異世界召喚に巻き込まれたんだが、勇者がかなり弱くて人生詰んだ。

ノベルバユーザー210019

04 ガソリンの話じゃねーよ

「おう、頭おかしいんじゃねぇのお前」 
「お、おかっ!?ひどいですっ!」
こいつは予想外だ、このお姫様結構馬鹿かもしれん。いやきっと馬鹿だ、馬鹿たれだ。
「いやな、確かに俺らがやる事って聞いた。うん、俺そう聞いた。でもな、学校はないよながっこーはないと思うんだ、うん。」
「ちょっと、待ってくださいっ!私なりに考えたんですぅ! だってその、タクト様は…その、力が今ほとんどありませんし」
「皆無な。」
「えぇっ!?俺、力皆無なのっ!?」
「…ほ、ほとんどありませんし、まずはこの世界のことや、魔法について勉強するべきだと思うのですっ!勿論武芸に関しても私の通う学校では指導しておりますので、学校、行きませんか……?」
言わんとすることはわかったが、別に戦闘並びに魔法の訓練なんて学校に行かなくてもできるだろうに。
ここは王城なのだろう、なら宮廷魔術師やら直属の騎士団やらがいるのは間違いないはず。なら、其方に学ぶ方が理に適っている気がする。
まず勉強したくない。
異世界に来ました、お勉強します。
はっ、馬鹿たれじゃねーかよっ!絶対に嫌だねっ!クソッタレぃっ!
「ケンジ様、ダメでしょうか…?」
大体こいつはさっきからなんなんだ!ウルウルしながらこっち見やがって、わざとかっ!戦犯だろ!そうだ!そうに決まってる。
こいつは自分の容姿がかなり整っている事を良いことに上目遣いに涙目なんて頭のイカれた事ををしてるに違いない。
スンゲ腹立つなぁ!ほんとなんだこれ、なんだこれっ!
「ケンジさまぁ…?」
「ピンポーンッ!」
「越○製菓ぁっ!!」
「ひやぁっ!えちっ、えっ!?」
ナイスだタクト。お前にこのギャグを刷り込んで置いてよかった。初めて俺の役に立ったよお前、ありがとう。
「よし……それで俺たちが次にやることなんだが、とりあえず俺の力量とか測ってみたいんだわ、ほら常人よりはなんか高いっぽいしな、そこ吟味してまずはやれること、やってこうぜ!な?」
「なかったことにしないでくださいよっ!」
チィっ!しつこいなぁ!こんの…び、美少女がぁ!あーもう調子狂うなぁ。容姿については文句のつけようがねぇよこいつ!
「なぁ、ケンジ?俺さっきから究極に置いてけぼりなんだ、うん。それでな俺も意見して良いかい?」
「……まぁ、一応言ってみろよ。」
「いいんじゃね?学校行こうぜ!」
…………ていやっ
「ひぐふぉおんっ!?」
「ケンジさまぁ!?そうみだりにタクト様を こ、ころさないでくださいっ!」
「だってこいつ使えないんだもん。」
「だってじゃありませんよーっ!」
それにちょっとばかし試したいことだってあるのだ。そう、俺の持つ固有スキルを試してみる。
「なぁステラ、固有スキルってどうやって使えばいいんやろし?」
「へっ?あ、はい!えっとですね、こう、んーっ!えいっ!って念じますっ!」
「おっほ、さてはお前馬鹿だな?うん?」  
んー、えいってそりゃねーわ、(笑)だわ。
本当にこいつが一国の王女なのか、いきなり怪しくなってきやがったんだが。明らかに1時間ほど前とキャラが違うじゃねーか。
おっさんに立ち去りなさい!って凛々しく言っていたお前はどこ行ったんだよ。
「ひ、ひとのことを馬鹿馬鹿言わないでくださいよっ!本当に念じるだけなんですって!」
……まぁやってみるか。
『あー加速したいなぁ、やりたいなぁ』
《物資加速化》スタンバイ、対象を補足対象タクト・ミネギシの時空を加速3、2、1 コンプリート
うわ、できたし。
なんだこれ、頭にログが流れていく。はー、変なところで機械クセェなぁこの世界。本当に現実リアルなのか…?
俺の推測が正しければこれで ーー
「んん…んー?あれ?なんかお前ら今、瞬間移動しなかったか?さながらクソ回線のFPSプレイヤーみたいに」
「チゲェ。お前が死んでただけだっつの。」
「あーなるほどって納得できたらするよね?納得できないから、しなーい。」 狙い通り、やかましいやつが帰ってきた。ものごっつ腹立つが無視だ、無視。
まぁ要するにそういうこった。イレギュラーの役割は要するに回復役ヒーラーだ。しかもそれは勇者直属っていう最低な役回り。
はー、クソッタレだな予定外イレギュラー予定内レギュラーってか。まぁ誰に何を言われようとも俺はハイオク派なんで。
「まぁ、あれだよなうん。数撃ちゃあたるってやつだよな。」
「タクト様を殺す事前提で考えるのはやめませんか……?」
「え、俺捨て駒なの?そうなの?」
ていっ  「ふびらいはぁんっ!?」
「じゃあお前さんコレを有効活用できる?あいつの超激低ポテンシャル君をやる気にできちゃうの?ねぇ、教えて美少女。」
「び、美少女ってそんな……」
会話が成り立たないので無視する事にします。それにしても学校か、嫌でも勉強したくないな。それにあれだろ?死んでるってばれないようにこいつが死ぬたびに俺すぐ加速使わんとダメって事でしょ、やーだよやだやだむりやんやん。
どうにかして回避できぬものか。
「ふぉっふぉっふぉ、お困りのようですな」
あーこりゃダメだ、こいつはまためんどいぞ。
「そういう登場の仕方は本当に地雷くさいんで帰ってくれませんかね?」



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