野生でもお嬢様は育ちますか?
白い悪魔
身体がふわふわする。此処は何処でしょう?今までに来たことのない場所。上も下もなく、横もない不思議な空間。辛うじて解るのは、この場所が限りなく白いという事だけ。いや、もう一つだけ何かがある。これは、ヒト?
「やぁやぁ、やっとお目覚めかい?よく眠っていたね。あぁ違うか。この場合、良く死んでいたねと言うべきだね!」
この方は何を言っているのでしょうか?
私は先程、家を出て……商店街を抜けて……
「うんうん」
商店街を抜けた先の横断歩道……女の子が走っていて……赤信号なのに……
「お?おぉん?」
そしてトラックが……頭が……ゴチャゴチャします。
「ゴチャゴチャじゃなくてグチャグチャだったけどね!そう!君は、赤信号で飛び出した女の子を助けるために自分も飛び出したんだよー!ほっんと素晴らしいね!僕はその死に様を見た時にさ、このご時世どんな高潔な魂の持ち主なんだよ!って思ったくらいだよ。」
私が死んだ?まだ清華院家に何も貢献していないのに?お父様に親孝行もできずに?頭の中がまたグルグル周り始めました。
「そうそう!君は何も成さずに死んでしまったんだよ!ご両親に親孝行?モチロン出来ている訳がないよねっ!ははは、実に面白いね!親孝行どころか親不孝だもんね~!」
親不孝……そうですね……親より先に死んでしまうなんて親不孝以外の何物でもないです。私は親不孝を働いてしまいました。お父様はお母様を亡くして私までも失くされてしまったのですね。悔しい、悲しい、こんなはずではなかったのに。
「ふぅ~ん、君ってば心しかないのに泣けるんだね!しかも、自分のことより他人のことばかり考えてさ~。実に不愉快だなぁ。」
先程から、あなたはどうしてそんな酷いことを仰るのですか!それにあなたはどこの誰なのですか!
「え~だってそれ、偽善ぽくない?あ、ちなみに僕は神様かな?いや、悪魔かもっ!あぁ~でもどっちでもいいやっ!つまるところの全知全能ってやつなわけよ~!でねっ!君のそれって偽善だよ絶対♪」
なっ!?違います!そんなことは断じて有りえません!清華院家に生まれたものは弱き者を助け悪を挫くの精神でも……
「アーアー。そういうのはいいから~!君のそれって結局、私たちはこういうもの~ってところから来てるんだって~!高潔な魂が聞いて呆れるねっ!偽善で塗り固めたベタベタな魂だよ~!寒気すらする。」
今まで楽観的に喋っていた声のトーンが急に下がったことに私は心底恐怖してしまいました。その後から言葉を出すことが出来ません。
「さて、お遊びはこれくらいにして、本題に入ろうかねぇ。先ずは、君って死んだじゃん?でね、此処のルールで生前沢山の徳を積んだ人たちをもう一度生き返らせちゃおう♪ってものがるんだけど……」
あ、あのっ!それってまた生き返れるってことでしょうかっ!
藁にも縋る思いでした。また、お父様に会える。この出来事を、死んでしまったことをナシにして、また昭恵さんや曽根さんと笑い合えると。
「ちっ。うるさいなぁ。まぁ、そういうことなんだけどねぇ。なんか面白くないんだよね!だからさっ!君には別の世界で新たに生を与えてやり直してもらおうと思いまーす♪」
えっ……それは、私は元の、お父様のもとには戻れないということでしょうか!声を荒らげずにはいられなかった。どうして……
「だよ~♪君を見ていたらイラッとしちゃってさ!でね、普通に今のまま転生させても面白くないから、そうだねぇ、外見と才能はそのままで境遇を最悪にまで落とそうか!具体的に言うと君に両親は不在で、転生するときに神から与えられるギフトは無しっ!あ、まって両親いないのに赤子のまま放り出すとすぐ餓死しちゃうか~。それは面白くないね!う~ん、なら4歳くらいから始めようか!普通に歩けるよ!やったね☆」
この神様とやらは、何を言っているのでしょうか?私が嫌いだから?私の言動にイラッとしたから?人の人生で遊んでいる?解らない。なんでこんなに楽しそうに話しているのかが解らない。ただ確実に言えることは……「歪んでいる」
「ひっどいなー笑 神様捕まえて歪んでいるだなんて!こちとら全知全能だよ?クヒヒ」
なんで、最後の蜘蛛の糸ですら掴むことが許されない。この悪魔のような存在に……頼るしかないのに……私には選択の余地が無いのが解る。この悪魔がこうだといえば確実にそうなるのだ。それが解ってしまうから悔しい。
「神様ってね、君が善だと思えば善になるし悪だと思えば悪にもなるんだよ♪最初のやり取りで君は僕を悪だと判断してしまったのかもしれないね!さぁ、そろそろ時間だよ!お気をつけていってらっしゃいませ。お嬢様♪」
「やぁやぁ、やっとお目覚めかい?よく眠っていたね。あぁ違うか。この場合、良く死んでいたねと言うべきだね!」
この方は何を言っているのでしょうか?
私は先程、家を出て……商店街を抜けて……
「うんうん」
商店街を抜けた先の横断歩道……女の子が走っていて……赤信号なのに……
「お?おぉん?」
そしてトラックが……頭が……ゴチャゴチャします。
「ゴチャゴチャじゃなくてグチャグチャだったけどね!そう!君は、赤信号で飛び出した女の子を助けるために自分も飛び出したんだよー!ほっんと素晴らしいね!僕はその死に様を見た時にさ、このご時世どんな高潔な魂の持ち主なんだよ!って思ったくらいだよ。」
私が死んだ?まだ清華院家に何も貢献していないのに?お父様に親孝行もできずに?頭の中がまたグルグル周り始めました。
「そうそう!君は何も成さずに死んでしまったんだよ!ご両親に親孝行?モチロン出来ている訳がないよねっ!ははは、実に面白いね!親孝行どころか親不孝だもんね~!」
親不孝……そうですね……親より先に死んでしまうなんて親不孝以外の何物でもないです。私は親不孝を働いてしまいました。お父様はお母様を亡くして私までも失くされてしまったのですね。悔しい、悲しい、こんなはずではなかったのに。
「ふぅ~ん、君ってば心しかないのに泣けるんだね!しかも、自分のことより他人のことばかり考えてさ~。実に不愉快だなぁ。」
先程から、あなたはどうしてそんな酷いことを仰るのですか!それにあなたはどこの誰なのですか!
「え~だってそれ、偽善ぽくない?あ、ちなみに僕は神様かな?いや、悪魔かもっ!あぁ~でもどっちでもいいやっ!つまるところの全知全能ってやつなわけよ~!でねっ!君のそれって偽善だよ絶対♪」
なっ!?違います!そんなことは断じて有りえません!清華院家に生まれたものは弱き者を助け悪を挫くの精神でも……
「アーアー。そういうのはいいから~!君のそれって結局、私たちはこういうもの~ってところから来てるんだって~!高潔な魂が聞いて呆れるねっ!偽善で塗り固めたベタベタな魂だよ~!寒気すらする。」
今まで楽観的に喋っていた声のトーンが急に下がったことに私は心底恐怖してしまいました。その後から言葉を出すことが出来ません。
「さて、お遊びはこれくらいにして、本題に入ろうかねぇ。先ずは、君って死んだじゃん?でね、此処のルールで生前沢山の徳を積んだ人たちをもう一度生き返らせちゃおう♪ってものがるんだけど……」
あ、あのっ!それってまた生き返れるってことでしょうかっ!
藁にも縋る思いでした。また、お父様に会える。この出来事を、死んでしまったことをナシにして、また昭恵さんや曽根さんと笑い合えると。
「ちっ。うるさいなぁ。まぁ、そういうことなんだけどねぇ。なんか面白くないんだよね!だからさっ!君には別の世界で新たに生を与えてやり直してもらおうと思いまーす♪」
えっ……それは、私は元の、お父様のもとには戻れないということでしょうか!声を荒らげずにはいられなかった。どうして……
「だよ~♪君を見ていたらイラッとしちゃってさ!でね、普通に今のまま転生させても面白くないから、そうだねぇ、外見と才能はそのままで境遇を最悪にまで落とそうか!具体的に言うと君に両親は不在で、転生するときに神から与えられるギフトは無しっ!あ、まって両親いないのに赤子のまま放り出すとすぐ餓死しちゃうか~。それは面白くないね!う~ん、なら4歳くらいから始めようか!普通に歩けるよ!やったね☆」
この神様とやらは、何を言っているのでしょうか?私が嫌いだから?私の言動にイラッとしたから?人の人生で遊んでいる?解らない。なんでこんなに楽しそうに話しているのかが解らない。ただ確実に言えることは……「歪んでいる」
「ひっどいなー笑 神様捕まえて歪んでいるだなんて!こちとら全知全能だよ?クヒヒ」
なんで、最後の蜘蛛の糸ですら掴むことが許されない。この悪魔のような存在に……頼るしかないのに……私には選択の余地が無いのが解る。この悪魔がこうだといえば確実にそうなるのだ。それが解ってしまうから悔しい。
「神様ってね、君が善だと思えば善になるし悪だと思えば悪にもなるんだよ♪最初のやり取りで君は僕を悪だと判断してしまったのかもしれないね!さぁ、そろそろ時間だよ!お気をつけていってらっしゃいませ。お嬢様♪」
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