腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

58話 幸ある日

「えっと…どういう状況だ?」
陸が優に尋ねる。
「…姉貴が万物神になった。」
「…は?」
「まあ…何とかなりそうだ。」
「…そうか…。」
「サラ…本当に…僕は君になんと言えばいいか…」
エトはサラに深々と頭を下げる。
「…あなたの為じゃないわ。ミーシェの為よ。」
「そう…。それでも…ありがとう。そして任せるよ…。万物神サラ。」
「ええ。」
「姉貴…とっとと戻ろう。」
「ユウ…。」
「ミーシェを…ミーシェを早く治してやりてえんだ。」
「僕も…由希に無事な姿を見せないとね…。」
「そうね。」
「優君…本当に…ありがとう。君は…本当に…」
「そんなの…今言うことじゃねえだろ?」
「優君…。」
またな・・・…エト。」
「ふ、ああ…また…ね。」






魔神領
「っ…今になってこの魔物の量…!」
「やるわよ、由希。姉さんがいない今…ここを守れるのは私たちだけなんだから…!」
「…はいっ!」
(それでも…キツいわね…。由希は疫神と戦って帰ってきたばかりだし…私だって万全じゃない…。しかも相手にはレジェンド級の魔物もいる…。)
「っ…この…ままじゃ…!」


「…スターゲイザー。」



魔物の群れに隕石が降り注ぐ。
「姉さん…!」
「ベル…待たせたわね。」
「姉さんっ!!」
ベルはサラに飛びついた。
「おっと…待たせたわね…。ベル。」
「姉さん…姉さん…!」
「ふふふ…。」
そんなベルの頭を撫でる。
「…り、陸…。」
由希は持っていた剣を落とし、口元を押さえる。
「久しぶりだね…由希。色々話したいことはあるけどまずは…。」
陸は城に向かって走る優を見る。
「…わ、分かった…。」
「行きましょう…ベル。」
「うん…!」


優はミーシェの部屋に行き、すぐにミーシェの手を掴む。
「ミーシェ…。ようやくだ…これで…すぐに…。」
「ユウ、落ち着いて。」
「姉貴…。」
「花を持って来たはいいけど…そのまま口に入れるわけには行かないでしょ?…私が料理するわ。」
「水に溶かそう。」
「そうね。」
「ちょっと…私が料理するって…!」
「…藤山くん、これ。」
由希は水の入ったコップを渡す。
「ありがとう。」



「ミーシェ…頼む…。目を覚ましてくれ…。」




「…ん?あれぇ…?」
ミーシェはぼんやりと目を覚ます。
「ミーシェ!!」
「…へ?」
優はミーシェに抱きつく。
「…ユウ…そっか…終わったんだ…。」
「ああ…!ようやく…お前に会えた…!」
「ユウ…。」
「ミーシェ…。」
2人は深くキスをした。




「ちょっと。私たち見てるんだけど?」
サラが呟く。
「「あ…。」」
「たく…おはよう。ミーシェ。随分とお寝坊なのね…。」
「お姉ちゃん…。」
「調子はどう?」
「ベルちゃん…。」
「本当に…あなたはいつもいつも私たちを心配させて…!」
サラはミーシェにぐいっと迫る。
「ご、ごめんなさ…」
ギュ…
サラはミーシェを抱きしめる。
「…おかえり…ミーシェ…!あなたが死んだら…私…!」
サラはミーシェを抱きしめながら涙を流す。
「…お姉ちゃん…。」
「ミーシェ…。」
その上からベルも抱きしめる。
「ベルちゃん…。」
「たく…心配したじゃない…!」
ベルはミーシェの頬をつねる。
「えへ…へ…ごめんなひゃい…」

その様子を見た陸と由希は部屋を後にした。



「…改めて…おかえり。陸。」
「ああ…ただいま。」
2人は由希に用意された部屋のベッドに座りながら、話す。
「…なんだか不思議ね…。2週間ぐらいしか経ってないのに…まるで何十年も会ってなかったみたい…。」
「そうだな…。」
「…本当に…寂しかった…。」
拳を握った由希の手に一粒の涙が落ちる。
「由希…。」
「…でも…いいの。陸が生きててくれただけで…私…!」
「僕は…それじゃ足りない。」
「…え?」
陸は由希を抱きしめる。
「君とこうしてまた会えて…良かった…。」
「…陸…。」
「行く前に言いかけたことだが…。」
「…う、うん…。」
「僕と…いつまでも一緒にいて欲しい。だから…その…結婚…してくれ。由希…。」
「…はい…!私も…私も陸と一緒に…いつまでも一緒にいたい…!」
「由希…すまない。その…キスだけで…済みそうにない…。」
「…ふふ…いいよ…。陸なら。」
「由希…。」
「…陸…。」
無事に再会を果たした2人は深く愛し合うのだった。




「ふぅ…ようやく2人になれた。」
「ふふ…うん。」
「起きたばっかだけど…体の方は大丈夫か?」
「うん!へーきへーき…あ…」
「ミーシェ!」
起き上がった途端ふらついたミーシェを優は抱きとめる。
「あ…あはは…なんか腰抜けちゃって…。」
「何日も寝てたらそりゃな…。」
「…あれ?ユウ…なんか視界が揺らいで…。」
「!…ミーシェ!?」
ミーシェはそのまま気を失った。



「はぁ…まさかとは思ったけどね…。」
ベルはミーシェの体を見ながら呟く。
「え?お姉ちゃん、どういうこと?」
目を覚ましたミーシェを優はすぐにベルに診て貰っていた。
「まさか…なんかの病気に…?」
「違うわよ…。はぁ…おめでたよ。」
「「え?」」
「ミーシェ…あなた…





…妊娠してるわよ。」






昨日出せなくてめんご〜(ごめんなさいっ!)
あと5話程で完結致します。物語は・・・

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コメント

  • LLENN_p

    さて子供はチートなのか

    3
  • HARO

    ミーシェおめでとう~
    まだ、ちょっと続くんだ~
    ヤッホー

    3
  • KIA

    きっとミーシェの子供も可愛いんでしょうね

    4
  • 負け犬

    めでたい

    4
  • ノベルバユーザー287136

    めでたすぎて大森林

    5
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