始創終焉神の俺、異世界を満喫する!

メコルデグス

異世界での始まり 7 いざ、レザリウス光国へ

期末考査終わりました!今回はいつもよりましましでお送り致します。
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「ふぁ~あ、よく寝たな~。」

大きく伸びをしながら、俺は目を覚ました。
昨日は俺の最古の眷属と再開し、彼等のステータスを見た。すると、人間を超越した光板を見せられ、慌てて力を封印したのだった。
思考を巡らせていると、ゼータが挨拶に来た。

「おはようございます。竜鬼様。只今の時刻は5時になります。」

「あぁ、おはよう。なぁ、ゼータ?いい加減敬語止めてくんねぇ?昨日も言ったが、クラン達にバレたら世界中大騒ぎだから、「昨日出会った旅人」という設定だからな?」

あからさまに不機嫌なゼータを何とか説得する。

「はぁ~。分かr、った。」

少し後にサーガ アルバロス フロンティア 達も起きた。すると、ゼータがリーダーとして、さっき俺が言ったことを一字一句間違えずに説明していた。試しに全員がちゃんとやれるか、会話をしてみた。
 
「なぁ、皆?お前達の服装や目的について説明してみてくれよ。」

四人の服装は個性豊かで、それぞれの雰囲気に合っている服だから、イメージが気になっていた。
まず茶髪でマッシュな爽やか系イケメンのゼータ。

「あぁ、別に構わないぞ?俺の服装のモデルは勇者なんだ。白いマントに白銀の鎧、純咎(じゅんこう)の剣を両方の腰に二本ずつ、腰の後ろの方と背中にクロスさせて二本ずつ、合計で八本もっているんだ。そして、俺の目的は唯一つ。俺の剣技を継承する者を見つける事だ!」

うん、いいんじゃなかろうか?信頼出来そうなオーラが出てるし、このままならバレないだろう。

次に黒髪を後ろに綺麗に纏めた中性的イケメンのサーガ。

「私の服装は執事がモデルとなっております。黒のスーツに白のフォーマル手袋を着けておりまして、腰にはガントレットをぶら下げております。私の目的は仕えるに相応しき主を見つけることですかね。」

これも、大丈夫だな。完璧な執事にしかみえない。

次に黒緋色でミディアムウルフ髪なアジア系イケメンのアルバロス。

「俺?俺、の服、黒の軍服。ホルダーに、最低限の、装備、短剣とハンドガン、入ってる。
目的、戦で、俺と、張り合える指揮官、見つける!」

ギリセーフということで。無口だが一応伝わるし平気、かな?

最後に金黒色ツーブロックなワイルドイケメンのフロンティア。

「俺の服装は魔導師のくせに、戦士みたいなゴツイ甲冑なんだよな。まぁ、この白い甲冑も中々にいいもんなんだけどな!後ろに背負ってるハルバードだが実は杖なんだ。
目的は、俺の魔導を継承する者を見つける事だ!」

確かに、、コイツは魔導師のくせに戦士みたいな甲冑なんだよな~。目立つだろうが、まぁ大丈夫だろ。
ひとまず、全員平気そうだから会話を切り上げた。豊富のイケメン達の容姿は見るに24歳くらいにしか見えない。本当の年齢は神と同レベルだがな。まぁ、俺も同じこと言えないけど。自分の中でツッコミを入れてた俺の頭の中にファンファーレの音が鳴り響いた。すると、四人が整列し、リーダーであるゼータがこう告げた。

「今、俺達の魔法を竜鬼に与えた。是非お使い下さい。」

すると四人が一礼をして更にサーガ アルバロス フロンティアの順にこう言ってきた。

「その上で主様の強大な力を押さえるべきだと提案致します。」

「方法、は、頭領の両方、手首、足首、俺等の力、込めたリング、身に付けてくれれば、良いのです。」

「お頭の力を押さえるのと、ステータスを偽る位の事しか出来ませんがね。」

そう言うと彼等の手の上にはそれぞれ狐 竜 鴉 虎の細かな装飾が施されたリングが生み出されていた。

「分かった。ありがたく使わせて貰うよ。」

そして、リングを装備して、ステータスを見てみた。
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名前 覇神魔王 竜鬼     LV.28 
 HP 11500/11500 
 SP30000/30000 

加護(なし)     称号 異世界人

 種族 人間   職業 刀使い

攻撃力  8400
防御力  4800
俊敏性  15000
魔法耐性 3000
攻撃耐性 3000

使用可能魔法  光 闇 

スキル 
                  
  ノーマルスキル   
                   召喚 LV.12
                   回復 LV.1  
                                      .
                                      .
                                      .
装備品(効果発動中)
        神の呪輪
        竜の呪輪
        悪魔の呪輪
        覇王の呪輪 
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となっていた。確かにこれなら、一般人と同じくらいだし変に思われないだろう。
しかし、実際のステータスはこんな感じだ。

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名前 覇神魔王 竜鬼     LV.100 
 HP 350000/350000 
SP 1000000/1000000

加護 (なし)称号 異世界人 元神々の頂
                                  鬼神王に近付きし者 
                                  神 竜 王 魔を従えし者
種族 半神人(始創終焉神)(鬼神)
(聖剣魔神)new!
職業(究極魔神竜王 二刀流)

攻撃力  800000
防御力  200000
俊敏性  1億 
魔法耐性 300000
攻撃耐性 300000

使用可能魔法  光ー純白 聖魔法     闇ー暗黒 影魔法   武技ー闘神 鬼神   雷ーイカズチ  炎ープロミネンス   風ーエウロス  
神 new!   竜 new! 帝王 new! 天魔 new!  

スキル 
  ユニークスキル 
                  創造  LV.6 
                  破壊  LV.6 

アルティメットスキル   
                  神魔術 LV.1 new!
                      神威開放 new!
                  竜魔法 LV.1 new!
                      龍威開放 new!
                  天魔呪 LV.1 new!
                      魔威開放 new!
                  王魔導 LV.1 new!
                      王威開放 new!  
      
  固有スキル             
                  神眼   LV.15 new!     
                  武剣王 LV.14 new! 
                  覇剣魔技 LV.4 new!                   
                  鬼王記召喚 LV.1 new!
                  敵喰い LV.1        
                  究極神王降臨 LV.1 

エンシェントスキル
                  スペースストレージ new!

  ノーマルスキル 
                   純白魔法 LV.3 
                   暗黒魔法 LV.3
                   影帝魔法 LV.1 new!
                   聖帝魔法 LV.1 new!                
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新しい魔法が幾つもあるので、どういう物かゼータに尋ねてみた。

「アルティメットスキルの8つは我々の力を扱う物です。
種族の「聖剣魔神」は私の能力、
エンシェントスキルの「スペースストレージ」はサーガの能力、
「影帝 聖帝魔法」はフロンティアの能力、
最後の固有スキル「鬼王記召喚」はアルバロスの能力です。ちなみにこれは、召喚魔法の基本的な事ですが、鬼種族の頂点であるアルバロスを従えていることで、その眷属達を召喚出来る物です。が、一度納得させた者または、屈服させた者しか召喚に応じませんのでご考慮下さい。」

分かりやすい説明ご苦労。いきなりチートになりすぎたが隠せば大丈夫だろう。
すると、クランとシオンも起きてきて当然人が増えたことに驚いていたが、

「カクカクシカジカ」
,,,ということで一緒に行っていいかい?」

「なるほど。分かりました、これから宜しくお願いします!」

「頼れそうな人達ね。私も賛成よ。」

「彼等は旅人で、鬼共との戦闘を手助けしてくれた。レザリウス光国に向かっている途中なんだ。」という嘘っぱちの説明をすると、催眠の効果が効いてる様で普通に納得してもらえた。そのまま朝御飯を食べた後、クランとシオンに先導されてレザリウス光国に向けて出発した。

「ここからレザリウス光国まではどのくらいなんだい?」

「今日の夕暮れまでには着ける距離ですよ。」

そのまま、和気あいあいと進んでいると、魔物の群れに遭遇した。俺はすぐさま「神眼」を発動し群れを率いている角を生やした赤黒い狼を見てみた。

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名前 黒牙狼(ブラックウルフファング)     LV.25
 HP 10000/10000  SP 28000/28000
加護 (人狼神)称号 大いなる狼牙
                        【グランド・ウルフファング】

 種族 牙狼(黒帝)

攻撃力 9000  
防御力 7500 
俊敏性 30000 
魔法耐性 4000
攻撃耐性 8000 

スキル 

ユニークスキル 
                  黒狼威嚇(麻痺 毒 混乱)
                  炎氷牙砕(火傷 凍傷 脆弱)   
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レベル的にはステータス封印状態の俺より低いが、レベルに不釣り合いなその俊敏性は侮れない。そこで、ステータス封印時の自身の力がどれ程のものなのか気になった俺は黒牙狼との一騎討ちをすることにした。クランやゼータ達にはその他の約50体ほどの魔物の相手を任せ、戦闘を始めた。

「頼むベルク!」

(任された!)

俺は、ベルクに今しがた刀を造って貰って狼と対峙した。出来た物は至ってシンプルな鋼の刀だが実は、
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装備品
 名称 カムイ(進化前)
 ランク 遺物  分類 ベルクの剣
 説明  ベルクが造り出した、何の変哲も能力    
 もない。至ってシンプルな刀。 
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という、今の俺にピッタリな刀だ。
それを構えた瞬間、黒狼がその俊敏性を武器に首元に炎と氷の牙を突き付けてきた。しかし、何とか刀で受け流し、お返しに袈裟斬りを御見舞いした。だが負けじと黒狼はその立派な二本の角でカムイを受け止めた。その瞬間俺は刀に魔力を纏わせ切れ味を上げ、そのまま切り伏せようとした。それに勘づいたのか、黒狼は角を大きく振り上げカムイを突き飛ばし、一気に後退した。それを見た俺は、コイツをペットにすることに決めた。

「(この強さに勘の良さ、絶対ペットにしてやる!)」

少しリミッターを解除して、新魔法の「王威開放」を発動し一気に溢れ出したオーラを黒狼に浴びせた。黒狼は耐えようとしたが犬の様にお腹を見せて「クゥ~ン」と鳴きだした。そのまま俺は闇属性の眷属化を発動し、黒狼をペットにした。


「よしっ!これから宜しくな、ブルク。」

「わん!」

(可愛い奴だ)

俺の声に反応して従順な態度を見せたブルクと名付けた黒牙狼は尻尾を振りながらお座りをした。
他の魔物を討伐していた、クラン達は見事な連携で魔物を翻弄しながら、圧倒した。クランの魔法が魔物の行く手を遮り、シオンの弓で攻撃を牽制した所を、ゼータの剣が飛翔し魔物を切り裂き、アルバロスの魔法が魔物の血液を蒸発させ、サーガとフロンティアの魔法が魔物を消し炭に変えた。
無事に戻ってきたクランとシオンはブルクを見るなり可愛がりだした。つがなく満足したのか、ホクホク顔の二人は、真剣な表情になり相談していた。

「やっぱり、最近魔物の強さも数も急激に高まっているね。」

「ええ。早急に国に報告しましょ。」

俺達が強かったから圧勝出来たが、本当だったらBランク冒険者10人で苦戦する程らしい。前まではDランク冒険者2、3人で余裕だったらしいが1ヶ月ほど前、空が光り白と黒の塊が降ってきてから魔物が強くなってきたらしい。見た人が言うには、体の一部に見えたらしい。預言者は「神王様の身に厄災が降りかかったのじゃ!!」と言っていたが、ほとんどの人間は信じていないらしい。

「(あれ?それ俺が原因じゃね?)」

(そうだと思われます。竜鬼さんがお亡くなりになられたのは約1ヶ月前ですので。)

答えてくれたのはラナで声に焦燥を孕んでいた。と言うことは、俺が分けた力の一部を魔物が喰らったことで強くなったのか?
それから、直ぐにその場を離れ国へ向かった。

急いだおかげか、着いたのはまだ陽が傾き始めたところだった。この国の勇者であるクランとシオンにより門前でのチェックを素通り出来た俺達はそのままレザリウス光国国王に今回の報告を行いにいった。(クランとシオンの無事を見て溢れる人々から抜け出すのが凄く大変だった。)
レザリウス城に着いた俺は余りに速い流れに頭が少々追い付いていないが今、俺達は国王の前に跪き、事件の終始を詳細に語った。国王は神妙な顔で話を聞き、亡くなった兵士を弔うように目を瞑っていたが、クランとシオンが無事帰還出来たことには胸を撫で下ろしていた。

「して、後ろの者達が勇者殿達を救ってくれた方々か?」

豪華な椅子に座り、荘厳なオーラを放つ、茶髪で髭を生やした目力の強い目の前の男、
「ベノム リーサル ガブリエル」はその椅子から腰を上げ俺の前に座り込み感謝の意を伝えた。

「改めて感謝するぞ。異界より参られし救世主殿と旅人の方々よ。確か名は竜鬼殿だったか?後で我が王室に招待したいのだがよろしいか?」

まさか、頭を下げられるとは。俺達は頷き王室へと案内された。

「改めてありがとう、竜鬼君。君がいなければクランとシオンは死んでいただろう。そう思うと恐ろしくて、身震いしてしまうよ。」

先程とは打って変わってラフな雰囲気で話してきた。

「国王?その口調は?」

「いや、私は元々平民育ちの冒険者で、こっちの口調が合っているんだよ。まぁ、大した程ではないがね。だから、君達も敬語は無用だよ?」

「そうだったんですか。」

冒険者と聞いて気になった俺はベノムのステータスを見てみた。

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名前 ベノム リーサル ガブリエル  LV.58
 HP 120000/120000   SP 30000/30000 
加護 (剣神王)称号 ガブリエルの血継ぎし者
                               (エデンの園の)統治者 
                                  剣王呼ばれし者
                                  
 種族 人間(真理の天使) 職業 国王 
                                       (元SSランク冒険者)

攻撃力  89000
防御力  30000
俊敏性  28000
魔法耐性 6900
攻撃耐性 75000

使用可能魔法 水  神 武技

スキル 

ユニークスキル
           ジブリール LV.9                    
           剣の舞王 LV.13    
   
  固有スキル             
                   覇剣技  LV.17
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何だこの肉体派国王は?!国王より冒険者の方が似合っているだろ!そう思うほどに彼は強かった。ステータス封印状態の俺では、到底勝てないだろう。

「それで竜鬼君、何か望みの物はあるかい?せめてものお礼として何か贈りたいのだ。」

「ん~。なら、この世界の魔物に関するトップシークレットの情報を教えてほしい。」

「そんなもので本当にいいのかい?!ふっはっはっ!君は不思議な人だね?気に入った!これから宜しく、竜鬼君!」

「あぁ、こちらこそ!」

固い握手を交わした俺とベノムは、友人という関係でこれからの世に定着させるらしい。具体的には敬語不要、何かあったときは国が後ろ盾になってくれるということらしい。
ちなみに、彼ノ力強カッタ。今モ手、ジンジンスル。

それから俺はベノムとクランとシオンの再開を後にして冒険者組合に行くことにした。なんとクランとシオンの剣の師はベノムだった。剣王から剣を教われるとか、そりゃ強くなるよな。城からでると、活気溢れる町が広がっていた。国民が全員笑っている。これもベノムの努力の成果なのだろう。より一層ベノムへの信頼を高め俺はゼータ達と冒険者組合に行く、前にアテネ、ラナ、ベルクを人化させた。冒険者登録をするなら、三人も登録しておきたいからだ。しかし、このメンバーなら、世界最強確定じゃなかろうか?そんなことを考えながら巨大な欧米風の白い三階建ての建物に入った。
重たい扉を開けると、そこには、主に厳ついゴロツキのような冒険者が山ほどいた。入ってきた俺達を値踏みするようにジロジロと見ると、俺達男には目もくれず、アテネとラナの容姿に釘付けになっていた。その中からかなりのイケメンな金髪剣士が出てきて、アテネとラナに話しかけてきた。

「やぁ、お嬢さんがた。どうだい?そいつらなんて止めて俺とパーティー組まない?俺はリオン。Sランク冒険者さ。今なら手取り足取り色々教えて上げるからさ?」

下卑た視線でリオンと名乗る男は二人の体を舐め回すように見ながら提案してきた。

「御断り致します。」

「失礼ながら私もです。」

「なッ!?この俺が直々に提案してやってるのに、その男の何がいいんだ!そうだっ!おい、お前決闘しろ!」

一番前に居た俺に指を指して物凄い剣幕で睨んできた。(人に指を指してはいけないよ?)などと呑気な事を考えていると周りの人々がコソコソ話し出した。

「おいおいギルド[隻腕の王(ワンアームド キング)]速剣のリオンが決闘だってよ!こりゃ見物だぜ!」

どうやら彼は有名ギルドの人物らしい。

「俺に勝てたら大人しく引いてやるよ。まぁ、お前みたいな男に負けるわけないがな。待ってろよ!夜が楽しみだz、ッ!!?」

「あぁ、悪い。何だって?」

流石に我慢出来なくてつい、顔の横を掠める手前に手を出してしまった。騒いでいたギャラリーは一気に静まり返り「おい、今のなんだよ?」「見えなかったぞ?」などと驚いている。リオンもその顔に驚愕を浮かべたと思えば、怒りの表情に変わり、投げ捨てるように出ていった。

「日時は明日の12時丁度、場所は闘技場だ。逃げるんじゃねぇぞ!!ぶっ殺してやる!!」

いかにも小物らしい捨てゼリフ。俺は今までのことが無かったかのように冒険者登録に行った。

「この8人の登録をお願いします。」

「わっ、分かりました。それでは、この板に触れて下さい。」

唖然として見ていた組合の職員の女性から、そういって差し出された板に アテネ ラナ ベルク フロンティア アルバロス サーガ ゼータ が触れた。見ると全員が触れた板が直視出来ない程の、組合内を包む溢れんばかりの輝きで白金色に光だした。するとこの組合にいる全ての者が鼓膜を破壊する勢いの絶叫をした。

『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!!』

「こ、これはっ?!こんなの、見たことありません?!」

「あの、これは何なんですか?」

「これは、触れた者の加護の強さを測る者です。ですが、この神々しい色も光の強さも見たことがありません。つまり、皆様の加護は一番上の神王様に近い、強い神 竜 帝王 天魔の加護だと思われます。」

その声は震えていた。加護って俺の「始創終焉神の加護」のことだろう。確かに俺は神の頂点だったし、この板の効果は本物のようだ。

「で、では、最後の方どうぞ。」

そう言われた俺は板に触れてみた。しかし、先程と打って変わって光らなかった。これには、先程以上の驚きの声が谺した。だから鼓膜破れちゃうって。

『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!!!!!!』

「そんなっ?!本当にこんなことが?!!一体全体どうしたら?!!!」

「あっ、あのぉ、どうしたんですか?」

何となく予想出来たが一応聞いてみた。

「あ、あ、あの、この世界に生まれし者は全て、神 竜 帝王 天魔からの加護を授かるのはご存知ですね?!で、ですがっ!貴方にはその加護が無いんです。こんなの初めてでどうすれば!?そ、そうだ!組合長を呼んできます!お待ち下さい!!」

そう言うや否や猛スピードで組合長なる者を呼びに行った。周りの冒険者は驚きはしたが、嘲笑や侮蔑の言葉を吐き出している。「なんであの程度の奴が、あんな方々と共に?」「俺の方が絶対強いのに。」などと。
気にしないでいると(俺だけだが)それから直ぐに組合長の自室に案内された。俺達は沢山の書類と武器に囲まれた二階の大きな部屋に通された。部屋の奥には水色の右目、左目に切り傷がついていて、左腕が義手の青年が立っていた。
彼はペトラ メルマガ ゼルウァス(28歳)
自身も冒険者を続けており、魔法剣士である前向きな青年だ。また、鍛冶屋として冒険者の武器を揃えている。GXランクで、更なる強さを望んでいる。そして、彼を知っている理由は俺が神界で見ていた人間の1人だからだ。

「待っていましたよ。竜鬼様。それに神王様の加護を授かりし方々。ようこそ!」

そう言うとペトラは俺達をソファに座らすと話を始めた。今この部屋には、俺達とペトラ以外誰もいない。

「それにしても、竜鬼様?貴方は確かに加護はありませんが、私でも相手になりませんよね?貴方のオーラが物語っていますよ?」

彼は笑顔で、こちらを見つめるとその瞳から覇気が放たれた。周りにいた俺以外のゼータ達はそのプレッシャーに呼吸が出来なくなった。俺は、彼の性格を知っているので信頼してその力を少し開放した。
「パリンッ 」とガラスが割れたような音が鳴り、覇気を相殺した。

「素晴らしい!圧倒的な力を持ちながら調整出来るとは。本当の強者はその圧倒的な力を振りかざす者でなく、その圧倒的な力を操れる者ですよ。神王様?」

「やはり、俺の事を知っていたのか?」

「勿論です。今の私のGXランクがあるのも神王様が与えてくれた力のお陰ですから。何となく気づけるのですよ。」

そう言うと彼の方からステータスを公開してくれた。
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名前 ペトラ メルマガ ゼルウァス  LV.458
HP 967000/967000  
SP 785000/785000 
加護(始創終焉神) 称号 始創終焉技の使い手
                                              無属性魔剣士    
神称 栄光の鍛冶屋
      【グロリアス・ブラックスミス】   
                                    
種族 人間   職業 冒険者組合長 魔法剣士 
                             鍛冶屋

攻撃力  67960000
防御力  18460000
俊敏性  5874000
魔法耐性 398400
攻撃耐性 3827900 

使用可能魔法  無 武技

スキル 

エンシェントスキル
                  無斬多技 LV.20
                  無操剣     LV.20
  ユニークスキル  
                  武具生みの神見習い
               (ウェポン アプレンテェス)LV.14
                  無操剣の踊り手
               (アポレーション ソードダンサー)
                                                                    LV.13                         
                  
  固有スキル             
          始創終焉神の覇気 開放 LV.15
          始創終焉神看破の瞳 LV.限界突破!?
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力を封印中のゼータ達では、あの覇気に敵わない程の強さを持った彼は「始創終焉」の使い手となっていた。そして自らは神称成る高次元の称号を得て神見習いとして武具神になろうとしていた。
彼は俺達の冒険者登録を、組合長の権限を持ってBランクからのスタートとなった。それから冒険者の説明を始めた。
冒険者のランクは最高峰まで約15ランクあるらしい。下の方からF<E<D<C<B<A<S<SS<SSS<X(エクストリーム)
<LX(レジェンド エクストリーム)
<GX(ゴッド エクストリーム)
<UX(アンリミテッド エクストリーム)
<IX(インフィニティ エクストリーム)
<UZ(アルティメット ゼェン )
と並ぶ。X以上は次元が違うらしく、強い神達からの加護が無ければ到底なれないのは勿論、天性の才能と努力が無いと絶対不可能とまで言われているランクらしい。数千年前まで神々が多く存在していたためにX以上のランクの冒険者が多かったが、神々が去り始めてからめっきり見なくなったらしい。
その他にはギルドなる物があり、Cランク以上の冒険者を1人入れれば創設出来るらしい。有名ギルドになれば組合からの直々の依頼や守護税という、守るための資金を投資してもらえるらしい。
あとは、ギルド間での戦争は「基本的にはっ!」禁止、冒険者同士のトラブルは口争いや素手の場合組合は関与しないが、武器や魔法の使用等をする場合は組合が立会人となり、二人の了承が取れた場合に闘技場での決闘となる。闘技場の魔法障壁により、相手の攻撃は精神的苦痛にしかならず、気絶すなわち戦闘不能になれば勝者の命令を一つ聞く魔法を掛けられる。ただし、敗者が死ぬ又は死に関係する命令は受け付けないらしい。
良く出来ているものだな、素直にそう思った俺はリオンとの決闘を思い出した。

「そういや明日、リオンって奴と決闘する事になったんだけど?、、、」

「あぁ~、彼ですかぁ?彼は初心者狩りを行う難有りの男なんですが、実際彼はSSランクなだけあって強いんですよ?まぁ、竜鬼様なら楽勝でしょうが。」

落胆したような声でリオンの事を話すペトラ。リオンの事を知らないが組合の決まりで相手の戦い方を教えるのはご法度らしいから、詳しくは聞けないという。

「初めてのPvPでギルド[隻腕の王]最速の剣士リオンが相手とは、竜鬼様にはいい経験になると思いますよ?」

そして、俺達は組合を後にし、今日泊まる宿に向かった。



「竜鬼様ですね?それでは、二人部屋を5つで、三食付きの一週間ですね。お代は貰っていますので、ごゆっくり。」

どういうことだろう?不思議に思いつつも答えが出てこず、取り敢えず部屋に向かうことにした。すると部屋の前にはクランとシオンが立っていた。

「あっ!!来ましたね?!竜鬼さん!ちゃんと説明して貰いますよ!」

「待ってたんだから!洗いざらい話してもらうわよ!!」

「んっ?魔力切れてる?!」

ステータスを見ると魔力が0になっていた。
(何故だ?もう少しは持つはずだろ!,,,
  あ~!!封印忘れてた!!)

どうやら封印された魔力を使い果たし催眠が切れてしまったらしい。

「観念するしかないか。じゃあ部屋でゆっくり話そう。」

そういって部屋に入ると内装はあっさりした、しかしどこか懐かしさを思い出させる部屋だった。部屋の中では、4つの椅子にラナ、アテネ、クラン、シオンの女子が座り、男は壁に寄り掛かっているという状況だ。

「ふぅ~。じゃあ、信じてくれるか分からないけど話そうか?」

「四属性の頂点を眷属にしている奴の話なんて、早々驚かないし、今既に信じられない状況なわけだし信じるわよ。」

「私もこれ以上は驚きませんので話してください。」

彼女達は、「まさかこれ以上驚く事なんてないでしょう?」とでも言いたげに冷静に言ってきた。だから、俺は1つも隠さずに全てを話した。俺が最古より変わらない神王であること、反逆した神々に殺されたらこの世界に転移したこと、俺の力は何百万分の一しか無いから恐れる事は無いこと。ラナとベルクは俺の武器ということ。…などなど。
すると、今の話を初めて聞いた、クラン、シオンは勿論、ゼータ達一同も絶句していた。

「そ、そんな,,驚きすぎて何が何やら、頭が回りません。」

「う、そ、、信じられない!,,,いや、さっき信じるって言ったものね。」

「そうだ、ったので、すか?神界から姿が消えた理由は神虐帝の誤爆のせいではなかったのですね!!」

「おい、ゼータ!今のどういうことだ!?」

「は、はい。実は竜鬼様が死んだ理由を終兜は、神虐帝の不明な爆発によるものだと、仰っていたんです。それからは終兜を中心に神界を滞りなく回しています。」

どうやら神界のほうでは、あくまで、終兜達は一緒に視察に行っていた設定なのか。にしても終兜はちゃんと神界を管理出来てるようで何よりだ。

「ち、ちょっと待ってよ!?竜鬼はそれでいいの?悔しかったり、恨んでいないの?!」

「俺は、配下の神々が反逆してくれるのを、待っていたんだ。確かに殺されたけど、俺にとっては喜ばしいことなんだ。だから、これからの俺はただの人間として、この世界を満喫するだけさ。勿論、邪魔な奴や仲間を傷つけた奴は倒すまでだ!」

最後にはここにいる全員を守るという、暗示も含まれている。とにかく、俺の役目は終わったのだ。新時代を生きる者へのバトンタッチ。俺は俺らしくこの世界で生きていければ満足だから。

「あ、そうそう。明日俺、リオンって奴と決闘するから。」

「「えぇぇぇぇぇっ!!!」」

クランとシオンが大声を上げてきた。

「リオンさんってあの、[隻腕の王]速剣のリオンさんですよね?!危ないですよ!竜鬼さんは知らないと思いますけど、彼は圧倒的スピードと多彩な攻撃方法で相手を痛め付けるのが好きな男なんです!速く決闘を取り止めないと!!」

「おいおい、俺の事知らないだろ?やる前から諦めちゃ面白くないよ?」

「だからぁ!アンタは負け戦をするようなものなのよ!分かってる?!アンタが負けた時のアイツの要件は厳しい物になるのよ!そん、なの、そ、そんなの認めないわよ!!」

どうやら彼女達は心配してくれているようだ。それ程までに彼は強いのだろうか?ますます戦ってみたくなった。

「二人とも、俺の力が何百万分の一しかないからって舐めすぎじゃない?大丈夫だよ。そう易々と負けないから。」

その一言で納得してくれたのか、まだ言いたいことは有るようだったが認めてくれた。その後は部屋振りをした結果、
[俺&ゼータ][シオン&クラン][ベルク&フロンティア][アテネ&ラナ][アルバロス&サーガ]の5組に分かれた。俺が巻き込まれるイベントの光はまだ始まったばかりだ。
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暗い城の大広間の前に膝まずく二人の影があった。二人は超級神の魔骨死神&侵封奪神。
魔骨死神は呪術と死の神王で大鎌を背負っている、近接魔術師である。身体は一切の肉が無い鋼鐵(こうてつ)の骨で出来ており、その上から漆黒のローブを着ている。大量の魔族を使役でき、冷酷なサイコパスで「儚き命を苦痛に染め上げてから殺すのが趣味」という理解不能な理由により死神の力を奪われてから、竜鬼を恨んでいた。という神である。
魔王帝神は全ての魔に関する法を使いこなし、圧倒的な破壊力を誇る戦闘狂。魔と災いの神王で黒の軍服に身を包んでいる。八咫鋼の力を隠し持っているという噂があったがその危険な力と竜鬼に一撃でヤラれた悔しさを抱えている、キレイな顔立ちな美青年。黒髪で金色と黒色のオッドアイで片目を隠しているが、中二病だからである。自身の強さを認めてくれた終兜に加担している。という神である。
彼は目の前の豪華な玉座に腰かける影を纏ったかのような、、嫌、影そのものとなり、実体が在るのか分からない幻影のような男にある報告を行っていた。

「それで骸(むくろ)?竜鬼の生存の噂は?」

ドス黒い声で男は聞いてきた。それに対し、魔骨死神の壊茨 骸 (かいばら むくろ)は静かに答えた。
「ハイ。竜鬼ハ、[ハヤマシ郷][ヒヌメユハクヤ]ソシテ、[ラビルヘイム]ト言ウ世界ノドレカニ存在シテイル可能性弱トノコトデシタ。如何イタシマスカ、終兜様?」

「可能性が0.1%でもある世界はす・べ・て消去せよ。バレないようにな。」

その無慈悲で驚愕な言葉にサイコパスの骸も背筋に氷柱をねじ込まれているかのような感覚に陥った。その間に隣の魔王帝神である魔滅罵 咫鵺(まほろば しや )が派手な動きで名乗りを挙げた。

「ならばぁ!その使命、私めがおこないまょう!必ずやご期待に沿ってみせますともぉ!」

右手を胸の前に当て、脚を揃え、もはや軍人というよりは、チャラい執事みたいな咫鵺。そして、「キラッ!、シャキッ!」という擬音でも鳴りそうな、最早見事ともいえる所作で、その強い忠誠をアピールして見せた。

「嫌、人間界に降りるのも、人間と関わった部下と接触するのも、あまり好ましくないのでね?邪神を生み出し送り込んでおくと良い。竜鬼の愛する人間共を蹂躙してから竜鬼を痛め殺すのだよ。あぁ、彼が手も足も出ず己の弱さを噛み締めながら死んで行くなんて、素晴らしい!」

醜悪な笑顔で口元を歪めて、不気味に嗤う終兜の瞳は虚ろでただ一点、竜鬼の存在を完全抹消する事のみにあった。
竜鬼に忍び寄る暗き怨念の影はまだ始まったばかりだ。

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