教科さんち。-Side5-

MINON

一時間目:文系のススメ。

「ヤシロさぁぁぁん!」
国語(カタル)が慌てた様子で
入ってきた。
「な、何…?」
社会(ヤシロ)も怪しんでいる。
カタルが慌てるなんて、
そうそうないからである。

「そ、そういうことか…参ったなぁ…」
「ですよね…オレら何にも
してないからな…」
そう、今日から英語が来ることに
なったが、国語と社会は直前まで
知らされず、何もしていなかった。
すると、

「え、でも待って、
英語ってことは…あの子が来るの?」
社会は、心当たりがあるようだ。
「え、ヤシロさん、英語が誰か
わかるんですか?」
「うん、なんとなく、
目星がついてはいるんだけど…」


「Hello!I'm English!
Nice to meet you!」
(えぇ…オレ、
英語できないんだけど…)
と国語がどよんとしていると、社会が、
「ヒデ、外国人ごっこ
しなくていいから」
と一言。
すると英語も、
「失礼な!ボクはれっきとした
英国紳士だよ、日本語喋れるけどね。」
「全くもう…。」
と、ポカンとしてる国語を置き去りにして会話している。

「いや、アンタ日本語喋れたんかーい!
最初から英語だったら日本語喋れない
かと思うじゃん!」
と、国語が何かが吹っ切れたかのように
ツッコむ。

すると、
「Oh,I'm sorry!
ワザトじゃないんですよ〜
許してくださーい!」
と英語が言う。
そして、
「ごめんね、コイツも悪気が
あるわけじゃないんだよ…」
と社会も続ける。

「は、はぁ…」
(こんな人と一緒になって、
オレ、大丈夫なのかなぁ…)

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