人殺しなのに飼われるだなんてありえない!

小豆しおん

第3話

「どうしてこうなった…??」

目覚めてから1週間が経った。僕は、人狼であり命の恩人(?)でありご主人様(!?)であるソリッドを追いかけ、森をまた彷徨っていた。
「全く…獲物を見つけたと思ったらすぐに駆け出して行くんだから…」
今は森で野生の動物を狩っている最中だ。僕たちの食物となるから、結構真剣にやっていたんだけど…

「ソリッドの奴…本当にどこに行ったんだ??」
見事に、迷子になってしまった。
草木が生い茂ったこの森は、僕が思っていた以上に広くて、暗い。1人でウロウロするには不向きである。
ソリッドは流石人狼と言うべきか、匂いを辿って家まで帰り着くらしい。生憎、僕にはそんな嗅覚はない。
「参ったな…」
しっかりと手入れした銃を持ち、森を歩く。そんな時、ガサリと草むらが揺れる。
「…………」
僕はその場にしゃがみ込み、狙いを定める。随分と大きそうな獲物だ…。
「…………………」
銃を握りしめ、そして…

「待て待て待て!撃つな!!」

草むらから立ち上がったのは、ソリッドだった。
「全く…驚かせやがって…」
「急に走って行かないことだね。僕が迷子になるところだったよ」
「偉そうに言えることじゃねーだろ…」
銃をホルダーに戻して、立ち上がる。僕より背の高い彼は、野生のウサギを持っていた。
「ほら、今日はこいつで鍋だ!」
「………臭くない?」
「バカヤロウ、俺が作るんだから美味いに決まってんだろ?」
ニヤリ、と笑うソリッド。
「ほら、帰るぞ下僕」
彼は僕を下僕と呼ぶ。しかし僕の身の回りの世話を甲斐甲斐しく焼くんだからよく分からない。
「何ボサッとしてんだ。襲われるぞ?」
「ごめんごめん、今行くよ」
ソリッドの後をついて歩く。何だかんだ言って、ソリッドの作るご飯は美味しい。今日の鍋も楽しみだ。

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