34歳気弱なサラリーマン、囚われの美少女お姫様始めました
第8話 クロちゃんの決心
「ぼ、ボクが喰われる人なの?!」
クロちゃんは分かりやすく慌てふためいた。
アレンはクロちゃんに向かって続ける。
「この村は、昔からよく流れ星が見える場所として有名なんだ。
そしてもう1つ、井戸。村に1つと、この屋敷にある井戸は、とても良質な水が湧き出てきて、万病に効くとも言われている。
一説には、異世界につながっている、とも。」
「水の中の流れ星より現れし…」
ガガが呟いた。
「そう。水の中の流れ星より現れし、と言うことは、この村のことではないかと私は思ったのだよ。」
クロちゃんの白い顔は青〜くなっていった。
「く、黒髪の少女…」
「クロちゃんを見たとき、間違いないと確信した。
コナン王家の占い師ミダは、まさしく君のことを予言したんだろう。」
「じゃあ、ボクは食べられちゃうってことですか?!」
ガクブルで震えるクロちゃん。ハッキとガガはオロオロしている。
「喰らえ、と言うことが、文字通り食べることなのか、それとも他の意味があるのかは分からない。
けれどいずれにしろ、我々としてはキミを、王子に差し出さなければならないだろう。
クロちゃんの噂は程なく…いやもう既にかな。王子の耳に届く。
キミを引き渡さなければ、渡すまで、王子は村人を殺すぐらいはするだろう。
1時間ことが1日ごとか分からないが、それはきっとハッキの家族からだ。
王子は無駄なことはしないからね。」
「そんな…」
クロちゃんの脳裏には、ハッキの家にいる可愛い、小さい兄弟の顔が思い浮かんだ。
「コナンの軍隊には逆らえない。無駄だ。
クロちゃん、キミはハッキの家族を犠牲にしても逃げ延びたいかい?」
クロちゃんは首を横に振る。
「そうだろう。そんな娘には見えない。
ということはやはり、キミをコナンの王子、サバードに差し出すべきだろう。」
「そんな…!そんなことしたらクロちゃんが…!」
たまらずガガが立ち上がった。
「い、いいんです、ボク行きます。お世話になった上にご迷惑までかけられません…」
クロちゃんは力なく右手を上げて言った。
「会ったばかりだというのに、大変なことになってしまってとても残念だよ、クロちゃん。
しかし私としてもキミに出来るだけのことはしたいと思う。
まず、コナンまでの旅の準備は任せてくれたまえ。路銀と馬車を用意しよう。
そしてお供に息子アレンを。剣術もひと通りこなせるので、護衛としては申し分ないと思う。
他に何かあれば、遠慮なく言って欲しい。」
と村長は言った。
「…ありがとうございます…」
クロちゃんは、なんとなく左遷されるサラリーマンの気分になっていた。
「ダメだ!ダメだよ!クロちゃんを渡すなんて!」
ガガが反対した。
「じゃあアンタ、弟や妹か…父さん母さんが、殺されてもいいの?!」
「それは…!」
言葉に詰まるガガ。
クロちゃんを最初に見つけて、自分の理想のような女の子だと可愛がっていたハッキも辛いってことは分かっている。
「大丈夫だよ、ガガ、ハッキ。占い師さんが言ってたってことは、きっとそれがボクの運命なんだよ」
女の子になって異世界に来た、それならもう何があっても驚かなくていいんじゃないかと思う
(ことにした)クロちゃんだった。
クロちゃんは分かりやすく慌てふためいた。
アレンはクロちゃんに向かって続ける。
「この村は、昔からよく流れ星が見える場所として有名なんだ。
そしてもう1つ、井戸。村に1つと、この屋敷にある井戸は、とても良質な水が湧き出てきて、万病に効くとも言われている。
一説には、異世界につながっている、とも。」
「水の中の流れ星より現れし…」
ガガが呟いた。
「そう。水の中の流れ星より現れし、と言うことは、この村のことではないかと私は思ったのだよ。」
クロちゃんの白い顔は青〜くなっていった。
「く、黒髪の少女…」
「クロちゃんを見たとき、間違いないと確信した。
コナン王家の占い師ミダは、まさしく君のことを予言したんだろう。」
「じゃあ、ボクは食べられちゃうってことですか?!」
ガクブルで震えるクロちゃん。ハッキとガガはオロオロしている。
「喰らえ、と言うことが、文字通り食べることなのか、それとも他の意味があるのかは分からない。
けれどいずれにしろ、我々としてはキミを、王子に差し出さなければならないだろう。
クロちゃんの噂は程なく…いやもう既にかな。王子の耳に届く。
キミを引き渡さなければ、渡すまで、王子は村人を殺すぐらいはするだろう。
1時間ことが1日ごとか分からないが、それはきっとハッキの家族からだ。
王子は無駄なことはしないからね。」
「そんな…」
クロちゃんの脳裏には、ハッキの家にいる可愛い、小さい兄弟の顔が思い浮かんだ。
「コナンの軍隊には逆らえない。無駄だ。
クロちゃん、キミはハッキの家族を犠牲にしても逃げ延びたいかい?」
クロちゃんは首を横に振る。
「そうだろう。そんな娘には見えない。
ということはやはり、キミをコナンの王子、サバードに差し出すべきだろう。」
「そんな…!そんなことしたらクロちゃんが…!」
たまらずガガが立ち上がった。
「い、いいんです、ボク行きます。お世話になった上にご迷惑までかけられません…」
クロちゃんは力なく右手を上げて言った。
「会ったばかりだというのに、大変なことになってしまってとても残念だよ、クロちゃん。
しかし私としてもキミに出来るだけのことはしたいと思う。
まず、コナンまでの旅の準備は任せてくれたまえ。路銀と馬車を用意しよう。
そしてお供に息子アレンを。剣術もひと通りこなせるので、護衛としては申し分ないと思う。
他に何かあれば、遠慮なく言って欲しい。」
と村長は言った。
「…ありがとうございます…」
クロちゃんは、なんとなく左遷されるサラリーマンの気分になっていた。
「ダメだ!ダメだよ!クロちゃんを渡すなんて!」
ガガが反対した。
「じゃあアンタ、弟や妹か…父さん母さんが、殺されてもいいの?!」
「それは…!」
言葉に詰まるガガ。
クロちゃんを最初に見つけて、自分の理想のような女の子だと可愛がっていたハッキも辛いってことは分かっている。
「大丈夫だよ、ガガ、ハッキ。占い師さんが言ってたってことは、きっとそれがボクの運命なんだよ」
女の子になって異世界に来た、それならもう何があっても驚かなくていいんじゃないかと思う
(ことにした)クロちゃんだった。
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