君なんてダイキライ!

那月 綾

青柳兄登場!救いの手!

「僕はね?春香……ずぅーっと……見てたんだよ?君がこの年に、なるまで…」

「……っ……」
私は、潤の目が怖くて何も言えない。そして、震えが止まらない。
「………」

ぎゅっ

「っ!…神崎さん?」
すると、神崎さんは私が震えていることに気づいて、さらにぎゅっと抱きしめた。
「…大丈夫…俺が…春香さんを守るから…」
神崎さんもきっと怖いと思うのになんでそこまでして私を守ろうとするのか…私は…分からない。
「…おい。そこのお前…確か、神崎って言ったな?春香を返してくれない?」

「嫌だね!ぜってぇ、やだ!」

「春香さん!大丈夫です!俺達が守ります!」

「春香ちゃんはあんたの所なんて行きたくないってさ!潤さん!」
私はそんな皆を見て我慢が出来なくなった。
私は弱くわない…もう、大切な人達を失いたくない…
「…里美さん、神崎さん、大和さんも、もう、いいよ…もう私を守らなくても…私は大丈夫だから…」
私は神崎さんの胸元からそっと離れた。そして、潤の方に向いた。
「っ!やっと!僕の所へ来る気になったんだね?さぁ!おいで!僕の春香!」

「……私は…あんたの所になんか……行かない!私は私だ!あんたのでも誰のでもない!勝手に決めつけるな!」
潤は私の言葉を聞いて固まった…固まって数秒経つと変な顔した。歪んだ感じの…
「え?……じ、冗談だよね?ねぇ!春香!」

「冗談でも、嘘でもない…本当だ!」

「嘘だ…………嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!……あ、そうだ……だったら、無理矢理にでも春香を僕のものにしよう。また、あの薬で直そう。僕の春香を…」

「「「「!!!!」」」」
潤はゆっくりと私の方に近づいてくる。私は後ずさりをした。
その時だ。いきなり階段からドタバタと音を立てて私の部屋に誰かが来た。
(?誰だ?)
そう思っていると、潤はその人を見るなり顔が青ざめていく。
「…やっぱり、秋山さんの家に来てたのか…潤。」

「ッ…に…兄さん…」

「「「兄さん!?マジでいたのかよ!」」」

「…やぁ、秋山さん…すまないねえ弟が迷惑を…」
突然来たのは本物の青柳瑛先生だ。
「いえ…別に、まぁ、こうやって話すのは初めてだと思いますけど…」

「へぇ、どうして分かったの?学校にいる青柳が…『二人いる』ってこと…」
私はその言葉で察した…きっとこの人はめんどくさい世話焼きする人だ…と。
「…それは、学校で私に話しかける時とかけない時の差です。」

「ほぅ。それで?」

「私に話しかける時の先生は…ぶっちゃけ…キモイです…」

「え…き、キモイ……」
(僕ってキモイの?地味に傷つく…)

「で、話しかけない…というか、ほかの人に話しかける時は…なんかキモくないし…爽やかオーラが出てる。しかも、身長や口調、喋り方が違ってた。だから、何となく、交代交代で先生してるのかぁと思ってた…」
私は、人を観察する癖がある、この癖がある人はぼっちだと分かるらしい。どうでもいいけどな…
神崎さん達は私の言ってることに驚いていた。
え?そんなに驚く?
「す、すげえ!春香さん!探偵みたいだったぞ!」

「「うんうん!」」

「それより、兄さんどうしてここが?」
潤はまだ青ざめた顔で瑛に話しかけた。すると、目が笑ってない顔で笑って、
「…発信器、携帯のストラップに付けたからすぐに?だけど?」
どうやら、腹黒い先生だった、ぽい。
「…に、兄さん、これは、その、訳が…あって…」

「言い訳は…聞かないから…さあ?帰ろうか?お仕置きしないとね?」

「ひっ……や、ヤダヤダ離してくれ!兄さん!あれだけは本当にやだ!お仕置きだけわ〜!」
あ、潤さん、お疲れ様です…頑張ってお仕置きされろ!…
「…ねぇ、春香ちゃん、お仕置きってなんだろうね…」

「?…さぁ?」

「えっと、これで一件落着で、いいのか?」

「そうなんじゃね?…まぁ、助かったんだしさ!」
私は思った。
もし、瑛先生が来なかったらきっと私は連れ去られ監禁されたのかもしれない。ついでにみんなが殺されたのかもしれない。
感謝します!青柳瑛先生!
「あ、だったら、これから、遊ぼうよ!外でさ!」

「春香さんは?」
私は少し、迷った。でも、今の私は何も縛られない。自由の身だ。久しぶりに遊びたい。
「う、ん」
この人達は私の初めての友達だと思う。
「よっし!決まりだな!じゃあ行こうぜ!」
今更かもしれないけど、私はこの人達と出会って、友達になって本当によかった。
「春香さん?」

「早く!春香さん!」

「うん!」

「「っ!笑っ…た」」
ま、このことは絶対に言いたくないし、言える勇気もないけど!


おばあちゃん、天国から見てる?
私ね!初めて友達が出来たよ!
もう、私は一人でも大丈夫!
「遅いよ!神崎さん!大和さん!」

「は〜い!」

「早すぎでしょ!春香さん!」
きっと、これからは楽しいことがたくさんあるだろうな
今度は、もっと明るい自分で

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