日本守護神戦記
第参拾弐話 恨ミ申ス
エア合衆国のとある屋敷。
青年は涙を流しながら軍人である父親の遺体が収められている棺桶の前に膝を付く。
青年の名はアレックス・スミス。
亡くなった父親の名前はジョン・スミス。階級は大尉。
母親は父親の戦死の通達が来た翌日になくっており、アレックスは一人だけになった屋敷を見渡しこれが孤独かと拳を握る。
父親は先の戦争で東洋のジャンヌ・ダルクに討たれたとアレックスは聞いていた。エア合衆国は男女平等ではなく男尊女卑なので、父親が女性に討たれたと広まった刹那、父親は村の英雄から情けないと貶され、アレックスは悔しい思いをしていた。
「ブラウン小佐…」
「アレックス君。君の父親、ジョン・スミス大尉はとても立派な人だった。
結局は中隊が全滅してしまったがジョン・スミス大尉は本当に国の為に尽くしてくれた。」
「そう言って頂けるだけありがたいです。それで…東洋のジャンヌ・ダルクという異名を持つ女性はどういう人なんですか?」
「まさか復讐を考えているのなら辞めておけ!あれは日本の鬼神よりも遥かに危険人物だ!」
「…復讐など考えてはいません。ただ父を討った軍人の事を気になっただけです。」
なら良いが…そう言うブラウン小佐にアレックスは苦笑いしながら「僕はただの農家ですから復讐など到底無理です」と答える。
だがそんな言葉とは裏腹にアレックスの心の中は復讐をという文字ばかりが浮かぶ。「よくも僕の父を…!」「絶対に復讐してやる!!」と、もはや東洋のジャンヌ・ダルクへの恨みが溜まるばかり。
「そうだなぁ…彼女はジャパンの愛国者だと思う。アジアではとてつもなく人気だし何より美しく聡明で何よりも守ってあげたくなる女性だと思うな。
敵国だが彼女の持つ武士道にも引かれるし、知ってるか?意外と彼女はヨーロッパでも人気で映画化する気満々な監督もいるらしいぞ」
「ブラウン小佐は彼女とお会いしたことが?」
「あるぞ。あれは俺が大尉の頃の話だ。」
ブラウン小佐が大尉の頃に起こったドゥスペル海戦でエア合衆国が敗北し敗走と途中で生存の限界に達した所を東洋のジャンヌ・ダルクに発見され、その時にブラウン小佐は日本人は非情だと思っていた為、撃たれる!と死を覚悟した。
しかし彼女は我々を発見するなり直ぐ様、彼女が当時率いていた月読部隊の仲間に救助活動中の国際信号旗を掲げて更には丁重な処遇を施したのである。
「今思えばあれは武士道の情けなのかもしれないな…しかしあの時はまさに聖女に見えたんだぞ!」笑いながらそう語るブラウン小佐にあれはそうなんですかと考え込む。
敵にも味方にも愛される軍人なのかもしれないが、僕にはたった一人の家族を殺した殺人兵器にしか見えない。いつか絶対に復讐してやると再度誓った。
青年は涙を流しながら軍人である父親の遺体が収められている棺桶の前に膝を付く。
青年の名はアレックス・スミス。
亡くなった父親の名前はジョン・スミス。階級は大尉。
母親は父親の戦死の通達が来た翌日になくっており、アレックスは一人だけになった屋敷を見渡しこれが孤独かと拳を握る。
父親は先の戦争で東洋のジャンヌ・ダルクに討たれたとアレックスは聞いていた。エア合衆国は男女平等ではなく男尊女卑なので、父親が女性に討たれたと広まった刹那、父親は村の英雄から情けないと貶され、アレックスは悔しい思いをしていた。
「ブラウン小佐…」
「アレックス君。君の父親、ジョン・スミス大尉はとても立派な人だった。
結局は中隊が全滅してしまったがジョン・スミス大尉は本当に国の為に尽くしてくれた。」
「そう言って頂けるだけありがたいです。それで…東洋のジャンヌ・ダルクという異名を持つ女性はどういう人なんですか?」
「まさか復讐を考えているのなら辞めておけ!あれは日本の鬼神よりも遥かに危険人物だ!」
「…復讐など考えてはいません。ただ父を討った軍人の事を気になっただけです。」
なら良いが…そう言うブラウン小佐にアレックスは苦笑いしながら「僕はただの農家ですから復讐など到底無理です」と答える。
だがそんな言葉とは裏腹にアレックスの心の中は復讐をという文字ばかりが浮かぶ。「よくも僕の父を…!」「絶対に復讐してやる!!」と、もはや東洋のジャンヌ・ダルクへの恨みが溜まるばかり。
「そうだなぁ…彼女はジャパンの愛国者だと思う。アジアではとてつもなく人気だし何より美しく聡明で何よりも守ってあげたくなる女性だと思うな。
敵国だが彼女の持つ武士道にも引かれるし、知ってるか?意外と彼女はヨーロッパでも人気で映画化する気満々な監督もいるらしいぞ」
「ブラウン小佐は彼女とお会いしたことが?」
「あるぞ。あれは俺が大尉の頃の話だ。」
ブラウン小佐が大尉の頃に起こったドゥスペル海戦でエア合衆国が敗北し敗走と途中で生存の限界に達した所を東洋のジャンヌ・ダルクに発見され、その時にブラウン小佐は日本人は非情だと思っていた為、撃たれる!と死を覚悟した。
しかし彼女は我々を発見するなり直ぐ様、彼女が当時率いていた月読部隊の仲間に救助活動中の国際信号旗を掲げて更には丁重な処遇を施したのである。
「今思えばあれは武士道の情けなのかもしれないな…しかしあの時はまさに聖女に見えたんだぞ!」笑いながらそう語るブラウン小佐にあれはそうなんですかと考え込む。
敵にも味方にも愛される軍人なのかもしれないが、僕にはたった一人の家族を殺した殺人兵器にしか見えない。いつか絶対に復讐してやると再度誓った。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
0
-
-
52
-
-
1359
-
-
6
-
-
93
-
-
4503
-
-
159
-
-
4
-
-
221
コメント