うちの姉ちゃんはこわい

エルトベーレ

意外な趣味

「ハルちゃん、ちょっといいかな」


ユリ姉に呼ばれて、おれは素直にユリ姉の部屋に入った。
サリ姉に呼ばれると恐怖しかないが、ユリ姉なら安心だ。


「なに?」
「うーんと、そこに座って?」


同じようなことを言われた気がするけど、サリ姉とこんなにも違うなんて。
やっぱりうちの姉ちゃんたちの中では、ユリ姉が一番だよ。


「ハルちゃん、脱いで?」


え……?


「な、何言ってんの?! いくらユリ姉でも、それは……」
「あ、その……パンツは履いてていいよ?」


そんなこと言われても……。
こっちを潤んだ目でまっすぐ見つめてくる。……これには勝てない。


「……わかったよ」


おれが脱ぐ間、ユリ姉は興味深そうにこっちをじっと見つめていた。


「私がいいって言うまで、そのまま目をつむっててくれる?」
「え? う、うん」


言われるままに目を閉じ、音だけで様子をうかがってみる。
クローゼットを開ける音だ。ごそごそと何かを探して……そのままその何かを着せられる。


「立ってもらっていい? ゆっくりね? 目は開けちゃダメだよ?」


ゆっくり立ち上がると、今度は何かを履かされた。はずだけど、何も履いてないみたいな感じだ。なんだ、これ。


「ちょっと歩かせるね」


そう言って、ユリ姉はおれの身体を少しずつどこかへ動かす。


「イスがあるから、ゆっくり座ってね」


座ると、今度は何かで顔をいじられる。くすぐったい。頭にも何かかぶせられた。


「よし、これでいいかな。目、開けてもいいよ」


恐る恐る目を開けてみると、目の前に見えたのは、めっちゃかわいい女の子。
背はおれと同じくらいで、ふわふわした茶色の長い髪に、清楚な白いブラウス、黒い膝丈のスカート。
誰だ? ユリ姉の隣の……って、まさか……。
自分の身体を見まわしてみる。清楚なブラウス、黒い膝丈のスカート。


「どう? かわいくない?!」
「なんでこんな格好に!?」
「絶対似合うと思ったんだぁ。私と体格も近いし、着れるんじゃないかと思ったら、ついね」


えっ、これユリ姉の服なの!?
なんか急にドキドキしてきた……。変態みたいじゃないか。


「せっかくだし、姉さんたちにも見せてあげようよ」


うわぁ……、嫌な予感しかしない。

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