VRMMO生活は思ってたよりもおもしろい
33.ダンジョンに挑戦
3日経ち、メンテナンスが終わって大型アップデートが完了したので、早速プレイすることになった。
ログインした僕達は、全員一致で追加されたダンジョンへ行ってみることになったので、ダンジョンがある新しいエリアへ向かった。
今回は、シアンはいつも通り肩の上だけど、ブランはダンジョンでは自分で歩いてもらうことにした。理由は、いつも通りに抱いていると戦えないからだ。
僕のお願いに、ブランは文句ひとつ言わず了承してくれた。
ダンジョンに着くと、新要素なだけあって多くのプレイヤーがダンジョン内へ入っていっていた。
ダンジョンの外見は、ピサの斜塔のような(と言っても、当然傾いてはいない)塔だった。しかもそんな塔が、先が見えないくらい高くそびえ立っていた。
「高いなぁ、何階建てなんだろう……」
「400階層ありますよ」
「400階層!?」
「どこかの誰かさんが、強い上にチート並みのテイムモンスターを所持しているので、すぐクリアされないようにしたんですよ。誰かさんのせいで」
はいはい、完全に僕のせいですね、わかります。でも、だからって400階層にすることなかったんじゃないかな……と思うのは僕だけじゃないはず……。
クリアするのにどれだけの時間を消費しないといけないんだ……。まぁ、今は夏休みだからやり込むにはちょうど良いと思うけど。
「まぁ、とにかく行きましょう!」
ハヤトがそう言って先陣切ってダンジョンに入っていったので、僕達も後に続いて入った。
中へ入ると、中は迷路のようになっていて迷いそうな感じになっていた。
「完全に迷路じゃん……」
「そりゃそうですよ。すぐ次の階層に行けたらつまらないじゃないですか」
だったら、尚更400階層にすることなかったんじゃ?
そう思いながら迷路を進んでいると、第一モンスターが現れた。
現れたのは、定番と言っていい青色のぷるぷるとしたスライムだった。
「あれって、スライムだよね?」
「ただのスライムじゃありません。氷のつぶてを撃ってくる、チャーミーなスライムです」
「どこがチャーミー!?」
チャーミーの使い方間違ってるよ? さすがに、スライムが氷のつぶてを撃つ姿はチャーミーとは言わないよ。変わったスライムではあるけども。
そんなことを思っていると、スライムが氷のつぶてを撃ってきた。
それを避けつつスライムに接近して刀で斬りつけると、斬れずにぶにょんとへこんだ。
「えっ?」
「あ、言い忘れてましたけど、スライムは物理攻撃は効きません」
「言うの遅いよ!!」
僕の腑抜けた驚きの声に、ハヤトが戦う前に言ってほしかった説明をしてきたので、ツッコミを入れた。
ここは退いて、ハヤト達に任せることにしよう。
その後、スライムはハヤトが『火球』を放って倒した。スライムは火に弱いらしい。
「一階層は様々な種類のスライムしか居ません。でも、すべて物理攻撃が効かないので、マジシャンが居ないパーティーは相当苦戦します」
確かに、僕一人だけで挑戦してたら、苦戦というか、物理攻撃しか出来ないからダメージを与えられなくて倒せないと思う。
一階層からこんなに厄介だと、400階層はどうなっていることやら……。
そんな一抹の不安を感じつつ一階層を突破し、二階層に入った。
二階層も迷路式になっていて、出てきたモンスターはゴブリン。しかも、集団で出てきて、魔法を使ってくるゴブリン(マジシャンゴブリン)や統率するゴブリン(キングゴブリン)が居た。
「次はゴブリンか……」
「しかも、これは厄介な集団を引き当ててしまいました! マジシャンゴブリンはこっちの魔法を打ち消してくるんです! なので、ここはリュウさんの出番です! マジシャンゴブリンを倒してください!」
ハヤトにそう言われたので、僕がマジシャンゴブリンを倒した。近寄る時に魔法を撃ってきたりしたけど、すべて避けた。
マジシャンゴブリンを倒し終えると、ハヤト,フウキ,ヒカリの三人が次々に迫ってくるゴブリン達を倒していった。
みんながダメージを受けた時以外やることがないモモと、三人の勢いにおいてけぼりにされた僕の二人は、三人の戦いをただ見ていた。
「三人とも凄い勢いだね」
「新要素ですから当然ですよ。リュウさんは加勢しないんですか?」
「しないよ。あの三人ならゴブリン達を全滅させてくれると思うし」
「そうですね」
そんなやり取りをしていると、三人がゴブリン達をすべて倒し終えたようで戻ってきた。
その後、進んでいるとまたゴブリンの集団が現れたけど、今度はマジシャンゴブリンは居なかったので、容易く全滅させることができた。
二階層を突破し三階層,四階層と順調に突破していき、最初のダンジョンボスが居る十階層に到達した。
十階層は、他の階層と違って一つの広々とした空間になっていた。
奥に進んでみると、エフェクトと共にボスが現れた。
現れたのは、顔が三つ,腕が六本で背は二メートルぐらいある阿修羅みたいな骸骨剣士だった。
「リュウさん戦ってみてください」
そうハヤトに言われたので、僕が骸骨剣士と一対一で戦うことになった。
六本の剣か……注意しないとやられそうだな。
刀を抜いて骸骨剣士の前に立つや否や、骸骨剣士が剣を振り下ろしてきた。
僕がそれを避けると、避けた方から剣が来たので慌ててそれを避けると、その避けた方から剣が来た。
やっぱり六本もあると隙が無いな……。避けるので精一杯だ……刀を使わなければの話だけど。
次の攻撃の際、僕は刀で骸骨剣士の剣を弾き、怯んだところへ斬りつけた。
それを何十回か繰り返していると、骸骨剣士のHPが0になり倒すことができた。
「凄いです、リュウさん! 骸骨剣士の六本ある剣の攻撃をノーダメで防ぎきるなんて!」
「しかも、あんな速い攻撃だったのにな」
僕が骸骨剣士に勝ったので、ハヤトとフウキが僕を称賛した。
僕は普通に戦っただけなんだけど、これを言ったら「普通じゃない!」って言われそうだから言わないでおこう。
僕がそんなことを思っていると、ヒカリがこんなことを言った。
「リュウさんって誰になら負けるのかしら」
ヒカリがそう言うと、モモがすかさず憤慨しながら反論した。
「リュウさんが負けるはずないでしょ!」
「はいはい……」
モモの様子にヒカリはやれやれといった感じでそう言った。
ともあれ、ボスを倒して十階層をクリアしたので、次の十一階層へ向かうことにした。
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