34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第27話 一夜の前に
男と一夜を共にするなんて有り得ない!!
クロちゃんは心の底からそう思った。
何故なら外見は黒髪巨乳美少女でも、中身34歳サラリーマンなのだから。
そもそも中身の人は超草食系男子だったので、自分自身でもほとんど女性との経験がない。
「あの、メアリさん、ボクそれはちょっと困るんです!ほんとに困るんです!
何とかなりませんか?」
まるで取引先に無理を言われた時の対応である。
必要とあれば土下座だってする勢いだ。
メアリは同じ女として(?)、多少気の毒そうに言った。
「申し訳ないが、王子がお決めになったことを私ごときが覆すことは出来ない。
しかし、夜までにお望みがあれば可能な限りお力になりましょう。」
クロちゃんは冷や汗が出てきた。
夜までに逃げなければいけない!!!
なにがなんでも!
「では…クロ様、お湯浴みをいたしましょう。」
「お湯浴み?お風呂だよね…こんな昼間っから?」
「今の季節、日の入りは早うございます。お湯浴みをなさり、お着替えをして、軽くお食事をなさりますとなると、お時間はございません。」
「な、なぜ…」
メアリは軽くベッドを指差した。
「離してっ離してください!!」
ほとんどメアリに引きずられるように連れていかれるクロちゃん。
頼みの綱はハーリーが迎えに来て助けてくれることだけなのに、部屋から出されてしまった。
このままでは、あの金髪王子の手篭めにされてしまう。
相手がイケメン王子様なんて、自分がホンモノの女の子なら問題ないかもしれないが、中身はおっさんサラリーマンなのだ。
童顔に見られてはいたが、ちょっと近い将来ハゲるかもしれないと言われていた34歳なのだ!
それならまだメアリの方がマシ…とはあまり思わないが、とにかく男は絶対ないと思った。
「ねえメアリさん、ボクはほんとにあの予言の少女じゃないんです!
こうなったら白状しますが、女の子ですらないんです〜〜!!」
メアリはクロちゃんの巨乳を一瞥して、鼻で笑う。
なんとか自力で逃げようと暴れてみたが、2メートルの暁の騎士隊長メアリには全く歯が立たない。
「クロ様、そのように抵抗されてはお怪我をさせてしまうかもしれません!」
クロちゃんはピン、ときた。
ちょうど廊下に、庭に続く階段があり、メアリの隙をついて階段の上から転がり落ちた。
階段といっても五段ほどの低いモノなのは確認済みだ。
「クロ様!!」
血相を変えてメアリはクロちゃんを抱き起す。
鼻の上と腕に、少し血が出る程度の傷が出来ていた。
「なんということでしょう!私がついていながらこの失態…!!」
がくりと膝をついて怪我したクロちゃんより苦悩の表情をしている。
「えっ、メアリさん」
想像以上に困り果てているメアリ。
死んでお詫びを、とか言いだしかねない勢いである。
「だ、大丈夫だよ!あーそうだ!
ヒーラのハーリーさんなら、こんな傷すぐに治してくれるに違いないなぁ!」
クロちゃんは棒読みでそう言った。
クロちゃんは心の底からそう思った。
何故なら外見は黒髪巨乳美少女でも、中身34歳サラリーマンなのだから。
そもそも中身の人は超草食系男子だったので、自分自身でもほとんど女性との経験がない。
「あの、メアリさん、ボクそれはちょっと困るんです!ほんとに困るんです!
何とかなりませんか?」
まるで取引先に無理を言われた時の対応である。
必要とあれば土下座だってする勢いだ。
メアリは同じ女として(?)、多少気の毒そうに言った。
「申し訳ないが、王子がお決めになったことを私ごときが覆すことは出来ない。
しかし、夜までにお望みがあれば可能な限りお力になりましょう。」
クロちゃんは冷や汗が出てきた。
夜までに逃げなければいけない!!!
なにがなんでも!
「では…クロ様、お湯浴みをいたしましょう。」
「お湯浴み?お風呂だよね…こんな昼間っから?」
「今の季節、日の入りは早うございます。お湯浴みをなさり、お着替えをして、軽くお食事をなさりますとなると、お時間はございません。」
「な、なぜ…」
メアリは軽くベッドを指差した。
「離してっ離してください!!」
ほとんどメアリに引きずられるように連れていかれるクロちゃん。
頼みの綱はハーリーが迎えに来て助けてくれることだけなのに、部屋から出されてしまった。
このままでは、あの金髪王子の手篭めにされてしまう。
相手がイケメン王子様なんて、自分がホンモノの女の子なら問題ないかもしれないが、中身はおっさんサラリーマンなのだ。
童顔に見られてはいたが、ちょっと近い将来ハゲるかもしれないと言われていた34歳なのだ!
それならまだメアリの方がマシ…とはあまり思わないが、とにかく男は絶対ないと思った。
「ねえメアリさん、ボクはほんとにあの予言の少女じゃないんです!
こうなったら白状しますが、女の子ですらないんです〜〜!!」
メアリはクロちゃんの巨乳を一瞥して、鼻で笑う。
なんとか自力で逃げようと暴れてみたが、2メートルの暁の騎士隊長メアリには全く歯が立たない。
「クロ様、そのように抵抗されてはお怪我をさせてしまうかもしれません!」
クロちゃんはピン、ときた。
ちょうど廊下に、庭に続く階段があり、メアリの隙をついて階段の上から転がり落ちた。
階段といっても五段ほどの低いモノなのは確認済みだ。
「クロ様!!」
血相を変えてメアリはクロちゃんを抱き起す。
鼻の上と腕に、少し血が出る程度の傷が出来ていた。
「なんということでしょう!私がついていながらこの失態…!!」
がくりと膝をついて怪我したクロちゃんより苦悩の表情をしている。
「えっ、メアリさん」
想像以上に困り果てているメアリ。
死んでお詫びを、とか言いだしかねない勢いである。
「だ、大丈夫だよ!あーそうだ!
ヒーラのハーリーさんなら、こんな傷すぐに治してくれるに違いないなぁ!」
クロちゃんは棒読みでそう言った。
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