DREAM RIDE

遥都

7:再会の2人

俺の名前を呼んでいたのは、大河タイガだった。

前の世界の話だが、以前大河には甲子園の祝いの連絡をした時にかなりきつい言葉を言われたこともあり正直喋りたくも無かった。

しかしここもおかしな点がある。

大河と知り合ったのは中学2年の秋にチーム別の選抜チームで初めて顔を合わせたはずだが、それまではお互い名前は知ってる程度で直接の面識も無かった。

なのにここでは俺のことを知ってるどころか普通に話しかけてきている。


晴矢「久しぶりだな…。」

しかし中学生の大河にすら引け目を取ってしまう中身18歳はなんともみっともない姿だと思う。

大河「おっす。打ち終わったらちょっと付き合え。」

それだけ言い残し親父の居るカウンターに向かって行った。


晴矢「どうしてこっちでも上から目線で…。」


瑠夏ルカ「いつまでそこ突っ立ってんの?」

気がつけば先にもう打ち始めていた妹の隣のゲージに入った俺は久しぶりの野球を楽しんでいた。

80球程度打ったが結果はもちろん駄目でした。


少し振っただけでバテる体力。
合間で飲んだスポーツドリンクが、お腹の中でぐるぐる回り、右手には水膨れがそれはまあ見事に出来ていた。


晴矢「こんなはずじゃ無かった。」

本当にみっともないが、もっとやれると思ってウキウキしながら来た自分は5年間のブランクに徹底的にやられた1日目だった。

それよりこっちの俺は練習してないのかと思うほど綺麗な手をしてた。


そして、そのまま大河に呼ばれた俺は、裏の空き地に移動した。


大河「ごめんな。ここまで遠かったはずなのに。」


晴矢「いや別にいいけど。」

家からの距離を考えれば2キロ程あるこの道だが俺の家を知ってるのもやっぱりおかしい。


晴矢「大河って俺と初めて会ったのいつか覚えてる?」

次の瞬間俺は耳を疑った。


大河「選抜の時だから中2だっけ?」


大河「言っておくけど自分が選ばれた人間とか思うなよ。入れ替わったのはお前達だけじゃない。」

予想通りだったと言えば嘘になるが俺の家は東京で大河の家は千葉県だ。

どう考えても接点がない俺にはいくら夢の世界でも友達と会うのが、理由もなく早まっていることに不思議と違和感があった。

しかしそれ以上に気になったこともある。


晴矢「どうして俺がタイムリープしてることがわかったんだ。」

大河「だってお前いまチームの遠征で大阪に行ってるはずだろ。」

この後聞いた話だが俺はいま大阪では行方不明になって居るらしい。

大河が言うには、この世界には自分は一人しかいないのは鉄則で大河も来た瞬間こっちの世界の大河は居なくなったらしい。

しかしリープする条件は特に決まっていないみたいだが大河も未練があって俺と同じ記事を見たそうだ。


偶然なのかはわからない。
だけどここに2人来たことは必ず何かあるかもしれない。
そんなことを考えながら大河との会話を続けていた。


しかし何も気にすることもなく喋っていたのはどうしてだろう。
それに気づくのはもう少しあとの話し…。






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コメント

  • こた

    自分の小説より上の順位にいたのでどんな作品なんだ?と思い読んでみました。
    正直くそほどおもしろいw
    自分より上なのも納得です。
    あなたの作品を抜かせるようにがんばります!
    これからおたがい頑張りましょう

    0
  • TETO

    おもしれえ

    0
  • ノベルバユーザー216709

    8話更新まだ?

    0
  • 遥都

    無知なもので締め方がまだわかっていなくて笑
    コメントありがとうございます

    0
  • もと陰キャ代表取締役

    最後に・・・つきすぎじゃない?
    おもろいけど

    1
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