34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第65話 ソニアとシルク(15)
ハンスさんはアレだろうか。
いわゆる天然なのだろうか。
シルクはジト目でハンスを見る。
お腹が空いているから普段の3倍は腹が立った。
食料忘れたてへぺろ、お金ないてへぺろである。
良く言えば豪快、悪く言えばうっかり・・・
「お金がない?しかしお前たちは魔女と取引が成立している。守らなければその報いを受けてもらうが、いいか」
「報い?!報いってなんですか?」
「交換の報いは”変化”だ。・・・そうだな、カエルか小魚にしてやろうか。この湖でヒッソリ生きていくがいい。」
「カエルか小魚ー!これ以上変なものになるのは困りますー!」
シルクは心の底から叫んだ。
「どうにか・・・他のもので勘弁してもらえないか。馬なら差し上げる事が出来る。あとは・・・。」
ハンスのその言葉を遮るように魔女が言う。
「ならぬ。しかし、その娘となら交換に応じよう。」
「えーーーっ!」
下手に気に入られたのが裏目に出るシルクだった・・・。 
ハンスとシルクは再び目を合わせる。
(どうしようかねぇ)
(カエルや小魚にされるのはこまります〜)
(でもお金ないし…)
(ハンスさ〜〜ん!!)
以上、心の会話である。
とにかく、カエルや小魚にされたら元も子もないし、お腹は限界まで空いてるしで、交換を受けざるを得なかった。
「よろしい。ちょうど下働きがほしかったんだ。」
「し、下働き…」
お城にいて王様に手篭めにされるのと、魔女の下働きと、どっちが良いか微妙なとこである。
とにかくシルクとハンスは魔女の家の中に通された。
パンと肉とワインは交換したので、テーブルを借りてとりあえず食べる。
「う、うまいっ!」
魔女のパンと肉とワインは、思わず大声が出てしまうほど美味しかった。
この世界では珍しいほど柔らかくてほんのり甘いパン、絶妙な塩加減の干し肉、至福の香りがするワイン。
こんな美味しいものが毎日食べられるのなら、魔女の下働きも悪くないと思えるほどだ。
お腹ぎ満たされると同時に、シルクは色々冷静に考えてみた。
とにかく、王様とシルクが結婚しなければ、不幸な未来はないのだ。
それと魔女を監視する意味も込めて、ここで下働きをするのも悪くない。
魔女も、評判より怖くないような気がする。
「ハンスさん、心配しないで。ボク、しばらくここでご厄介になります。
ここならお城からの追っても防げるかもしれません。
」
「ゴメンね、シルク。私もなんとかする方法を探してみるから、待っててくれ。
様子は毎日見にくるよ。」
ハンスは満腹になったお腹をさすりながら帰っていく。なんだかちょっと騙された気がするシルクだった…。
さて…そんなことより、魔女と2人、取り残されてしまったという状況。
変な器具や、動物、薬草や石が所狭しと並ぶ魔女の家の中。
どうしたら良いものか、シルクは腕組みをして考える。ていうか、振り向いたら魔女と目が合うので身動きが取れないでいた。
「さてと。」
魔女が切り出す。
「は、はいいっ!」
シルクはロボットみたいにカチカチになりながら後ろに向いた。
「まずは洗濯でも頼もうな。こーゆー、魔女っぽい服好きじゃないんだ。」
魔女の声が、妙に男っぽい。
魔女はマントを下からガバッと脱いで、白くて薄いシャツと黒いズボンだけになった。
シルクが???と思っている間に、魔女が何か呪文を唱え、枯れた草に火をつけると、
草はボッと一瞬で燃え上がり、すぐに消えた。
その煙が魔女を包み込む。
煙が晴れた時、現れたのは…
「ミダさん!!」
お城で会った、ミダにソックリの男だった。
いわゆる天然なのだろうか。
シルクはジト目でハンスを見る。
お腹が空いているから普段の3倍は腹が立った。
食料忘れたてへぺろ、お金ないてへぺろである。
良く言えば豪快、悪く言えばうっかり・・・
「お金がない?しかしお前たちは魔女と取引が成立している。守らなければその報いを受けてもらうが、いいか」
「報い?!報いってなんですか?」
「交換の報いは”変化”だ。・・・そうだな、カエルか小魚にしてやろうか。この湖でヒッソリ生きていくがいい。」
「カエルか小魚ー!これ以上変なものになるのは困りますー!」
シルクは心の底から叫んだ。
「どうにか・・・他のもので勘弁してもらえないか。馬なら差し上げる事が出来る。あとは・・・。」
ハンスのその言葉を遮るように魔女が言う。
「ならぬ。しかし、その娘となら交換に応じよう。」
「えーーーっ!」
下手に気に入られたのが裏目に出るシルクだった・・・。 
ハンスとシルクは再び目を合わせる。
(どうしようかねぇ)
(カエルや小魚にされるのはこまります〜)
(でもお金ないし…)
(ハンスさ〜〜ん!!)
以上、心の会話である。
とにかく、カエルや小魚にされたら元も子もないし、お腹は限界まで空いてるしで、交換を受けざるを得なかった。
「よろしい。ちょうど下働きがほしかったんだ。」
「し、下働き…」
お城にいて王様に手篭めにされるのと、魔女の下働きと、どっちが良いか微妙なとこである。
とにかくシルクとハンスは魔女の家の中に通された。
パンと肉とワインは交換したので、テーブルを借りてとりあえず食べる。
「う、うまいっ!」
魔女のパンと肉とワインは、思わず大声が出てしまうほど美味しかった。
この世界では珍しいほど柔らかくてほんのり甘いパン、絶妙な塩加減の干し肉、至福の香りがするワイン。
こんな美味しいものが毎日食べられるのなら、魔女の下働きも悪くないと思えるほどだ。
お腹ぎ満たされると同時に、シルクは色々冷静に考えてみた。
とにかく、王様とシルクが結婚しなければ、不幸な未来はないのだ。
それと魔女を監視する意味も込めて、ここで下働きをするのも悪くない。
魔女も、評判より怖くないような気がする。
「ハンスさん、心配しないで。ボク、しばらくここでご厄介になります。
ここならお城からの追っても防げるかもしれません。
」
「ゴメンね、シルク。私もなんとかする方法を探してみるから、待っててくれ。
様子は毎日見にくるよ。」
ハンスは満腹になったお腹をさすりながら帰っていく。なんだかちょっと騙された気がするシルクだった…。
さて…そんなことより、魔女と2人、取り残されてしまったという状況。
変な器具や、動物、薬草や石が所狭しと並ぶ魔女の家の中。
どうしたら良いものか、シルクは腕組みをして考える。ていうか、振り向いたら魔女と目が合うので身動きが取れないでいた。
「さてと。」
魔女が切り出す。
「は、はいいっ!」
シルクはロボットみたいにカチカチになりながら後ろに向いた。
「まずは洗濯でも頼もうな。こーゆー、魔女っぽい服好きじゃないんだ。」
魔女の声が、妙に男っぽい。
魔女はマントを下からガバッと脱いで、白くて薄いシャツと黒いズボンだけになった。
シルクが???と思っている間に、魔女が何か呪文を唱え、枯れた草に火をつけると、
草はボッと一瞬で燃え上がり、すぐに消えた。
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