気持ち

ONISAN

別れの言葉

私との関係が始まったあの日
これにしようかな、なんて
待受画面を変えてたよね

あ…そうなんだって
思ったのを覚えてる

こんな日が来ることは
あなたの自由な生き方を
近くで見ていたから
予測できてたけど

別れを言わないで
私と向き合わないで
違う待受画面になってるなんて

卑怯だな

どうにもならない
この想いで
胸が張り裂けそうになって

思い出したくないのに

あなたの優しい声から
あなたの優しい話し方から
私は離れられないでいる

二度と私には
その声でその話し方で
言葉を紡いでくれない

なのに 私は
あなたの見えない糸に
絡まって
そこから自由になれない

あなたのことなんて
なんにも思ってなかったのに

あなたが私の中に入ってきたから
あなたから逃げられらなくなって

あなたはもう戻ってこないのに
私だけが取り残されて

今も分かっているのに
抜け出せないでいる

なんで私に声をかけたの?
問いかけたら あなたは
不思議そうな顔をした

決めたのは誰?
はっきりとは言わないけど
関係を決めたのは私だと
顔に書いてある
そんな表現、使う時が来るとは
思わなかった

別れる時はあなたのその口から
言ってもらおうか。
いつも責任逃れしているあなたの
その口から
別れて下さいと聴けるまで
私はのらりくらりと
あなたの心をつつくの

そうやって いつまでも
絡まって離れられないでいる関係を
私は望んでいるのね

あなたの言葉で
私と向き合って
私を解放して



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