34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第73話 ソニアとシルク(23)
ソニアとシルクは、庭師ハンスのもとに急いだ。
「あー、あのお茶にした葉っぱね、催眠効果があるやつだったかもしれない」
ハンスはケロリとして言う。
「ハンスさ~ん!どうしよう・・・。王様の目が覚めたら、きっとものすごく怒られちゃうよ!」
「怒られるだけですめば良いのですが・・・。死罪の可能性もあります・・・。王に毒を盛ったようなものですから・・・」
ソニアが真剣な顔をする。
「・・・話さなきゃいけない事、まだ王様に話せていないんだよね・・・。いっそ王様が起きる前に椅子に縛り付けて、何とか話を聞いてもらおうかな。」
「王を縛り付けるなどど、シルク様・・・」
あはは、と二人の会話を聞いてハンスが笑った。
「ホントにシルクは面白いねぇ!いいよ、話してごらん。王様に言いたいことってなんだい?」
「ハンスさんに言ったって・・・・」
「・・・・・」
「・・・」
「!」
シルクは初めて、ハンスの顔をまじまじと見た。
髭が生えているけどまだ若い。前髪がボサボサだけど整えると・・・
素朴なイケメン・・・・
そして聞き覚えがある声・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「デュラン王!!!」
シルクは夜中にもかかわらず大声で叫んだ。
*****
「ハンスさんがデュラン王・・・!」
「よく分かったね」
ハンスはニコニコしながら小さいナイフで髭をそり、前髪を切ってクシャクシャと手で流した。
すると、シルクが知っているデュラン王(の若いころ)になった。
「あの、じゃああの王様は・・・?」
「私の替え玉だよ。ただ、ミダが替え玉と城中の兵士に強力な催眠術を掛けたから、本人も周りもまだ本物だと思っているけどね。」
「どうしてこんなことをなさったのですか?」
ソニアは責めるように言った。
「すまない、君たちには迷惑をかけたね。理由としては、一つは、結婚相手を選ぶのに王としてではなく普通の男として見たかったことと、もう一つ、私の命が妃候補の誰かによって狙われているとミダが予言したからなんだ。
犯人を調べたくてね。」
「命を狙われている?!犯人は分かったんですか?」
シルクは興奮気味に聞いた。
自分(中身が入れ替わる前のシルク)も狙われたみたいだし、ソフィア姫の犬も毒殺されてしまったし、確かにこの城の中には恐ろしい計画を立てている人間がいる。
「うん、わかった・・・と思う。」
「だ、誰なんですか・・・?」
「それは・・・まだ、後で話そう。
さあ、シルクがコナンの王、デュランに言わなくちゃいけないことを言っておくれ。」
力強く優しい声がシルクを促す。
「はい・・・。えっと、どこから話せばいいのか迷ったんですけど・・・。
デュラン王の未来の息子、オルガ王子が18歳になれば死んでしまう呪いを掛けられているんです。
ボクは不幸な未来を変えるために、ここへ飛ばされてきたのです。シルクの身体を借りて。」
「未来?!」
そんな話をにわかに信じられないといったデュランとソニアに、シルクは辛抱強く説明した。
でも、どうしても言えないことがあった。
ソニアが54人の村人と5匹の獣を殺し、自らも命を絶ってしまったという所である。
シルクはただ、王妃は4人もの子供を死産し、やっと生まれたオルガ王子に呪いをかけられたと言った。
「シルク、私が選んだその不幸な王妃とは誰なんだ?」
「王妃は・・・ボクです。」
「!!」「!!」
ソニアとデュランは言葉も出ないほど驚いた。
「王様お願い!ボクをお妃に選ばないでください!ボクたちが結婚しなければきっと不幸は起こらない!!」
「そんな・・・」
デュランは酷く落ち込んだ。うつむいて口元を押さえている。
「ねえ、簡単な事でしょう?ほかの・・・美しい10人の姫から選んでくださればいいんです・・・」
「簡単なことではないでしょう、シルク様。デュラン王は、もう、あなた様を愛しておいでだ。」
「あー、あのお茶にした葉っぱね、催眠効果があるやつだったかもしれない」
ハンスはケロリとして言う。
「ハンスさ~ん!どうしよう・・・。王様の目が覚めたら、きっとものすごく怒られちゃうよ!」
「怒られるだけですめば良いのですが・・・。死罪の可能性もあります・・・。王に毒を盛ったようなものですから・・・」
ソニアが真剣な顔をする。
「・・・話さなきゃいけない事、まだ王様に話せていないんだよね・・・。いっそ王様が起きる前に椅子に縛り付けて、何とか話を聞いてもらおうかな。」
「王を縛り付けるなどど、シルク様・・・」
あはは、と二人の会話を聞いてハンスが笑った。
「ホントにシルクは面白いねぇ!いいよ、話してごらん。王様に言いたいことってなんだい?」
「ハンスさんに言ったって・・・・」
「・・・・・」
「・・・」
「!」
シルクは初めて、ハンスの顔をまじまじと見た。
髭が生えているけどまだ若い。前髪がボサボサだけど整えると・・・
素朴なイケメン・・・・
そして聞き覚えがある声・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「デュラン王!!!」
シルクは夜中にもかかわらず大声で叫んだ。
*****
「ハンスさんがデュラン王・・・!」
「よく分かったね」
ハンスはニコニコしながら小さいナイフで髭をそり、前髪を切ってクシャクシャと手で流した。
すると、シルクが知っているデュラン王(の若いころ)になった。
「あの、じゃああの王様は・・・?」
「私の替え玉だよ。ただ、ミダが替え玉と城中の兵士に強力な催眠術を掛けたから、本人も周りもまだ本物だと思っているけどね。」
「どうしてこんなことをなさったのですか?」
ソニアは責めるように言った。
「すまない、君たちには迷惑をかけたね。理由としては、一つは、結婚相手を選ぶのに王としてではなく普通の男として見たかったことと、もう一つ、私の命が妃候補の誰かによって狙われているとミダが予言したからなんだ。
犯人を調べたくてね。」
「命を狙われている?!犯人は分かったんですか?」
シルクは興奮気味に聞いた。
自分(中身が入れ替わる前のシルク)も狙われたみたいだし、ソフィア姫の犬も毒殺されてしまったし、確かにこの城の中には恐ろしい計画を立てている人間がいる。
「うん、わかった・・・と思う。」
「だ、誰なんですか・・・?」
「それは・・・まだ、後で話そう。
さあ、シルクがコナンの王、デュランに言わなくちゃいけないことを言っておくれ。」
力強く優しい声がシルクを促す。
「はい・・・。えっと、どこから話せばいいのか迷ったんですけど・・・。
デュラン王の未来の息子、オルガ王子が18歳になれば死んでしまう呪いを掛けられているんです。
ボクは不幸な未来を変えるために、ここへ飛ばされてきたのです。シルクの身体を借りて。」
「未来?!」
そんな話をにわかに信じられないといったデュランとソニアに、シルクは辛抱強く説明した。
でも、どうしても言えないことがあった。
ソニアが54人の村人と5匹の獣を殺し、自らも命を絶ってしまったという所である。
シルクはただ、王妃は4人もの子供を死産し、やっと生まれたオルガ王子に呪いをかけられたと言った。
「シルク、私が選んだその不幸な王妃とは誰なんだ?」
「王妃は・・・ボクです。」
「!!」「!!」
ソニアとデュランは言葉も出ないほど驚いた。
「王様お願い!ボクをお妃に選ばないでください!ボクたちが結婚しなければきっと不幸は起こらない!!」
「そんな・・・」
デュランは酷く落ち込んだ。うつむいて口元を押さえている。
「ねえ、簡単な事でしょう?ほかの・・・美しい10人の姫から選んでくださればいいんです・・・」
「簡単なことではないでしょう、シルク様。デュラン王は、もう、あなた様を愛しておいでだ。」
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