全ての才能を一瞬で得た者

帝而17

妹の思い

2話だけ番外編になります。


「リリア達は一刻も早く逃げろ!フレイはガルム達を呼んでこい!」

「お兄様はどうなさるつもりですか?」

「アイツを倒す」

「そんなの無理だよ!」

「そうですよロード君一人では無理です」

「死ぬ気かよロード」

「死ぬ気は無いよ。俺はリリア達に救われた。だから今度は俺がリリア達を救う。ただそれだけの事だ。元気に生きろよリリア、クリスタ、シリア」

(そう言ってお兄様は行ってしまいました。最強無敵のお兄様が負けるはずが無いでしょうが、私はとても不安でした。何故なら突如現れた強大な魔力を持つ得体の知れないし化け物が敵だからです。お兄様と一緒にいた女三人は余りにも弱すぎるので、気付いてすらいないようですけど。そんな事はどうでもいいんですけど、お兄様は強大な魔力を感じてその上であの化け物に戦いを挑もうとしてる事がスゴいのだ。

お兄様が負ける事はあり得ない事だが、あの化け物の魔力量は本気の私よりも桁違いに多いのです。私が今この世界に存在してるのはお兄様がいるかだ。もしお兄様が死んでしまったら、間違いなく自殺をしてしまいます。本当はお兄様を無理やりにでも安全な所に連れていくのが、配下として妹としてとるべき正しき行動なのだと思います。でも私はその行動が取れなかった。私は自分の欲を優先させてしまったのだ。お兄様に嫌われたくない、お兄様の命令は絶対などと言い訳並べて。本当は自分が生き残るために。お兄様の命令を理由にして逃げたのだ。

私が生きてるのは行き続けてる理由がお兄様だと言うのに。自分の命よりお兄様の命が大切だと思っていたのにも関わらず、自分の命を優先してしまったのだ。私はとても情けなくなった)

「どうかなさいましたかフレイ様?」

「!?」

フレイが自分の取った行動を悔やんでいた間にガルム達の所についていたのだ。

「お兄様が化け物と戦っています。今すぐ加勢に向かいます」

「・・・分かりました」

フレイは悟られないように、いつも通りに振る舞った。フレイはガルム達をつれて町の方に急いで向かった。

「!フレイ様この魔力は何ですか?この桁違な魔力量は」

町が見えてきた時にガルムが震えた声で聞いてきた。どうやらガルム以外の三人も魔力に気づいたみたいだ。

「この桁違いな魔力を持つ化け物と今お兄様は戦っているのです。急ぎますよ」

町に入ってロードの所まで後少しの時だった。ガルム達が止まったのだ。

「どうしたの?」

「フレイ様申し訳ありませんが、何故かこれ以上先に行けなくて」

よくみるとガルム達の体は震えていたのだ。

(ガルム達はこれ以上は進めないだろう。桁違いの魔力に当てられ体が恐怖で硬直してしまっている。はっきり言って私も後少ししか進めない。間違いなく誰もお兄様の所にはたどり着けない)

フレイがどうするべきか悩んでいる時だった。急に化け物と違う魔力を関知した。しかも関知した魔力量が化け物の以上なのだ。

「何なのこの魔力量は!いったい何が起きてるの」

フレイ達は何が起きているのが理解できなかった。ずっと恐怖していた化け物の魔力とは違う魔力が急に現れ、その魔力量が化け物のより多いのだ。だがこの魔力は感じた事の有る魔力なのだ。そこがフレイ達が一番理解できない所なのだ。

「この魔力は誰の魔力なの?」

フレイがそう言った時だった。目の前で爆発が起きたのだ。フレイ達が爆発が起きた事を認識した時に、物凄い爆風がフレイ達を襲った。爆風が静まって目を開けるとフレイ達がいる所一体がさら地になっていたのた。

「いったい何が?」

「フレイ様!あそこにロード様が倒れています!」

フレイは急いでロードの所に向かった。

「良かった息をされてる。でも物凄い怪我をされてる。早くお兄様を安全な所に運んで回復魔法でお兄様の怪我を治します。あなた達の力を貸して!」

「「「「分かりました」」」」

フレイ達はロードをつれてその場を去った。

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