。お前らも来る?」
だが、この天然ばか野郎は気づけない。
これが主人公の属性鈍感だ。
いや気づいてはいるはずだ、それでも健太は友達でいよう接する。
恋愛対象は異性だから。





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