カエデの剣
カエデの剣
 宙が鳴っている。群青のくらい色なのに辺りは見渡しやすい。カエデは1人、夜の森に佇んでいた。
 明後日は剣道の全国大会。カエデは大会の前の日に必ずこの森に来るのである。
『あ〜、、落ち着く〜、、、。』
ため息混じりの一言は自分をこの森に溶け込ませた。幼少の頃からやっていた剣道で自分の実力は知ってはいるものの、なかなか自信がつかないのがカエデの今の現状である。
『明日は朝イチの新幹線で静岡に行って、軽くアップして、ホテル行って〜、、』
と、独り言を言いながらいつもの森の道をゆっくりと進んでいった。
 フクロウの鳴き声が聞こえると同時に、カエデは足を止めた。
『こんなとこ あったっけ、、?』
見慣れない湖。透き通った水面。地理の教科書で見た外国のような景色が目の前に広がっていた。
 水面を覗き込んでみると、そこには自分の顔に似た、でも自分じゃない女が居た。        
 『、、、だれ?』
水面の女はカエデの問いかけに答えているようだが、何も聞こえない。
 カエデが聞き取ろうと身体を水面に近づけた時、後から誰かに背中を押され、カエデは透き通った水に沈んでしまった。
                                                                  《続》
 明後日は剣道の全国大会。カエデは大会の前の日に必ずこの森に来るのである。
『あ〜、、落ち着く〜、、、。』
ため息混じりの一言は自分をこの森に溶け込ませた。幼少の頃からやっていた剣道で自分の実力は知ってはいるものの、なかなか自信がつかないのがカエデの今の現状である。
『明日は朝イチの新幹線で静岡に行って、軽くアップして、ホテル行って〜、、』
と、独り言を言いながらいつもの森の道をゆっくりと進んでいった。
 フクロウの鳴き声が聞こえると同時に、カエデは足を止めた。
『こんなとこ あったっけ、、?』
見慣れない湖。透き通った水面。地理の教科書で見た外国のような景色が目の前に広がっていた。
 水面を覗き込んでみると、そこには自分の顔に似た、でも自分じゃない女が居た。        
 『、、、だれ?』
水面の女はカエデの問いかけに答えているようだが、何も聞こえない。
 カエデが聞き取ろうと身体を水面に近づけた時、後から誰かに背中を押され、カエデは透き通った水に沈んでしまった。
                                                                  《続》
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