暗闇に溺れる夏の夜
暗闇に溺れる夏の夜
僕はいつも夜ご飯を食べる前にランニングに出かける。今日も部活が終わって帰宅してすぐにランニングウェアに着替えて、いつも走る道へと駆けていった。
 ちょうど折り返し地点に到達した時、僕は初めて気が付いた。いつも折り返していたここからほんの数メートル先に、今朝見かけた彼女の家があった。僕はちょっとした好奇心に負け、もう一度彼女の家の前まで行くことにした。もしまた見られたら、朝からじろじろ見てたのを謝りに来たと言えばいい…。)そう思いながら忍び足で彼女の家に近づく。窓越しに見える明かりから、どうやら中には人がいるらしい。(…こういうのって不法侵入っていうのかな…。インターホンを押して正面から…、いやさすがに失礼か…。そうだよな、もうすぐ7時だもんな。)僕が"ソレ"を見つけたのは、彼女に会うのを諦めて帰ろうとした時だった。何気なく後ろを振り向いた時、何かが視界の端に映った。"ソレ"は彼女の家の窓から漏れた光と、真っ暗な空に浮かぶ満月の光で、ぼんやりと照らし出された。人だった。男か女かは分からない。だが、明らかに人間だった。(誰か倒れているのか…?)恐怖心と好奇心が混ざりあったまま、僕の足はその人間に向かっていった。今思えば、どうしてあんなに冷静だったのかは分からない。その人間に触れた途端、僕の手は紅に染まり、同時に飛び出しそうなほどに目を見開いた男の顔と対面した。驚きのあまり声が出なかった。一瞬、何が起こったのか分からなかった。一そう、ただひたすらと呆然としていた_____。
僕が正気を取り戻したのは、家の中にいた彼女に警察に連絡をさせてパトカーのサイレンが近づいてきた頃だった。
 ちょうど折り返し地点に到達した時、僕は初めて気が付いた。いつも折り返していたここからほんの数メートル先に、今朝見かけた彼女の家があった。僕はちょっとした好奇心に負け、もう一度彼女の家の前まで行くことにした。もしまた見られたら、朝からじろじろ見てたのを謝りに来たと言えばいい…。)そう思いながら忍び足で彼女の家に近づく。窓越しに見える明かりから、どうやら中には人がいるらしい。(…こういうのって不法侵入っていうのかな…。インターホンを押して正面から…、いやさすがに失礼か…。そうだよな、もうすぐ7時だもんな。)僕が"ソレ"を見つけたのは、彼女に会うのを諦めて帰ろうとした時だった。何気なく後ろを振り向いた時、何かが視界の端に映った。"ソレ"は彼女の家の窓から漏れた光と、真っ暗な空に浮かぶ満月の光で、ぼんやりと照らし出された。人だった。男か女かは分からない。だが、明らかに人間だった。(誰か倒れているのか…?)恐怖心と好奇心が混ざりあったまま、僕の足はその人間に向かっていった。今思えば、どうしてあんなに冷静だったのかは分からない。その人間に触れた途端、僕の手は紅に染まり、同時に飛び出しそうなほどに目を見開いた男の顔と対面した。驚きのあまり声が出なかった。一瞬、何が起こったのか分からなかった。一そう、ただひたすらと呆然としていた_____。
僕が正気を取り戻したのは、家の中にいた彼女に警察に連絡をさせてパトカーのサイレンが近づいてきた頃だった。
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