34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第55話 ソニアとシルク(5)
小さな少女、シルク。
ソニアの前に立つと、20センチほど身長差があるせいか大人と子供に見える。
フワフワの少し茶色がかった金髪にクリクリの瞳、可愛らしい顔。
「シルク・・・シルク様といえば、お妃様候補の方ではありませんか?」
「あ・・・はい、一応・・・。でも私、こんなですし、候補なんてあきらめてるんです。
だから、今回のことが終わるまで、花でも育てて待とうかなって。お花の種をハンスさんからいただいたので」
シルクはニコッとした。
ソニアも思わず微笑む。
「他の姫とのお茶会にもいらっしゃらなかったですよね?存じ上げず申し訳ありませんでした・・・。」
「いえいえ、私、そういうのが苦手で。あのっ、じゃあこれで失礼します!」
シルクはパタパタと自分の部屋へ走っていく。途中石段につまずいたが、転ぶまではしなかった。
*****
ハアハア息を切らせて部屋に入るシルク。
「紅い髪の・・・ソニアさん。なんて綺麗な人なんだろう・・・。」
心臓がどきどきする。
「今まで見たどの女の人よりも綺麗・・・」
シルクは落ち着くために水差しに手を伸ばした。
その瞬間、誰かにいきなり背後から体を押さえつけられた。
「!!」
ビックリしすぎて声が出ない。
シルクを押さえつけた手は、彼女の顎を掴み、何か液体を無理矢理飲ませた。
シルクはしゃっくりをしながら痙攣し、その場で倒れた。
トクントクン・・・トクトク・・・
心臓の音が小さくなる。小さくなって、消えそうな音、光・・・・・・・
・・・・・・
光。
クロちゃんは光を見た。
ずっと暗闇の中にいたが、一つ小さな光を見たのだ。
それはとても弱弱しくて、すぐに消えてしまいそうで、クロちゃんはそっと手のひらで包んだ。
次の瞬間。
「シルク様!」
そう呼ばれたのは、クロちゃんだ。
しかし、誰かが
「シルク様!大丈夫ですか!」
と、クロちゃんを揺さぶりながら言っている。
(ややこしいなぁ・・・)
ボーッした意識の中で、クロちゃんはそう思っていた。
(中身は34歳のおっさんで、黒髪の美少女クロになって・・・その上シルクって誰だ・・・)
(・・・)
「シルク?!」
バッ!
クロちゃんは跳ね起きる。
目の前には、紅い髪の見覚えのある美しい女の人がいた。
感じはちょっと違うが、それは確かに・・・
「ソニアさん!」
ソニアはホッとした様子で答えた。
「はい、ソニアです。ああ、良かった。床に倒れられていて、その横に毒の瓶がありましたので、てっきり・・・。」
「毒?ていうか、ここはどこ?」
見渡すと、少しだけ見覚えがある造りの建物だった。
窓から見える庭はつい最近見たものだ。
「あ!コナンの城だ!」
「そうです、シルク様。記憶が混乱されているようだ。今、医者を呼んできましょう。」
ソニアはシルク(クロちゃん)をベッドに寝かせて部屋から出ていった。
クロちゃんが何となく自分の髪を見てみると、黒くない、金髪である。
「え?え?どうなってるの?
ボクはロックやミダさん、ソニアさんと酒場にいて・・・。ミダさんが夜風に当たりたいとか言ったから一緒に外に出て・・・で・・・壁ドンされて・・・・気を失って・・・イマココ。」
ま、またどこかに飛ばされたーーーー!!
流石のクロちゃんも気が付いた。
どうやら自分は、シルク王妃の体の中にいるらしい。
そしてソニアが若かったから、何年か前だ。
「どうしよう・・・一人でこんな・・・しかも人の体の中なんて・・・」
ズキッ
胸のところがひどく痛む。
「あいたたた・・・」
胸を押さえてうずくまるクロちゃん。
「んんん・・・」
しばらくして痛みが治まり見てみると、シルクの体だというのにクロちゃんみたいに乳房が巨大化していた・・・。
ソニアの前に立つと、20センチほど身長差があるせいか大人と子供に見える。
フワフワの少し茶色がかった金髪にクリクリの瞳、可愛らしい顔。
「シルク・・・シルク様といえば、お妃様候補の方ではありませんか?」
「あ・・・はい、一応・・・。でも私、こんなですし、候補なんてあきらめてるんです。
だから、今回のことが終わるまで、花でも育てて待とうかなって。お花の種をハンスさんからいただいたので」
シルクはニコッとした。
ソニアも思わず微笑む。
「他の姫とのお茶会にもいらっしゃらなかったですよね?存じ上げず申し訳ありませんでした・・・。」
「いえいえ、私、そういうのが苦手で。あのっ、じゃあこれで失礼します!」
シルクはパタパタと自分の部屋へ走っていく。途中石段につまずいたが、転ぶまではしなかった。
*****
ハアハア息を切らせて部屋に入るシルク。
「紅い髪の・・・ソニアさん。なんて綺麗な人なんだろう・・・。」
心臓がどきどきする。
「今まで見たどの女の人よりも綺麗・・・」
シルクは落ち着くために水差しに手を伸ばした。
その瞬間、誰かにいきなり背後から体を押さえつけられた。
「!!」
ビックリしすぎて声が出ない。
シルクを押さえつけた手は、彼女の顎を掴み、何か液体を無理矢理飲ませた。
シルクはしゃっくりをしながら痙攣し、その場で倒れた。
トクントクン・・・トクトク・・・
心臓の音が小さくなる。小さくなって、消えそうな音、光・・・・・・・
・・・・・・
光。
クロちゃんは光を見た。
ずっと暗闇の中にいたが、一つ小さな光を見たのだ。
それはとても弱弱しくて、すぐに消えてしまいそうで、クロちゃんはそっと手のひらで包んだ。
次の瞬間。
「シルク様!」
そう呼ばれたのは、クロちゃんだ。
しかし、誰かが
「シルク様!大丈夫ですか!」
と、クロちゃんを揺さぶりながら言っている。
(ややこしいなぁ・・・)
ボーッした意識の中で、クロちゃんはそう思っていた。
(中身は34歳のおっさんで、黒髪の美少女クロになって・・・その上シルクって誰だ・・・)
(・・・)
「シルク?!」
バッ!
クロちゃんは跳ね起きる。
目の前には、紅い髪の見覚えのある美しい女の人がいた。
感じはちょっと違うが、それは確かに・・・
「ソニアさん!」
ソニアはホッとした様子で答えた。
「はい、ソニアです。ああ、良かった。床に倒れられていて、その横に毒の瓶がありましたので、てっきり・・・。」
「毒?ていうか、ここはどこ?」
見渡すと、少しだけ見覚えがある造りの建物だった。
窓から見える庭はつい最近見たものだ。
「あ!コナンの城だ!」
「そうです、シルク様。記憶が混乱されているようだ。今、医者を呼んできましょう。」
ソニアはシルク(クロちゃん)をベッドに寝かせて部屋から出ていった。
クロちゃんが何となく自分の髪を見てみると、黒くない、金髪である。
「え?え?どうなってるの?
ボクはロックやミダさん、ソニアさんと酒場にいて・・・。ミダさんが夜風に当たりたいとか言ったから一緒に外に出て・・・で・・・壁ドンされて・・・・気を失って・・・イマココ。」
ま、またどこかに飛ばされたーーーー!!
流石のクロちゃんも気が付いた。
どうやら自分は、シルク王妃の体の中にいるらしい。
そしてソニアが若かったから、何年か前だ。
「どうしよう・・・一人でこんな・・・しかも人の体の中なんて・・・」
ズキッ
胸のところがひどく痛む。
「あいたたた・・・」
胸を押さえてうずくまるクロちゃん。
「んんん・・・」
しばらくして痛みが治まり見てみると、シルクの体だというのにクロちゃんみたいに乳房が巨大化していた・・・。
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