人殺しなのに飼われるだなんてありえない!

小豆しおん

第7話

翌日の街は、悲しみに包まれていた。
「だいぶ派手にやられてんな…自衛団は何やってたんだ?」
「人狼に人間が敵うと思ったのか?」
「そりゃあそうだが…」
目の前を棺が通る。泣きじゃくる子供と、気丈に振る舞う父親の姿。
「………………」
何かソリッドにも思うことがあるのだろう。お互いに黙りこくってしまう。

「すみません、迷子の子供がいたんですけど…」
長い時間親を探したが、見つかりそうにない。僕達は自衛団に預けることにした。
「迷子ですか?…行方不明の届けは出てないし、もしかしたら昨日…」
「一応見つけたのは昨日の騒ぎの前なんです」
「そうですか。それではこちらで探してみます」
子供を預けようとする、が…。
「おい、離れろって」
「うー………」
何故か子供はソリッドに懐いていた。
「ほら、お前の親は俺じゃねーだろ」
出来る限り優しく語りかける彼の姿は、何となく面白い。
「困りましたね…」
「無理やり引き剥がすのも可哀相だし、ここで僕達も待たせてもらってもいいですか?」
「それは構いませんが…」
そんなやり取りをしていた時である。

「坊っちゃま!!」
女性の叫び声。振り向くと、恰幅の良い女性が立っていた。
「あぁ、こんな所にいらしたのですね…!」
フラフラとこちらに近寄る女性。
「ずっと探し続けておりました…」
女性は僕の前に立つ。そして、
「やっと見つけました、ナーシュ御坊ちゃま…」
僕の名前を呼んだ。

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