女神に拾われた俺は女神の為に頑張ろうと思う

熊きち

第29話 vsアディ

自分の番が回ってくるまで他の冒険者の戦いを見ていた

各舞台にギルドマスターに信頼されている部下4人が審判を務めている
ギルドマスターに信頼されているだけあって皆実に強そうだ、武器は全部木製で切れない様になっている…俺の知ってる木刀凄い切れるけど大丈夫かな…

1回戦目はハゲたおっさんvsチャラ男だ
使用してる武器はハゲが木刀でチャラ男は素手だ
最初はハゲが押しているように見えたがチャラ男が余裕で躱していた、ハゲが疲れた隙をついてチャラ男が反撃し始めた、ハゲも頑張って躱していたが次第に避けきれずダウンした。
若さには勝てないよな…
チャラ男だからって弱い訳では無いのか、ますます緊張してきた

「シロさん2回戦目始まりますけど用意しに行かなくていいんですか?」

「忘れてた!」

シトネルに言われ慌てて舞台に駆け寄った

先にアディは来ていたようで準備をていた

「来たな、シロ」

俺はなんて返していいのか分からず少し間を空けて言った

「お手柔らかに」

アディは短剣を2本持っている

アディの背は俺より少し小さい位だ
二刀流なんてあるのか…カッコいい…

「君は武器を選ばなくていいのかい?」

アディに言われ武器を探す

武器っていってもなぁ、剣術のLvが3で格闘術がLv5なんだよな…魔術も使う予定だし…

色々悩んだ結果木刀を選んだ

「やっぱりこれだな」

「そろそろ俺達の番だそシロ」

武器選びに時間をかけすぎて2回戦目が終盤に差し掛かっていた
2回戦目は…簡単に言うとデブvsチビだった
意外にもチビが優勢でデブが押されていた

「あのデッカイの負けるぞ」

アディが言った

「なぜそう思うんです?」

「相性が悪い、対人だとパワー型はスピード型に弱いんだよ、手数でおされちまう」

「なるほど、勉強になります」

アディは短剣両手持ちを考えるとスピード寄りなのだろう。
色々知ってるアディはやはり凄い
それに対して俺は戦闘経験も浅く冒険者の知識も疎いうとい

2回戦目も終わり遂に俺達の番が回ってきた

俺とアディは舞台に上がる。

ヤバい緊張がヤバい、シトネルと目が合い更に緊張が高まる

「第3ブロックの審判を務めるBランク冒険者ライナだ、ルールは分かっているだろうが、もう一度説明する、魔術、武器の使用可、相手に負けを認めさせたら勝ちだ」

「大丈夫だ」

「大丈夫です」

「それでは、始め!!」

俺とアディは距離を取る

ステータス見てやりたいがそれは俺のプライドが許さない、だってずるいじゃん?
この瞬間が1番緊張するよ、足が少し震えちゃってるよ、怖いよもう、けどやるしかないんだよな…

しばらくお互い様子を見ていた、先に動いたのはアディだ

「はやっ、」

想像よりアディが素早くて焦る

「せやぁぁぁ!」

緊張し過ぎて反応が少し遅れたが辛うじて受け止められた

ありがとう、いまので緊張が解けた

「こっちからも行きますよ」

木刀を選んだ理由は2つある、1つ目はLv上げ、もう1つは邪魔だと思えばすぐ捨てられるからだ

剣術のLvは3だがそこそこやっていけている
アディも相当強い、俺の攻撃を上手く躱して反撃しようとしてくる

「ちっ、」

俺はあまりにも戦いずらく無意識に舌打ちをしていた

「おぉ、怖いねシロくん」

アディが何か言ったが全く聞こえない程集中していた

楽しい、凄く楽しい、攻撃しても躱され、フェイントを入れても騙されずに反撃に転じてくる

「楽しい!!」

アディと俺はまた距離をとる

「アディさん、強いですね実に楽しいですよ、今までの戦闘で1番ね」

「ははっ、それは嬉しいね、お前さん
もなかなか強いぞ、シロ」

「少し本気を出します」

(サード)
唱えると自分の周りに3本の剣が現れる
最初に自分で考えた魔術で割と気に入っている

「シロお前魔術使えたのか、にしてもえげつねぇ魔術使いやがる」

「あとこれも要らないです」

俺は木刀を場外に投げた

「お前剣術の使い手じゃないのかよ!」

「どちらかと言うと格闘派ですよ」

「全然本気じゃなかったってことか、面白い」

また睨み合う、結構サード維持するのはエンチャントよりは楽だが割と辛いから今度は俺から攻める

サードでガードを崩して殴り込む、だがそれでもアディはギリギリの所で躱す

アディ強ぇ、けど俺程では無い!
俺はサードで牽制しながら"ワザと"隙ができるように殴る

「もらった!」

アディがその隙を付いて短剣できりかかる…が
俺は切りかかってくるのが分かっていた為カウンターのカウンターで回し蹴りを入れた

「ぐはぁっ!」

アディは吹っ飛んだが舞台ギリギリで止まり脇腹を抑えていた

「ここまでとはな、確かにゴブリンロードを倒しただけある…俺の負けだ、勝てる気がしないよ」

「「勝者シロ!!」」

「「おおおお!!!」」

いつの間にかギャラリーが増えていて盛り上がっている

いつの間に増えてんの…なんか恥ずかしいんだけど!

俺はアディが起き上がるのを手伝い治療場まで運んだ

「いやいや完敗だよ、ずっとカウンターを狙っていたが全然反撃させてくれないし…」

「アディさんがずっとカウンター狙ってきているのは感じてたんで、凄くビビってましたよ正直」

「はははっ!やはり君は面白い!こらからもっと伸びるだろう、俺に勝ったんだ優勝しろよ、シロ!」

「当たり前ですよ!次の試合も見ててくださいよ」

そう言ってアディを治療場まで運び終えシトネルの所に戻った

「シロさん凄かったですね」

「それより何時からあんなに人が見てたんだよ…」

「シロさんが魔術使った辺りからですかね、あいつすげぇぞ!的な感じで人が集まってました」

「まじかよ…全然気付かなかった…」

「それだけ集中してたんですよ」

「そうだなすげぇ楽しかったし」

「そろそろ4回戦目始まりますよ」

「どれどれ次の奴はどんな奴らなんだ?」

アディの時みたいに楽しめると思いワクワクしていた

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