無力のバーサーカー

POSTMAN

試験へのカウントダウン2

 試験までの地獄の修行が始まってから1週間がたった。
 これまでにしてきた事といえばそれぞれに合った戦闘スタイルの練習、戦闘で必要な魔術の修得、魔術についての学問の基礎の復習や応用の予習ぐらいだ。
 修行は最初は慣れない戦闘の動きが多く、苦しかったが毎日ずっと同じ事を繰り返してきたおかげで今では時々言葉を燐と交わしながら修行がてきるようになっていた。
「そういえば燐はどうして魔術学園に入学しようと思ったんだ?」
 確かに燐は師匠の娘さんなだけあって魔術の才能がある。魔術に関する大会等で優勝も数多くしている。そんな彼女が魔術学園へ入学しようというのは当たり前なのかもしれないが…
「私?私はただ父さんと同じレベルまで到達してみたいだけなの。せっかく生まれつきで持ってる魔術の才能だもん。その才能を使って自分の憧れの人と同じ所までいきたいとおもうのは当たり前じゃない?」
「そっか…まあ確かにやるからには憧れの人に追いつきたいよな…」
「そっちは?」
「俺は…」
 俺のそばには素晴らしい理由を持って一流の魔術師を目指す幼馴染みがいる。
 だけど俺にそんな大層な理由はない。こんな俺が魔術学園に入学したところで何ができるのだろうか?
「よーし戦闘訓練終了だー!次勉強だからなー!早く準備して来いよー!」
 俺がそんな事を考えていると師匠の声が遠くから聞こえた。燐は手早く準備をして行ってしまった。俺も早く行かないとな…
 魔術についての学問は今日はすぐ終わった。俺たちは応用も含めて学力面では問題無いようだ。残りの修行はひたすら戦闘訓練らしい。
 修行が終わり、俺が家に帰ろうとしていると燐が話しかけてきた。
「さっきの質問答えてよ。真は何で魔術学園に入学するの?」
「俺は…」
 さっきと同じだ。言葉が出てこない。口ごもってしまう。師匠に行くよう言われたから、そう答えれば終わらせられるのに俺は何故かそれを口に出せなかった。
「もし…さ。真が魔術学園に入学する理由が無くて困ってるんだとしたらさ。理由はまだ無くていいと思うんだ」
 俺が理由を聞く前に彼女は答えてくれた。
「今はまだ理由が無くてもいい。いつか守りたいもの、目指したい場所が真にもできると思うんだ。だからさ、真!一緒に魔術学園でそれを見つけていこうよ!」
 彼女のこの言葉は俺の心の中にあった迷いを一気になくしてしまった。
 この言葉をもらった瞬間に俺の方針は決まった。
「ああ、絶対に入学してみせるさ。俺の、大切な物を見つけるためにな!」

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