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うちの姉ちゃんはこわい

エルトベーレ

紫! ピンク! オレンジ!

というわけで、プールのテーマパーク、“ウォーターパーク”にやってきた!


さすがに女子更衣室に入るわけにはいかないので、おれは一人、男子更衣室で着替えて、姉ちゃんたちを待つ。


すると、ひときわ目を引く淡い紫のビキニ姿のマリ姉、サリ姉は上に水色のラッシュガードを羽織っていて、どんな水着を着ているのかはわからない。そしてユリ姉は、黄色いショートパンツタイプの水着に、淡いピンクのラッシュガードを羽織っているが、サリ姉と違って前を開けているため、オレンジのビキニを着ているのがわかる。


みんな髪を結わえているのが新鮮だ。特にマリ姉はいつも結わえたりしないからな。
おれに気づいた姉ちゃんたちがこっちに歩いてくるが、近くで見ると、よりいい眺めだ。


「とりあえず、場所取りしようか」


日陰がいいというユリ姉の希望で、なんとかオブジェの影になっているところを確保した。


「浮き輪膨らましとくから、適当に水浴びてきなよ」


と、サリ姉はなんだか気だるそうだ。
家から持ってきた空気入れを使ってせっせと膨らませてくれてはいるが。


「サリ姉はいいの?」
「水に入ると冷えるじゃん」


そういえば冷え症だったっけ。だからこんな暑いのに着込んでるんだ。


「マリ姉は? って、あれ?」
「飲み物買いにいったよ」


となると……。
そこの浮き輪の影に隠れようとしている、オレンジの姉ちゃんかな。


「柚莉菜さん、何をしてるんですか?」


わざとらしく敬語で呼びかけてみる。


「い、いや、別に……」
「じゃあ、行こうか」
「行って来いよ。あとで代わってやるから」


たぶん絶対代わる気ないだろうけど、ユリ姉はその言葉を信じたのか、ラッシュガードを脱いで、仕方なくおれについてきてくれた。


「ユリ姉、その水着、似合ってるよ」
「うるさい、もう」


一番近くにあった流れるプールに入り、適当に流される。


「涼しいね」
「うん」
「来てよかったでしょ」
「うん、まぁ」


返事はそっけないものの、表情はまんざらでもなさそうな気がした。
すると、すぐ横にいた美少女がこっちを見つめて、話しかけてきた。


「あれ、柚莉菜?」

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