異世界召喚に巻き込まれたんだが、勇者がかなり弱くて人生詰んだ。

ノベルバユーザー210019

012 ゆうし ゃ が く る っ た

「とぅるとっとぅるーもっふぉらっるうっ」
どうやら勇者様は死にすぎて頭がおかしくなったらしい。
ーーーーーー
「なぁ、ステラ。こいつさっき死んでから結構たったよな?一応数えてたんだけど通常が3分なんだけど、こいつ6分はかるくこのまんまなんだけどなんだこれ」「さ、さぁ…もしかしたらもう生き返ってるのでは?」「んー……いや、呼吸してねーな、ちょっと加速してみるか」
ーー加速したいなぁ
ピクビクビクピクッ!
「ひぃあっ!?なんですかっなんですかっ!?」「ご、ごっつキモい…なんだこれ」
「あ、アぁあ…もうちょるけんぱぁぁぁあっ!?」
やっべ、壊れた。
「ケンジ様っけんじさまぁっ!い、一体これはっ!」「ごめん、さっぱりわからん。殺しすぎた?」
「まっちょっープルルルギィッまやおはおんっ」
あ、もうこれダメなやつやん残念ですが息子さんはもう。ってやつやん。
よし、困った時は斜め45度チョップだ。
ていやっ「ちょろろろろろっぱらぁっ!?」
「……やりましたかっ?」「おう、ステラそれフラグってやつだぜ…」
どうだ、頼むから戻ってくれねーかなぁ。
ピクッ…ピクピク…スタァッ!
「んぅー…まんだらぁぃぁぁあっ!とぅるとっとぅるーもっふぉらっるうっとぅるとっとぅるーとぅるとっとぅるーとぅるとっとぅるー」
ひぃっ、こいつは凄まじい。うねうねと下半身をくねらせながら両手を上げてじりじりとにじり寄ってくる気持ちの悪いタクトに流石の自分も引かざるをえない。
「けんじさまぁっ!」「ちょっくっつくな馬鹿たれ」「だってっ!だって、怖いからっ!」
マズイ、マジでこいつぶっ壊れちゃったぞどうしよう。こうなったらもうあれしか無い…!
「ピンポーンっ!」「ふぁーぶるすこっふぁーぶるすこっ」
だめだぁあああ、もう何も思いつかねぇっ!考えろ、考えるんだ。関東のあき竹城と呼ばれたこの特に何の取り柄も無い頭脳をフル動員するんだ。何かあるはず突破口は必ずあるはずだ……
「……ステラ。とりあえずこいつを縛ろう、何か縄のようなものを持ってきてくれないか」「縄、ですね…わかりましたっ!すぐ取ってまいります」「それと、まだこの事は誰にも言っちゃダメだぞ。その、元に戻った時にこいつのメンタルが持たん…」「は、はい……」
第一次勇者狂人化解除計画発令
「もんふぁどんるどんるどんるぅあああ」
き、気色悪い…たどたどしくもこちらへにじり寄ってくるタクトの頭を押さえてまだかとステラを待つ。
「持ってまいりましたぁっ!」「でかしたっ、ステラっ足を頼むっ!」
二人がかりで狂人タクトを押さえ込みとりあえず手足を縛る事にした。
「にごんびゃぁあばんあんぷるふぁあとぅるとっとぅるーとぅるとっとぅるーもっふぉらっるうっとぅるとっとぅるーとぅるとっとぅるー」
「ひぅっ!」「ステラ一度離れよう、頭がおかしくなりそうだ」
腰にしがみつく少女を立たせ部屋の入り口まで退避する。手足を縛った為自由には動く事はできないが、相変わらず芋虫のようにグニグニ動いてやがる。めちゃくちゃ気持ちわるい。
隣でガタガタ震えている少女の手をしっかり掴んでやる。正直めちゃくちゃ俺も怖いし、ステラも泣かないだけよく頑張っている。今回ばかりは優しくしてもバチは当たらんだろう、たぶん。
「そうだっ!ステータスっ!ステータスを確認してみたらどうだっ!?なんかわかるかもしれんぞっ!」「っ!なるほどっすぐにやりましょうっ!」
ステータス、オープン
ステラがそう唱えれば芋虫勇者の上に半透明のウィンドウが表示された。
デスペナルティ:一定数死亡した場合半日の人格崩壊、その日の記憶については引き継ぐ事はなし。
デスカウント 50
「そういう大事な事は、はやくいえよっ!」
とりあえずこの御伽噺は本当の本当にクソッタレでクレイジーな事はよくわかったよ!
「え、えっと……タクト様は半日ずっとこのままなのでしょうか…?」「まぁ、そうなるって事だろうなぁ」「ひぃいいっ!もう限界ですよぉっ!?」
確かにこれ以上こいつと同じ空間にいるのは精神衛生上非常によろしくない。
「……とりあえずこいつを監禁しよう」
狂人タクトと俺たちの戦いが今幕を開けたのだった。

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