ヒーロー・メダル
作戦実行
「これより南方に現れた亜人種の討伐作戦を実行する!皆の者、出陣!」
威勢の良い声が上がる。
「おおおおおお!!!」
それに呼応するかのように更に威勢の良い雄叫びが響き渡る。
隊員には降伏する者には危害を加えるなと話し合いの後伝えておいた。
隊は暫くの間馬を走らせる。
馬にも人の気持ちが伝わっているのかやや興奮気味だが、特に問題無く目的地まで辿り着く。
「総員配置に着け!一秒も集中を途切れさせるなよ!」
「おう!」
その時だった。
何の意図も無しに小鬼が数匹出てきたのだ。
その姿は肌は汚れた緑色に小さな体、小さな木の棒を棍棒代わりに持っている。
恐らくは野郎共の雄叫びに気付いた軍勢が出してきたのだろう、とジーナスは読む。
その読みは見事に当たり、出てきた小鬼が消えたと思うと多くの小鬼や大鬼が現れた。
何故不利な状況にも関わらず飛び出して来た理由は、彼等は知能が著しく低く、突撃するしか考えが働かなかったからだろう。
「こちらから行かなくとも現れるとは愚かな。しかし、こちらも任務なのでな。手加減はせぬぞ。」
ほぼ役目を奪われたマムトが呟く。
しかし、逃げられては厄介なので戦技〈挑発〉を発動させる。
〈挑発〉とは名前の通り敵を挑発し、おびき寄せる戦技だ。
〈挑発〉を発動させた瞬間、亜人種の軍勢が 重装騎士隊に向かって突撃する。
「今だ!やれ!」
掛け声と共に弓兵隊と魔導士隊が一斉に攻撃を仕掛ける。
矢による攻撃は勿論のこと、魔導士は〈火弾〉や〈下級電撃〉などの5級魔導士が扱える物や、4級クラスが扱う〈電撃〉や〈水晶礫〉等魔法を発動させる。
その攻撃を防げず谷間には
「ウゴアアアア!!」
「キイヤアアアア!!」
といった叫び声がこだまする。
そうして十数分程で攻撃は終了した。
残った小鬼や大鬼は50匹にいくかいかないか程であった。
多くの魔法や矢によって元の景色から遠く離れた谷底にバルカン率いる戦士隊が現れる。
現れるや否や亜人種の軍勢に降伏を呼び掛ける。
「おい!リーダーはどいつだ!・・・、あいつだな!」
バルカンは一番奥にいた小鬼の3倍程ある大鬼よりさらに2倍はある、肌は真っ赤で荒削りではあるが、大きな棍棒を持った大鬼の王を指差す。
「そうだ。俺がリーダーだ。素直に降伏する・・・と言いたい所だが、一つ俺から提案だ。」
バルカンよりも野太い声が谷間にこだまする。
「ほう、で、何だ!?」
「そちらから一人代表を出し、俺と戦う。そして勝ったら降伏し、負けたらこれ以上の攻撃をやめる。その方がこいつらも納得いくだろうからな。」
大鬼の王は周囲にいる小鬼や大鬼を見渡して言う。
「なるほど!ならば乗った!良いだろ!?勇者さんよ!」
「おう、勿論だ!」
それを眺めていたネルラは馬鹿だ、と思いつつも黙って見ている事にした。
その数分後、声が上がった。
「じゃあ俺が出る!」
立候補したのはアルスだった。
「何!?ここは俺の番だろ!」
と、反対するバルカンだったが、あることを悟ったのかその数秒後には了承した。
村を出てから二度目になる戦闘を目前に、アルスは恐怖するどころかわくわくさえしていた。
威勢の良い声が上がる。
「おおおおおお!!!」
それに呼応するかのように更に威勢の良い雄叫びが響き渡る。
隊員には降伏する者には危害を加えるなと話し合いの後伝えておいた。
隊は暫くの間馬を走らせる。
馬にも人の気持ちが伝わっているのかやや興奮気味だが、特に問題無く目的地まで辿り着く。
「総員配置に着け!一秒も集中を途切れさせるなよ!」
「おう!」
その時だった。
何の意図も無しに小鬼が数匹出てきたのだ。
その姿は肌は汚れた緑色に小さな体、小さな木の棒を棍棒代わりに持っている。
恐らくは野郎共の雄叫びに気付いた軍勢が出してきたのだろう、とジーナスは読む。
その読みは見事に当たり、出てきた小鬼が消えたと思うと多くの小鬼や大鬼が現れた。
何故不利な状況にも関わらず飛び出して来た理由は、彼等は知能が著しく低く、突撃するしか考えが働かなかったからだろう。
「こちらから行かなくとも現れるとは愚かな。しかし、こちらも任務なのでな。手加減はせぬぞ。」
ほぼ役目を奪われたマムトが呟く。
しかし、逃げられては厄介なので戦技〈挑発〉を発動させる。
〈挑発〉とは名前の通り敵を挑発し、おびき寄せる戦技だ。
〈挑発〉を発動させた瞬間、亜人種の軍勢が 重装騎士隊に向かって突撃する。
「今だ!やれ!」
掛け声と共に弓兵隊と魔導士隊が一斉に攻撃を仕掛ける。
矢による攻撃は勿論のこと、魔導士は〈火弾〉や〈下級電撃〉などの5級魔導士が扱える物や、4級クラスが扱う〈電撃〉や〈水晶礫〉等魔法を発動させる。
その攻撃を防げず谷間には
「ウゴアアアア!!」
「キイヤアアアア!!」
といった叫び声がこだまする。
そうして十数分程で攻撃は終了した。
残った小鬼や大鬼は50匹にいくかいかないか程であった。
多くの魔法や矢によって元の景色から遠く離れた谷底にバルカン率いる戦士隊が現れる。
現れるや否や亜人種の軍勢に降伏を呼び掛ける。
「おい!リーダーはどいつだ!・・・、あいつだな!」
バルカンは一番奥にいた小鬼の3倍程ある大鬼よりさらに2倍はある、肌は真っ赤で荒削りではあるが、大きな棍棒を持った大鬼の王を指差す。
「そうだ。俺がリーダーだ。素直に降伏する・・・と言いたい所だが、一つ俺から提案だ。」
バルカンよりも野太い声が谷間にこだまする。
「ほう、で、何だ!?」
「そちらから一人代表を出し、俺と戦う。そして勝ったら降伏し、負けたらこれ以上の攻撃をやめる。その方がこいつらも納得いくだろうからな。」
大鬼の王は周囲にいる小鬼や大鬼を見渡して言う。
「なるほど!ならば乗った!良いだろ!?勇者さんよ!」
「おう、勿論だ!」
それを眺めていたネルラは馬鹿だ、と思いつつも黙って見ている事にした。
その数分後、声が上がった。
「じゃあ俺が出る!」
立候補したのはアルスだった。
「何!?ここは俺の番だろ!」
と、反対するバルカンだったが、あることを悟ったのかその数秒後には了承した。
村を出てから二度目になる戦闘を目前に、アルスは恐怖するどころかわくわくさえしていた。
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コメント
佐藤次郎
ご愛読ありがとうございます。こんにちは、筆者です。
亜人種編が終わったら投稿ペースを下げる予定です。3日に一回投稿できたらと思っておりますので、ご了承の程よろしくお願いします。
それでは。