34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第45話 シルク王妃
翌朝、少しゆっくり朝食を食べてから、クロちゃんたちは王妃の部屋へ案内された。
夜は遅くまでロックと作戦会議をしていたので眠いクロちゃん。
王と王妃に、18年後の未来のことを話すかどうか決めかねていたのだ。
「せっかく生まれても、オルガ王子は呪われてしまうし、森の魔女に頼むなんてやめた方が良いですよって言う?」
ロックも悩んでいる。
「しかしなぁ。タダでさえ怪しいオレたちが、そんな怪しい事言って信じてもらえるかどうか。下手したら死罪だろ。
それにしても、あの王が村人を皆殺しなんて許すわけないと思うが…」
「ですよねぇ。」
結局結論は出ず、まずは王妃に会ってみてから考えることにした。
通された部屋の中には、すでにソニアがドーンと仁王立ちしていた。
「お前たち、分かってるな?」
朝から美しい顔でクロちゃんたちを睨みつける。
クロちゃんにとってはそんな顔もご褒美なのだが…。
せめてもの華やかさにと、ブルーライオンの子に白いリボンをつけてみたのでソニアに見せてみる。
「か、可愛い…(ゴホンゴホン)王妃様もお喜びになるだろう」
ソニアもメロメロになって青く小さな頭を撫でた。
「ブルーライオンの子供がいるってほんとう?」
奥の扉からシルク王妃が現れたのは、それからすぐ。
鈴を振ったような可愛らしい声に振り向くと、そこにはだれもいなかった。
・・・正確には、こけて床に倒れている王妃がいた。
「シルク様!大丈夫ですか?!」
ソニアが駆け寄る。
「いてて・・・うん、だいじょうぶ。いつものことだから」
(もしかしてドジッ子キャラ?!)
クロちゃんが、顔を上げたソニア王妃を見てみると、彼女はクロちゃんを金髪にして二十歳にしたような女の人だった・・・。顔の造形というか、雰囲気がそっくりである。
2人は目と目が合う。
「あら?」
「あれ?」
何となく「えへへ」と微笑みあう所まで似ている。
「王妃様、この子がお話ししましたクロです。しばしのお慰みにでもなればよいのですが。」
「ええ、ソニア、この子とは気が合いそうな気がするわ。」
王妃シルクはニッコリした。
「ねえ、ライオンの子はどこなの?」
「こ、ここです!」
クロちゃんは少し緊張しながらリボンを付けた子ライオンを差し出した。
「ミー!」
「可愛い~~~~~!!」
王妃は大喜びで子ライオンを抱っこする。
「この子、お名前は?」
「あ・・・まだ決めていません。あの、良かったら王妃様が決めてやって下さい。」
「いいの?」
王妃はしばし悩んだ。
「う~~ん う~~ん・・・・・・・・。
そうだ、モニカにしましょう!この子は女の子よね?」
クロちゃんとロックは顔を見合わせた。
モニカとは18年後のこの世界で、クロちゃんに懐いていた妊娠中のメスのブルーライオンの名前だ。
クロちゃんは何とか王妃を励まそうと、楽しい話をして頑張る。
真の目的は、大量虐殺に繋がった森の魔女との契約をさせないことなのだが、どんなに話してみてもシルク王妃は、デュラン王と同様にそんなことをする人には見えなかった。
見かけは二十歳ぐらいに見えるが実際は25歳で、きわめておっとりして優しい性格。しかもクロちゃんといい勝負のおっちょこちょいな性格である。悪い事が出来るはずがない。
あまり豊かでない領主の娘として生まれ、しかしひょんなことから妃候補となり、どんな美女よりも王に気に入られて結婚したという。(この辺はソニアが嬉しそうに説明してくれた。)
待望の赤ちゃんを4度も死産してとても悲しいはずなのに、シルク王妃はそんなそぶりはあまり見せずにクロちゃんと過ごしてくれた。
優しいだけではなく、芯が強いんだなとクロちゃんは思う。
その日は夕食前に王妃の部屋を後にし、ロックと再びこれからどうするか相談していたころ、
シルク王妃はソニアに言っていた。
「クロちゃん、王の側室になってくれないかしら・・・。」
夜は遅くまでロックと作戦会議をしていたので眠いクロちゃん。
王と王妃に、18年後の未来のことを話すかどうか決めかねていたのだ。
「せっかく生まれても、オルガ王子は呪われてしまうし、森の魔女に頼むなんてやめた方が良いですよって言う?」
ロックも悩んでいる。
「しかしなぁ。タダでさえ怪しいオレたちが、そんな怪しい事言って信じてもらえるかどうか。下手したら死罪だろ。
それにしても、あの王が村人を皆殺しなんて許すわけないと思うが…」
「ですよねぇ。」
結局結論は出ず、まずは王妃に会ってみてから考えることにした。
通された部屋の中には、すでにソニアがドーンと仁王立ちしていた。
「お前たち、分かってるな?」
朝から美しい顔でクロちゃんたちを睨みつける。
クロちゃんにとってはそんな顔もご褒美なのだが…。
せめてもの華やかさにと、ブルーライオンの子に白いリボンをつけてみたのでソニアに見せてみる。
「か、可愛い…(ゴホンゴホン)王妃様もお喜びになるだろう」
ソニアもメロメロになって青く小さな頭を撫でた。
「ブルーライオンの子供がいるってほんとう?」
奥の扉からシルク王妃が現れたのは、それからすぐ。
鈴を振ったような可愛らしい声に振り向くと、そこにはだれもいなかった。
・・・正確には、こけて床に倒れている王妃がいた。
「シルク様!大丈夫ですか?!」
ソニアが駆け寄る。
「いてて・・・うん、だいじょうぶ。いつものことだから」
(もしかしてドジッ子キャラ?!)
クロちゃんが、顔を上げたソニア王妃を見てみると、彼女はクロちゃんを金髪にして二十歳にしたような女の人だった・・・。顔の造形というか、雰囲気がそっくりである。
2人は目と目が合う。
「あら?」
「あれ?」
何となく「えへへ」と微笑みあう所まで似ている。
「王妃様、この子がお話ししましたクロです。しばしのお慰みにでもなればよいのですが。」
「ええ、ソニア、この子とは気が合いそうな気がするわ。」
王妃シルクはニッコリした。
「ねえ、ライオンの子はどこなの?」
「こ、ここです!」
クロちゃんは少し緊張しながらリボンを付けた子ライオンを差し出した。
「ミー!」
「可愛い~~~~~!!」
王妃は大喜びで子ライオンを抱っこする。
「この子、お名前は?」
「あ・・・まだ決めていません。あの、良かったら王妃様が決めてやって下さい。」
「いいの?」
王妃はしばし悩んだ。
「う~~ん う~~ん・・・・・・・・。
そうだ、モニカにしましょう!この子は女の子よね?」
クロちゃんとロックは顔を見合わせた。
モニカとは18年後のこの世界で、クロちゃんに懐いていた妊娠中のメスのブルーライオンの名前だ。
クロちゃんは何とか王妃を励まそうと、楽しい話をして頑張る。
真の目的は、大量虐殺に繋がった森の魔女との契約をさせないことなのだが、どんなに話してみてもシルク王妃は、デュラン王と同様にそんなことをする人には見えなかった。
見かけは二十歳ぐらいに見えるが実際は25歳で、きわめておっとりして優しい性格。しかもクロちゃんといい勝負のおっちょこちょいな性格である。悪い事が出来るはずがない。
あまり豊かでない領主の娘として生まれ、しかしひょんなことから妃候補となり、どんな美女よりも王に気に入られて結婚したという。(この辺はソニアが嬉しそうに説明してくれた。)
待望の赤ちゃんを4度も死産してとても悲しいはずなのに、シルク王妃はそんなそぶりはあまり見せずにクロちゃんと過ごしてくれた。
優しいだけではなく、芯が強いんだなとクロちゃんは思う。
その日は夕食前に王妃の部屋を後にし、ロックと再びこれからどうするか相談していたころ、
シルク王妃はソニアに言っていた。
「クロちゃん、王の側室になってくれないかしら・・・。」
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