実録怪異譚

第7話 偶然? の話



私が免許取りたての頃のことです。友達四人とレンタカーを借りて奈良旅行に行きました。
吉野山から明日香村まで、取りたてペーパードライバーで山道……別の恐怖を感じました。


私が行った時は、御開帳なのに観光客が全然いませんでした。桜が終わっていたからでしょうか?

まず吉野山を観光した私たちは温泉に入りに行きました。日帰り温泉です。
受付でタオルを受け取って温泉に入るのにエレベーターに乗ります。
まとめて支払ってくれた友達がタオルを配ってくれました。


「はーい」
「ありがとう~」的なやり取りを三回繰り返した後……タオルが一枚余りました。


使い終わったら洗濯籠に入れるシステムだったので、支払ってくれた友達が
「じゃ、二枚使うわ」ってことになりました。
山の上の露天風呂、とても気持ちが良かったです。




吉野山観光のあとは明日香村に行きました。石舞台古墳なんかを見て、食事の為にレストランに入りました。


ウエイトレスさんが、お決まりのセリフと共にお冷やとおしぼりを置いていきます。


一つ、二つ、三つ、四つ、そして五つ……。


乾いた笑いが出ました。
一回の旅行で二回は、多いですねもんね。


「ついてきちゃったのかな?」
「そうかもね~まあその内帰るでしょ~」
そんな会話をして普通に注文して食べて帰りました。
その後は特に何もありません。


偶然と言われれば偶然でしょう。でも二回は多くないですか?



          

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