雪が降る世界

lemon

プロローグ

「あー…。俺はこの上ない程の疫病神だな…。」
違う、そうじゃない。私も×もそんなことは思ってない。
「あはは…。気にしすぎ。」
「でも、じゃあ俺は…。」
「もう最期だからさ、ひとつだけお願いしてもいい?」
「え?あぁ。できる範囲で、な。」
「──してほしい。」
少しでも、一緒にいた、証拠がほしかった。私のあの一言で、君がどれだけ困惑していたか。それでも泣きながら、聞いてくれた。彼より純粋で優しい人なんてこの世界にはきっと存在しない。そう信じてる。だから、私にだけ見せてくれたっていうあの笑顔を、もっといろんな人に振りまいてね。…幸せな思い出、ありがとう。
×と一緒に待ってるから─。

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