腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが

けん玉マスター

第2章エピローグ やっぱり平和が一番だわ

「どういう事?復讐…やめるの?」
「ああ…。今のうちはな。」
「え?」
「俺が暴走を抑え切れるようになるまではな。」
「ユウ…。」
「こんな状態であいつらと戦ってもなんの意味もない。俺はちゃんと力を制御できるようになってからちゃんとあいつらと戦いたい。」
「そう…でも…なんで結婚?」
「俺の中の力を制御するのにどれくらいかかるか分からない。その間お前と一緒にいる意味が欲しいんだ。だから…その…結婚…して欲しい。」
「ユウ…意味なんて…いらないよ。」
「ミーシェ…?」
「私はユウといたいからいるの。それじゃ…ダメ?」
「…ダメだ。」
「え?」
「意味が欲しいだなんて…建前なんだよ。お前が好きだから…誰にも取られたくないから…俺のものにしたいだけなんだ…わがままなんだよ…。」
「え?あ、そ、そうなんだ…。」
「ミーシェ…結婚しよう。」
「…うっ…っ…うう…」
「ミ、ミーシェ?なんで…泣いてんの?」
「だって…なんか…ここまで長かったなぁって…!最初は私…ユウを利用してるだけだった。なのに今はこんなに好きでたまらない…!」
「ミーシェ…。」
「…な…る…」
「え?」
「なる…私…ユウのお嫁さんになる〜!」
「…ありがとう…ミーシェ。指輪とか…用意してねえな…。」
「ふふ…ドジ。」
「うるせぇ…。」
「じゃ、じゃあさ…代わりに…」
ミーシェは目を瞑る。
「…分かったよ。

…結婚しよう…ミーシェ。」

「はい…!」
2人は誓いの口づけをした。

「てかキスは式の時だろ?」
「ふふ…練習。」
「そうか…。」
「ねえユウ…。」
「ん?」
「今日は…最後までしてね?」
「っ…!でも…お前…いつも体力続かないって言って最後までできてないだろ?」
「頑張るもん…!」
ミーシェは顔を真っ赤にする。
「そ、そうか…。じゃあ俺…風呂入ってくる。」
「う、うん。」


風呂から上がった優はベットに座りこれまでの事を振り返る。
(どれも…ミーシェがいなかったら出来なかったことなんだな…。)
そうだ。復讐も…今こんなに幸せでいられるのも全てミーシェがいたからだ。まず…今生きているのも。
「最後まで…できるかな…。俺はヘタレだからな…。」
例え種族が魔人になろうと強くなろうと優のヘタレは健在である。
「…ユウ…。」
そこにミーシェがバスタオルで身を包みやってくる。
「ミーシェ…。」
パサ…
そしてバスタオルを外した。
「あんまり…見ないで…。」
「…綺麗だよ…ミーシェ。」
「もう…


…バカ…。」


ミーシェの頬を撫でる。
ミーシェはそれに応じて優の手に自らの手を添えた。


ミーシェの胸には昨日受けた傷がまだ少し残っていた。
「ごめんな…この傷…残っちまったな…。」
「ユウ…?」
優はその傷にキスをする。
「っ…ん…」
「俺がつけた傷も。」
優はミーシェの髪の毛を上にあげ額に出来た小さな切り傷を触る。
「大丈夫…ユウから貰った傷だもん。」
「好きだよ…ミーシェ。」
優は白魚のような白い肌のミーシェの首元に口を当てる。
「っ…あ…ダメ…そこ…」
自然と記憶にない昨日の光景が目に浮かぶ。
江ノ島の首を噛み砕いている光景だ。
「…っ…」
自然と力が強まる。
「ちょ…ユウ…痛…」
「…」
もしまた暴走してしまえばこのまま噛み砕いてしまうかもしれない。
そんな自分が怖かった。
「…ユウ…。…大丈夫。大丈夫だよ…。ユウ。」
ミーシェは優を抱き寄せる。
「っ…ミーシェ…。」
「ユウ…。」
2人は深く唇を重ねた。


「なあ…ミーシェ…。」
「はぁ…はぁ…何…?」
一通り終えた2人。
疲れ果てて息を荒くしたミーシェに優は話しかける。
「もし俺が化け物になったとして…そんな俺でも…お前は好きでいてくれるのか?」
「何度も…言ってるでしょ?私はユウがどんな姿になろうと一緒にいる。どんなユウでも…大好きだから。」
「そうか…やっぱりミーシェは…可愛いな…。」
「どういう意味?」
「いや…その笑顔…守ってやらなきゃなぁって。」
「ふふ…でも…」
ミーシェは起き上がりユウに抱きついた。
「私も…ユウを守るから…。」
「ふ…裸だと生々しいな。」
「う、うるさい。」
「そういうことするから歯止めが効かなくなるんだぞ?」
「え?」
「今夜は…寝れると思うなよ?ミーシェ。足腰立たなくしてやる。」
「ちょ…ユウ…だ、ダメぇ…。




…あ♡」



翌朝
「ユウ、昨日はお楽しみだったわね。」
「…まあな…。」
サラが優に話しかけた。
「おかげで…腰が…」
ガクガクと震える腰を抑える優。
「ミーシェは?」
「まだ寝てる。さすがにやりすぎたよ。反省してる。」
「たく…昨日は私と魔法の特訓もしたんだから…程々にしなさいよ?」
「それは要検討だな。」
「要検討?」
「ミーシェが可愛すぎるのが悪い。」
「相変わらずゾッコンなんだから。」
「いいだろ別に。」
「…ミーシェが起きないなら…私ご飯作ろうかしら?」
「絶対やめろ。マジで。」
「ふふ…冗談よ。」
「笑えねえよ。」
「バトラー。ご飯よろしく〜。」
「はい。お待ちください。」
「そうだ…サラ…さん。」
「は?さん?」
「はい。」
「どうしたのよ?急にかしこまって。」
「妹さんを…ください!」
「はぁ?」
「だから…その…ミーシェと結婚させて欲しい。」
「いいわよ。」
「復讐はその…俺が力を制御出来るようになってから…ってえ?いいの?」
「いいわよ。あなたなら。前に試したでしょ?あなたがミーシェに相応しいか。あなたなら安心して任せられる。ミーシェを…幸せにしてね?」
「ああ…これからは恥じることなく言えるよ…これからもよろしく頼む…姉貴。」
「!…ふふ…ええ…。」



「ミーシェ?そろそろ起きなさいよ?」
ミーシェの部屋にベルフェゴールが入ってきた。
「べ、ベルちゃん…た、立てない…。」
「何言って…ってなんで裸なのよ…?」
「昨日ちょっとユウと…。」
「たく…あの人は…。」
「ねえベルちゃん。」
「ん?」
「私…ユウと結婚する。」
「え?」
「ユウのお嫁さんになる。」
「…あなたは…それでいいのね?姉さんから話は聞いた。もしかしたら…ユウさんに殺されるかもしれないのよ?」
「うん…。それでも私は…ユウといたい。」
「そう…あなたが決めたのなら…文句はないわ。」
「ありがとう…ベルちゃん。」
「…ちょっとユウさんと話してくるわね…。あなたも早く起きなさいよ。」
「あ!ベルちゃん!」
パタン…
「行っちゃった…。さて…


…どうやって起きよう。」



「ユウさん。ちょっといい?」
「ベル…ああ分かった。」
「ミーシェと…結婚するんだってね。」
「ああ…お前にも話そうと思ってたところだ。」
「ミーシェの事…傷つけるんじゃないわよ?」
「…分かってる。」
「それだけよ。」
「認めて…くれるのか?」
「ミーシェがあそこで言うんだもん。認めざる負えないでしょ。」
「そうか…。これからもその…迷惑かけることはあると思う。よろしく頼む。…ね、姉さん。」
「私に弟ねぇ…。これからはユウさんじゃなくてユウって呼ぶから。よろしくね?」
「ああ…。よろしく頼む。」


「ミーシェ?大丈夫か?」
優が部屋に戻ってきた。
「ユウ…やりすぎ…。腰が痛くて立てないよぉ。」
「悪い悪い。ちょっと調子乗った。今起こしてやるよ。」
「ダメ…今裸だもん。」
「それなら尚更だ。」
「えっち…。」
「ふ…ほら。」
優はミーシェに手を差し出す。
「うん…。」
ミーシェはシーツで体を隠しながら起き上がる。
「よっと。」
「ちょ…んっ!」
優はミーシェの手を思い切り引いてキスをした。
「ぷはっ」
「これからもよろしくな?ミーシェ。」
「っ〜!バカぁ!」


さて優の復讐は一旦閉幕。
この後どんな旅が待っているやら…。




これにて第2章完結です。
第3章は一年後の話です。
あの人はどうなってるでしょうね?

────そして交わる人間界と神界。
────それぞれの思惑がぶつかり合う中大きな戦争が幕を開ける。

第3章に乞うご期待…!

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コメント

  • にせまんじゅう

    フーン、エッチじゃん

    1
  • LLENN_p

    2人の子供も絶対チートwww

    3
  • らう

    マシュマロ空気で竹

    7
  • 自称クズ

    ふーん、エッチじゃん

    3
  • 垂直抗力(元ラノベ大好きサムライ)

    2章完結おめでとうございます。
    毎回とても楽しみに読ませて頂いております。
    ついに結婚しましたね。とても喜ばしいことです。おめでとうございます。
    小宮様と松山は結婚はしないのでしょうか?まだ松山の心の傷が癒えていないのかもしれませんね。
    作者様!これからも楽しみにしていますので、がんばってください!

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