にゃんでも俺は魔王だそうで

和琉河人

4話 疑問解決

 俺と本はしばらくの間、あのジジイへの愚痴を言い合っていた。
だって楽しかったんだもん。
だが考えてみると、今の状況は黒猫と宙に浮かぶ本が会話をしているという世にも奇妙なものだと気付く。
ある意味ホラーだ。
ん?そもそも猫である俺が何で人語を喋れるんだ?
〔理由はいくつか考えられますが、
 あなた様が人間の時の記憶をその
 まま持っているのが一番大きな要
 因でしょう〕
 まあそうなんだけど、この世界では猫は喋るものなのか?
〔猫は猫ですから、喋ることはまず
 ありません。ですが、魔法猫(マ
 ジックキャット)族の場合は話が
 変わります〕
 魔法猫族、って何だ?
〔魔法猫族は、魔力を持ったことに
 よって身体能力及び知能が向上
 し、独自の文明を築いた猫のこと
 を指します。現在、魔法猫族はこ
 の世界の知性持つ100種の『種
 族』の内の一つ、第72位に分類
 されています〕
 ワァオ、イッツ ファンタジー。
それなら納得だ。
そして第72位っていうことは、100の種族の中で格付けがあるのか。
その順位を決める基準は何だ?
〔主にその種族が持つ文明のレベル
 や単体での強さなどです〕
 じゃあ第72位の魔法猫族はかなり弱いのか。
まぁ、猫なんだから仕方ないな。
それじゃあ人類はどのくらいの順位
なんだ?
〔人類種は第50位です。これは人
 類が、悪事を働いた種族を懲らし
 めて、世界の平和とバランスを保
 つ役割を与えてられたからだとさ
 れています〕
 かっこいいな人類、ずるいぞ!
きっとすごい力をばんばん使いまくっているに違いない、それこそ魔法とかな。
・・・魔力を持っているなら、もしかして俺も魔法なんかを使えちゃったり?
〔可能だと思います〕
 やったぜ!
俺は空に向かってガッツポーズをした。
姿が猫のせいでとても微笑ましい絵面になってしまったが。
しかし自分が猫になったと分かったときはがっかりしたが、異世界っぽいことが出来るなら全然問題無〜し!だな!
ん?異世界っぽいといえば、ジジイが魔王がどうこうって言ってたな。
あれはどういうことだったんだろう。
〔そのことでしたら、私から説明致
 します〕
 おぉ、頼む。
〔はい。それではまず、この世界に
 おいての魔王の概念についてお話
 し致します〕
 少し長くなりそうだったが、俺から言い出したことだから、もちろんしっかりとした態度で最後まで話を聞く、つもりだったんだが・・・
この話が終わったのはそれから約3日後のこととなるのだった・・・ ぱたり。

コメント

  • 風切切羽

    期待

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