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うちの姉ちゃんはこわい

エルトベーレ

試合観戦 決勝戦

いよいよ今日は、待ちに待った全国大会の決勝戦。
サリ姉のいる駒越はもちろん勝ち残り、対戦相手になったのは、新宮しんぐう女学院だった。


「新宮と駒越かぁ。結局、去年と同じ顔触れになりましたね」
「でも、去年駒越が新宮の連覇を止めたように、今年の新宮も駒越の連覇を止めにきてるからね。油断は禁物よ」


今日はマリ姉も一緒だ。母さんは残念ながら来られなかった。


「何回戦だったっけ、最終回まで追い詰められたの。あのときは焦ったけどね~」
「あの桜莉菜が途中降板でしたもんね。でも結局、駒越が追い詰められたのはあの試合だけでしたね」


全国で一回だけ、駒越が最終回まで負け越したままで、なんとか最終回に同点にして、延長でサヨナラ勝ちした試合があった。
サリ姉はあの試合、最後までマウンドにいることができなかった。
今日はどんな思いで投げるんだろう。


マウンドでは、カッコいいサリ姉を見ることができる。叶うなら、その姿をずっと見ていたいと思っていた。


「サリ姉ぇー! がんばれぇー!」


この声が、届くといいな。サリ姉の力になってくれれば……。



試合が終わって、おれたちは先に家に帰った。
サリ姉が帰ってくる前に、やらなきゃいけないことがあるからね。


「ハルちゃん、そこ曲がってるよ」
「柚莉菜ー、お皿用意してくれるー?」
「はーい。今やります」
「ハルちゃんも、そっち終わったらこっち手伝ってー」
「はーい」


時間との闘いだ。みんな右に左に大忙し。
サリ姉、喜んでくれるかな。

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