神様育てませんか?

クルーソ

12話 可能性って無限大だよね

「お前ってさ、本当に神様候補なの?」
「、、、ん?わたしに言ってるの?」
「いやお前しかいないだろ」
「ごめんごめん。あまりにも当然の事を聞くからさー。変なものでも見えてるのかと思ったよー」

ミユカはわざとらしくやれやれと首を振った。いちいち太々しい奴だ。

「だってお前がホームステイに来てしばらく経つけど、未だに神様っぽい事一つもしてないじゃん」
「ふふん、そんな簡単に神の力を使うわけないじゃん。見るには信仰心が足りないよー」
「普段のお前を見てて信仰心を持ったら俺は異常者だよ」
「なにー!それでも信者1号なのー!?」

いつのまにか信者にされていたらしい。
この根拠のない自信は、もしかしたら見習う所なのかもしれない。

「しょうがないなー。じゃあ願い叶えてあげようか?」
「え?まじで!?そんなの出来んの!?」
「出来るに決まってるじゃん。神様だよわたしー」

マジか!願い叶えるとか本当に神様じゃん!!知らないうちに信者になっててよかったー!!

「じ、じゃあお金持ちにしてとか日本で一番モテモテにしてとか叶えられるってこと!?」
「いやいや、それは無理だよー」
「なんでやねん!!」

願い叶えるんちゃうんかい!思わせぶりかい!!俺の心弄んで面白がってはるのやねんかや、、、ダメだ関西弁出てこないわ。

「願いを叶えるって言っても人によって出来る出来ないあるんだよー」
「、、どゆこと?」
「その人の努力とか才能で叶えられる願いに限られるってことー」
「えーっと、、、」

俺が将来頑張れば出来ることに限るってこと?つまり俺はどう頑張ってもお金持ちとかモテモテとかなれないってこと?

「まぁ簡単に言うとそうなるかなー」
「いやだーー!!楽して金持ちなりたいモテモテなりたいー!!」
「うわー、そうなれない理由が今まさに体現されてるよ。鏡見せてあげたいよ」

ミユカが俺から距離をとり引いている。
いかんな少々取り乱したか、、、
俺は冷静さを取り戻し、

「まぁ、、金持ちとかは無理だとして、俺はどんな願いが叶えられるんだ?」
「うーん、今叶えられる願いをリスト化するとこんな感じかな」

■叶えられる願いリスト
・明日の寝起きが良くなる
・自販機からのお釣りがギザ十になる
・通学時に電車の端の席に座れる
・学食のA定食の盛りがいつもより多くなる
・ケンタッキーでお願いしてないのにキールの部位にしてもらえる
・映画館で自分の前の席に背の高い人が座らず快適に観れる

「こんなもんかな」
「しょぼ!俺の願いしょぼ!!あと運の要素強くない!?」
「うん、わたしもびっくりしたよー。これからの人生はしょうもない事を神様が保証するよ」
「そんなの保証されても嬉しいわけないよね!?」

あんまりだ!俺は毎日ミユカの面倒を見ているというのに、、、
あとキールはあんまり好きじゃないのに、、、

「まぁミユカはあくまで神様候補ですからね〜。まだまだ発展途上ですから〜」
「、、、ヘメットさんいたんですか」
「ひどいですよ〜。ずっと居間でギャルゲーをしてたじゃないですか〜」
「そこに対するツッコミはしませんが、それよりも発展途上ってどういう事ですか?」

取り敢えず俺はヘメットさんに疑問をぶつける事にした。

「叶えられる願いは、神様の技量も関わってくるという事です〜。ミユカはまだ見習いの立場ですから、願いも制限されますね〜」
「ということは、俺の願いはまだ可能性があるんですか?」
「そうですね〜。まだ不確定要素が多いかと〜」
「、、、ミユカ今日飯抜きな」
「えぇーー!!」

俺は安堵すると共に、手っ取り早くミユカに仕返しを行ったのだった。

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