異世界召喚に巻き込まれたんだが、勇者がかなり弱くて人生詰んだ。

ノベルバユーザー210019

017 第二外国語は世知辛い

『ひゃっはあああああっ!しぃねぇえええっ!』
ドゴォンッーーバガァンッーギシャァアンッ
『だっはっはぁっ!まだまだまだぁあああっ!』
ゴゥンッーーーズザァンッダアァッン
え?なんか戦闘描写が雑いって?いやいや無理を言いなさんな。俺達今絶賛ヤムチャ視点やよ?
ズッコンバッコンドッカンしか聞こえねえよ
「……なんだあれ」「……多分チェスだな」「んなあほなっ!?」「ほれ、よく見てみろ。次ハゲの方みとけ」
そう、これは俺の見込みが正しければの話だが、次にあのハゲが確信的な一言を叫ぶはずなのだ。
『チェックゥメイトォオオーッ!』
「……目が飛び出たわ」「てやぁっ」「ギィヤァァァァア」
チョキ刺しただけでそんなに叫ばんでも
ーー普通叫ぶわな、ごめんちょ。
ーーーーー
「ダッハハ、来たなら来たと言えばよかろうもんに」「いやなに、やたらと楽しんでおったからの。水を差すのは野暮かと思ったんじゃが」「単なる暇つぶしでしたぜ、なぁオルガ」「ヒャハッ!違いねぇな」ブンッブンッーー
爆音を轟かせながら音速のチェスを繰り広げるのはきっと暇つぶしに適応されません。っつうか死ねって言ってたよね片方?暇つぶしで殺すなよ、タクトかよ。
「さっきから棒みたいなの縦にぶん回してるけどそれ何、それも暇つぶしなの?そうなの?」
「ああ、これ?お前の連れじゃん」「えぇっ!?タクト様ぁっ!?」「勝手におもちゃにすんなし、好奇心旺盛なガキかよ」「ヒャッハハハッ!!」
なんか笑われたんだけど何このひとマジでこわい。俺こんな奴に貴重な時間預けるの?え、やだ怖いよ
「飽きたなぁ。ほれ、返す」
ーーヒュッバガァンッ!
「わぁぁあっオルガ先生っ!そんなに無造作に投げないでくださいっ!一応勇者様なんですよぉっ!」「一応とか言ってやんなよ……」
うわー、垂直に壁に突き刺さってる。あのままでいっか目覚めた時の反応が絶対に面白いだろう。
「まぁ、今日は俺らがちいとばかし殺しあうからそいつを見てくれって話だかんな」「ダハハッ久しぶりに血が滾るわ」
ああもう根底から変わりました。殺し合いって言っちゃってるもん、もう血が滾ってますもん。
「いや、模擬戦じゃからの?何を殺る気になっとるんじゃ、お主ら片方でも欠けたら均衡がとれんじゃろうが」
学校の中の教師バランスなのか、世界規模のパワーバランスなのかとっても気になるところですけどなんかもう質問するのも億劫ですのでもうしません。
「見るのはいいけどこれさ、やべー早い。くらいしか言えねぇよ?何してるか全然見えてねーもん」
チェスですら音速なんだぞ、模擬戦とか何速?
「ああ、そこは対策済みじゃて。ワシが3人に視力強化をかけるから気兼ねなく見学に力を注ぐと良い」「めっちゃ目疲れそう、終わった時には瞼重たくて開かないとかやめろよ」「ヒュ、ヒューヒュー」「口笛吹けねぇならやんなよ、気色悪いなハゲ」「お主口の悪さ無限大じゃな寛大なワシの心も折れる」「やかましいわ」
さっきから壁でもぞもぞしてるタクトをそろそろ引き抜いてやらんと次窒息であいつ死ぬぞ
「ステラ、こいつ引っ張るの手伝って」「あ、はいっ!」「ステラ、後ろじゃない。お前は俺の前に来てこいつの腰つかんで、そう。タクト、身体の力抜け」
さっきからガサゴソと鬱陶しいんだ。そろそろ引っこ抜いてさっさと模擬戦観戦しよう。
「せぇーのぉっ!」「ふぬぬ…!ーっきゃっ!?」
後ろに倒れてくるステラを受け止める。はい、今誰もタクトを支える人はいません。だとすればタクトの頭の行く先はただ一つですね?
ーガァンッ!
情けなく地面に追突しました。
「うわぁ今の絶対いてぇわ……」「そもそも、あんたが投げたんだろうに」「ヒャハハッ違いねぇっ!」
ほんとこいつもうやだ。
「あの、ありがとうございます…」「ぜってー後ろに倒れると思ったもん、気にすんな。あ、ちょっと重かったけど気にすんな?な?」「一言多いですよぉっ!」
「何イチャイチャしとるんじゃ妬ましい」「だまらっしゃい」
ーーーーー
「はー、それで暫く俺の記憶がなかったりいきなり暗闇から始まってまた途切れたのは何?」「タクト様、知らない方がいい事だってあります」「お、おう。わかった、もう聞かないや」
ステラ、なんて強い子…!俺はお前の事を強い馬鹿たれに認識を改めることにしたよ
「なんだかすっごく失礼な事考えてませんかっ!」
 いえいえそんな。恐れ多いです。
「それで、俺らまだ自己紹介されてないんだけど」「おお、そうじゃったそうじゃった。尺的にもあれじゃしの、模擬戦は次に持ち越しじゃな」「おいやめろハゲ」
もうダメだこれ。どうしようもねーや、なるようになる事を祈らざるを得ない。
「では……此方が武神の称号をもつ男アレクス・スケイル。七賢者に負けずとも劣らない人類最強を言ってのけるいわば基地外じゃな。」「ダハハッひでぇ良いようだなハゲ」「誰がハゲじゃいっ上司に向かって何たる暴言!……フッーフッー……ああ、そして其処のスキンヘッドのヒャハハと喧しいヤツじゃがそいつは最年少で七賢者に登りつめた天才、灼焔のオルガ。まぁ、そいつも良い具合にイカれておるわい。」「ヒャハッ髭散らすぞ老害野郎」「なんじゃなんなんじゃこいつらっ!!」
『最初に基地外だのいかれてるだの言うお前がどう考えても悪いわ』
うわ、タクトとハモった。なんか気持ち悪い目で見てるから一回やっときました。めでたしめでたし
「それで、その第二外国語が肉体言語なお二人が今から闘うってわけ?」「第二外国語とやらがよくわからんがまぁそうじゃ。」
第二外国語っつったらウチのタクトさんも負けてないぞ。
ーーあれは去年の春の事だった。
ーーーーー
「ふっふっふ、やぁケンジ。第二外国語、決めたか?」 やけに威勢がいいな、結構うざい。
「韓国語楽そうだし俺韓国語にするわ、委員長も韓国語つってたしカンニングしたる」
「俺博多弁ば習いたかとさ。第二外国語の欄に博多弁って書いたったい!」
「せからしかさ(やかましいわ)」
『あー…2年3組の峰岸、至急職員室まで来なさい。2年3組の峰岸、至急職員室まで来なさい。』
「なしっ!?なし呼ばれよんかいっちょんわからんっ!?」
「お前にはまだ修羅ははえーってことよ」
ーーーーー
「やっぱお前らじゃタクトには勝てんわ」「なんの話じゃて」
そりゃもちろん器だよ器。










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