異世界から帰って来たら、現代でも魔法が発達してた件!

眠り人

第2話 久し(昨日)ぶりの学校

さて、これからどうしたものか。面倒ごとに巻き込まれないなら良いんだが。 そう考えていると、一時間目が始まる。一時間目は英語だった。新しい内容のはずなのだが、『叡智之神』のお陰で全て分かる。「ここテストに出るから覚えておけよー」「「「「はーい」」」」何かこの流れも俺の中では懐かしいな。まぁ、6年間あっちに居たからな。それよりも、ソフィア達は大丈夫だろうか?アザゼルがいるけど、ソフィアは自由だからな。そんな事を『並列思考』で考えながら、授業を聞き流す。「ここを…紅、英語に訳してみろ。」先生の指指している所に書かれているのは、「私は高校二年生だ」だった。俺は立ち上がり、「I am in the second year of high school.です。」「せ、正解だ。」先生が驚愕の表情をしている。多分、俺がぼーっとしていたから分からないと思ったのだろう。前までの俺ならば、焦っていただろうが、今は『叡智之神』があるから関係ない。それからしばらくすると、チャイムが鳴る。このチャイム、謎の脱力感があるんだよな。挨拶が終わって休み時間になると和幸と哲也が近づいてくる。「隼也あれよく分かったな。俺には何を言ってるのか、ちんぷんかんぷんだったぜ。」「和幸が英語苦手なだけだろ。」「英語じゃない、勉強が苦手なんだ。」ドヤ顔で言って来る。「和幸、ドヤ顔で言える所じゃないよ?」「哲也の言う通りだぞ、和幸。あれくらい分からないと。」「2人して俺をいじめるな!」このノリは幼馴染だからこそだろう。こいつらが居なければ俺、孤立してたかも知れない。やっぱり持つものは幼馴染だよな!俺に抱きついてきたこいつを除く。俺の後頭部に貧相な胸が当たっている。「フッフフ、私、参上!」「うるさい、重い、邪魔。」「重いだと!本当は興奮しているんだろ?ホレホレ」「おっさんか!あと、そんな貧相なもので興奮はしない。良いから離れろ雪葉」「貧相と言ったな!貧相と!もうこうなったら離れないぞ!」俺にくっ付いているのは波風 雪葉。髪は黒髪で腰まで伸ばしたものをツインテールにして居る。童顔低身長で結構中学生に間違われる。幼い頃から俺にくっ付いて来る阿保の子だ。ソフィアと性格が似ているから、ソフィアと居ると、こいつの事を思い出していた。「もうすぐ次の授業だよ。雪葉さん。」「おぉ、そうだった。ありがとう、哲也。和幸もバイバイ!」「昔からだけど、嵐の様な奴だな。」「あぁ、そうだな。」嵐は去った!とでも言いたそうな顔でそう言う和幸。一応雪葉も鑑定してみたが、この2人よりも強かった。内容は、波風 雪葉種族:人間LV.15職業:高校生生命力:300/300攻撃力:150攻撃力制御:30魔力量:50/50魔力:30魔力制御:5防御力:300水属性:150木属性:50氷属性:300《スキル》『破天荒 LV.3』生命力、攻撃力、防御力を少し上げる。
破天荒ってwリアルな方で吹きかけた。危ない、危ない。氷属性が異様に強いのは名前の影響かな?名前は使える魔法にかなり影響を与える。例えば俺なら、紅を持って居たからか、火属性と炎属性を操るのが得意だった。異世界に召喚された時点のレベルはLV.85だった。その時点で、既に炎魔法最高位の創造級魔法『火女神ヘスティア』が召喚出来た位の影響だ。(『叡智之神』の情報では、火系の最上位は『紅』と『暁』らしい。)その為、雪葉の『雪』により氷属性が強化されたと思う。影響が出ない者もいるが、基本的には名前からの影響は受ける。その為、魔法使いは子に属性の名をつける事が多い。こっちではどうか知らないけど。そうこうしている間に、二時間目が始まる。そこからの流れは同じで、授業が終わると和幸と哲也が来て雪葉が抱きついて来る。そして四時間目が終わり、昼休み。俺と和幸、哲也、雪葉は購買に向かう。哲也と雪葉は弁当を持っているが、俺と和幸は弁当では無く購買で買う予定だ。購買に着くと 多くの生徒で賑わっている。何故だろう、凄い視線を感じる。視線を送って来る奴を鑑定してみると、ほとんどが魔導師だった。別に緊張はしない。そう言うのは《半人半神デミゴット》になった時に消えた。《半人半神デミゴット》とは、その名の通り、半分神になった人だ。(向こうでは《亜神》とも呼ばれていた。)俺の場合なった理由は思い当たる節しかない。その《半人半神デミゴット》の効果は異常無効や不老不死などの効果がある。異常無効の中には、緊張しない効果もある。しかも、異常無効は無駄に万能だ。恐怖も感じないし、男性特有の生理現象もコントロール出来る。まぁ、興奮しないってだけだ。哲也と雪葉には席に座って貰っておいて、俺たちはカウンターに向かう。俺はラーメン、和幸はカレーだ。向こうにも似たような物があったが、やはり味は此方の方が美味しい。「「「いただきます」」」「いただきます!」俺と和幸と哲也は普通にいただきますをしたが、雪葉は大声でいただきますをした。まずは一口。……懐かしい。やはりこの味だな。食べていると雪葉が欲しそうな目で此方を見て来る。「いるか?」「いいの!?」「あぁ、少し待ってろ。」俺はカウンターに居るおばちゃんに小さい皿を頼む。皿を受け取って戻ると俺は麺とスープと味付け玉子とチャーシューを入れて雪葉に渡す。雪葉は受け取るとすぐに食べだす。スープを飲み干すと「ぷはぁ」とおっさんの様な声を上げる。「「おっさんか!」」俺と和幸がタイミングぴったしにツッコミを入れる。「おぉ〜、2人共息ぴったりじゃん。」「大体お前のせいだ。」と言うと、「あぁ、大体雪葉が悪い。」と言いながら和幸が頷く。「ふっふっふ〜、隼也!もう一杯!」「遠慮を知れ!」そんな楽しい昼食を過ごした後は、学校で一番辛いとされて居る五、六時間目だ。学生時代に一度は経験する五、六時間目の睡魔。幸い、俺の体は寝なくても良いが寝ようと思えば寝られる。まぁ、寝ないけど。五時間目が開始して20分程経つと数人の頭がフラフラし始める。和幸は、既に夢の中だ。先生が気づき和幸を起こす。そんなこんなで五時間目が終わる。この休み時間だけは雪葉が来ない。理由は簡単。寝て居るのだ。一度興味本位で見に行くと机に突っ伏して寝ていた。彼奴は幼い頃からあんな感じだ。ご飯を食べるとすぐに寝る。先生方は諦めて居るらしい。一度寝るとしばらくは何をしても起きないからだ。俺も高校1年の時に起こそうとした事があったが、頭を持ち上げても、そのまま落としても、全く起きない。クラスメイトの人達も諦めて居るようだ。彼奴のこう言うところだけは尊敬するよ。悪い意味で。六時間目が始まると、数人の生徒がダウンする。俺もなりかけた事があるから分かるが、あれは抗えない。六時間目の終わりが近づくとほとんどの生徒が寝ている。起きて居るのは、俺と哲也と東岡さんと後はテスト点数上位者数人と言ったところだ。さっき聞いたのだが、再来週にテストがあるらしい。こいつら、寝てて大丈夫なのか?六時間目終了のチャイムと共に起きだす生徒達。こいつら、良く訓練されてるな。帰る用意をしていると前の席の東岡さんに話しかけられる。「隼也君、この後時間ある?」「あるけど?どうして?」「ちよっと一緒に来て欲しい所があって。良い?」「うん、良いよ。」「ありがとう。終礼が終わったら付いて来てね。」話が終わり、俺はまた帰りの用意をする。さて、用事とは何だろうか?大体予想はつくけど。

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