腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

34話 マーメイドラプソディー

「ベルフェゴール様!」
「!…どうしたの?」
「そ、それが…城の前に魔物の大群が…!Sランクから…レジェンド級の魔物までいます!」
「っ…レジェンド級まで?!」
「そう…。まあ相手は万物神…大方予想してたわ…。」
「…ベルさん…。」
「行くわよ?由希。」
「…は、はい!」
「…何?もしかして怖気付いた?」
「…な、そんなこと…!」
「ふふ…その調子なら大丈夫そうね…。」
「…ベルさん…」
「さあ…ちゃっちゃと片付けてお茶でもしましょ?」
「…はい…!」



「あちゃー…思ってたよりひどい状況ね…。」
「…そうですね…。とりあえず低級の魔物から浄化します。…スピリットエンブレム…!」
由希は精霊魔法で次々に低級の魔物を浄化していく。
「ヒュウ…さすがね…。」
「…でも上級の魔物は…」
「分かってるわ!私に任せて…!ガイアメモリー。」
「グガァ…!」
岩の猛攻が魔物達を襲う。
「くっ…引け!」
「あら?統率者がいるの?」
「やるな…魔王ベルフェゴール…!」
「ぞれはどーも…。それで?あなたは?」
「ふん…俺は血の教団最高幹部…魔獣使いのガロット。」
「あら?なんか聞いたことあるような…。」
「…もしかして猛獣使いのバーネリーの知り合い?」
「バーネリーを知っているのか…。あいつは俺の弟子だ。」
「へえ…。それで?私の家をめちゃくちゃにして…覚悟は出来てるの?」
「ふん…戯言を…。貴様の過去は知っている。貴様が命の恩人である魔神サラを裏切ったこともな…。」
「…」
「…違う!ベルさんは裏切ってなんか…!」
「由希…こいつは私にやらせて…。」
「…ベルさん…。分かりました。」
そう言って由希は魔物たちと戦いを始めた。


「いいのか?貴様1人で。」
「別に…2人でも1人でも変わらないわよ。」
「なんだと?」
「ここは私の帰る家…。あなたなんかが簡単に立ち入っていい所じゃない。私…キレてるんだけど。」
「…ふん…貴様が怒ったところで俺に勝てると思って…」
ザンッ…
「っ?!」
ガロットの頬から血が垂れる。
「あら〜?外しちゃった?」
「っ…貴様…行け!!」
すると2体の竜がベル目掛けて襲いかかる。
「その魔物はエンシェントドラゴン。SS級の魔物だ…!」
「…ヨハネの黙示録…」
「無駄だ!貴様の大罪魔法は全て対策されていると思った方がいい…!」
ガロットは小さな勾玉を取り出す。
「魔我玉…。そう言えば創造神が作ったものだったわね…。」
「ふはは…大罪魔法がない貴様に何が出来るかな?やれ!」
「ハリケーンサイズ。」
「エンシェントドラゴンには風は効かんぞ?」
「っ…!ぐっ…!」
ベルはエンシェントドラゴンの突進を受けてしまう。
「ゲホッ…はぁ…痛い…。」
「その程度か?こちらにはエンシェントドラゴンがまだまだいるのだぞ?」
5匹のエンシェントドラゴンが現れる。
「これは…ちょっとヤバいかもね…。」
「ふはは…味わうがいい…」
「っ!…グランド…ドラゴン…」
エンシェントドラゴンの後ろからレジェンド級の魔物、グランドドラゴンが現れた。


「はぁ…はぁ…」
「ふん…見る影もないな…魔王ベルフェゴール…。」
「ゲホッ…はぁ…あー…痛い…。」
ドラゴン達の猛攻により倒れるベル。
「ふん…面白いことを考えた。…ベルフェゴール自慢の髪の毛をやき尽くしてやれ。」
「!」
「グギッ…ガァ!!」
ドラゴン達は一斉に炎を放つ。
「…今…なんて言った…?」
「!」
炎が消えて行く。
「み、水…?」
「はぁ…水属性魔法はハーピィが使えない魔法だから隠しときたかったんだけど…今のは…聞き捨てならないわねぇ…私の髪を…どうするって言ったの?」
「何故…ハーピィである貴様が…水属性魔法を…」
「私は特殊なハーピィだからね…。姉さんはこの髪を…まるで…深い海のような色だと言ってくれた…。海なんてハーピィとはゆかりも無いものよ…。でも…海は貴方の綺麗な心そのものだって…!あなたが…簡単に焼くとか言っていいものじゃないのよ…。」
「っ…やれぇ!!」
「マーメイドベール…。」
炎はベルに辿り着く前に消える。
「私の水属性魔法は一味違うわよ?姉さんの元で改良した魔法…。魔神による加護を受けた…神級魔法…。」
「神級…魔法…?」
「行くわよ?海魔法…人魚の狂詩曲マーメイドラプソディ…!」
巨大な津波がドラゴン達を襲う。
「馬鹿め!津波程度で竜が臆するとでも…」
「あら?ただの津波だと思って?」
「何?!」
ドラゴン達は次々と倒れていく。
「この魔法は私の概念魔法との合わせ技。この波はあらゆるものを流すのよ…。そう…例えばHP…とかね。」
「HPを…流す…だと?」
波はグランドドラゴンを包み込む。
「グ…ガァァァ!!」
「…人魚の涙マーメイドスコール。」
「これは?!」
ガロットの周りを水滴が囲む。
「あなたは私の…私の姉さんとの思い出を傷付けようとした…。慈悲はないわ…。死になさい。」
「く…そおぉ!!」
神々の水がガロットを包み込む。
ガロットは瞬く間に白骨化した。
「ふふ…燃えなくて良かったぁ…。


…姉さんが帰ってきたら結ってもらおっと。」




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コメント

  • 本大好き{デアラ}

    やべぇ

    1
  • けん玉マスター

    めずらしいいきものぉーww

    1
  • ノベルバユーザー309247

    題名変えませんか?

    5
  • かつあん

    にんぎょというーなまえのーかのじょはーww

    1
  • ノベルバユーザー170875

    ひーととーさかなのはんぶんずつー‪w‪w

    1
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