日本守護神戦記

土御門桜

第拾仇話 ドゥスペル海戦争勃発 前編

「これより作戦会議を開始する!」

















急に荒川大将に呼び出されたと思えばドゥスペル海戦についての作戦会議であった。手元にある書類を見てみるとそれはかぐやが提案した作戦と全く同じ。










やはりこの戦争はミッドウェー海戦に似ているがあの戦争は日本の敗北で終了。ミッドウェー海戦での敗因は情報戦の大敗、心の緩み・航空戦様相の事前研究に訓練の不足、長官が出撃し居場所を隠すため無線に制限が入り作戦指導に支障を生じたこと、航空決戦の指導の誤りに戦艦主兵思想の転換の不十分があったため。











つまりミッドウェー海戦は日本人が生んだ技術に日本が負けた戦いだったのだ。














「この作戦は橋本司令長官殿がお考えになったのですか?」








「いえ、私ではなく荒川大将の隣にいる彼女が考えたのです。田中少佐殿」









「素晴らしい作戦だ。」














田中少佐はかぐやに対して「素晴らしい頭脳を持っている。荒川大将が羨ましいですな。」と言う。











「中院准士官殿はどういうお考えを?」






「はい。お手元の資料通りなのですが…」






「どうした?」











荒川大将は言いにくそうなかぐやに聞いた。









劣勢な日本皇国海軍がエア合衆国海軍に対して、優位な位置を築くには多少の危険をおかしたとしても奇襲による自主的、積極的な作戦を行い更に攻勢を維持し敵軍を守戦に追い込み戦意を喪失させるというのは良い。









しかし先程の言った通りミッドウェー海戦での敗因は…。






情報戦の大敗




心の緩み





航空戦様相の事前研究に訓練の不足





長官が出撃し居場所を隠すため無線に制限が入り作戦指導に支障を生じたこと





航空決戦の指導の誤り










戦艦主兵思想の転換の不十分があったため。







主にこの6つだ。

















「いえ何でも御座いません。


この作戦、我々月読部隊にも参加させて下さい!」







「流石日本守護神。気合いが十分だ。」







「我々はどんな過酷な状態でも必ず日本皇国に勝利をもたらしましょう。」
















と、これが約一時間前の出来事。







現在月読部隊はドゥスペル海を飛行中、部員の中には緊張感が漂いどうも居心地が悪い。












「全くこんなんじゃいざ戦闘開始になった時に緊張で動けなくなるぞ」








「…しかし中院准士官殿!」









「中院准士官殿はこの戦いは大規模な戦争になるとおっしゃられました。…しかし俺が思うにこの戦争は我々の敗北で終わると考えます」








「何故?」












僭越ながら申し上げますと日本皇国軍は先の戦争で数多な功績を残している為か気の緩みに情報不足がありどうも…と真田伍長は言葉を濁すが悪くない。








ミッドウェー海戦でもそれが原因で敗北したのだ。真田伍長は本当に頭が良い、本当に自分の部下か疑うくらい。








すると遠くから爆発音が響く。どうやら日本皇国軍がエア合衆国軍ドゥスペル基地を爆破に成功したらしいな。

















ドゥスペル基地を攻撃した第一次攻撃隊より『第二次攻撃ノ要アリ』との報告がありエア合衆国海軍は近くにいないと判断、第二次攻撃を決定。







佐藤 南雲さとうなぐも司令長官は待機中である日本軍航空機の装備を艦艇攻撃用から地上攻撃用に転換するのを命じた。







しかし『敵ラシキモノ10隻見ユ』『敵ハ其ノ後方ニ母艦ラシキモノ一隻ヲ伴フ』と報告が届いた。












「……………?」







「中院准士官殿!猿飛伍長が撃墜しても良いですか?とお聞きになっています!」







「…そうだな。

司令部は恐らく大きなジレンマに直面し敵を殲滅しろと我々に命じるであろう。


だがその前に我々が敵を殲滅しても構わぬな。」











どうせ奴等は地獄に落ちるしな。











「月読部隊ハ敵機動部隊ヲ捕捉撃滅セントス」





『了解。武運ヲ祈ル。』











さて戦争の始まりだ。

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