俺の異世界体験法~自分で作った人工異世界で無双します

デコポッジスペシャル

7章 「希望という名の光なんてものは嘘だ」

 時は、1日と4時間前のこと、私たち3人が汰稀を探しながらクエストを進めているときのことだった。いきなり、体が青く光り、視界がぶれて瞬きをしてしまった。そして瞼が上がり周りを見渡すと、始まりの街の時計塔広に転移していた。だが、転移したのは私だけでなく、他のふたりはもちろんだけど多分、今ログインしているプレイヤー全員がここに来ていて大混雑していた。中にはすぐに広場から出ようとした者もいたが見えない壁のようなものが張り巡らされていて出ることは出来ないらしい。そして、時計塔の時計の長針が動き、短針と重なり、天を向き地の垂直を指した時、空の色が時計の針がありえない速度で回り時計の針が再び重なり天をついたときこの世界の空は闇に染まり、大きな三日月とたくさんの星が撒き散らされ、世界が真夜中に変わっていた。広場にいる全員が圧倒された。さっきまで「おい一体何が起きたんだ」「なんだよクソっ」と騒いでいた人たちも今はただ口をあんぐりと開け間抜けな顔をしている。その時、
 「Ladies&gentlemen今夜のSHOWは楽しんで頂けましたかな。なんて俺の正確に合わねーなー。」
 と高い声を荒らげ、この広場中の視線を集めた男とは両手足首に足枷を付け、全身を包帯でグルグル巻にしているあの男である。
 「いやーね、うちのボスがどうせならかっこよく登場しろたの何だのと煩くてね、仕方なくこんな似合わないことしたわけですよはい。」
 とひとりでグチグチと文句を言い続けているあいつに遂に質問した奴が現れた。まぁそれは私からしたら驚くことではなかったのだが広場中、視線はひとりの男冬弥に向けられた。
 「お前は一体何者なんだ?このゲームの制作会社の一員なのか?」
 「あん、そんな事どーだっていいだろ。だがこの雰囲気の中で俺に質問するその度胸に免じて答えてやる。」
 「答えは、NOだ。俺はこのゲームの侵入者の一員で俺たちの目的はデスゲームをセッティングすることだ。そして今、この時、デスゲームの最終セットが終わった。そして今度は俺が、俺達が楽しむ番なんだよ絶望と悲鳴の協奏曲コンチェルトで彩られる殺戮SHOWをな。」
 「なん…だと。そんなことして一体なんのつもりなんだ!」
 「バカバカしい一体どういう事だ。」「ふざけたことを言うな」などと、また広場が騒がしくなり、一人は超えを荒らげて怒りを口にし、一人は顔面蒼白になりながら状況を掴めずただ立ち尽くし、またある一人は泣きながら近くの友達と疼くまっている。
 「Shut Up!!静かにしろ。話は終わっていねーんだよ勝手に喋るな。」
 「俺たちの目的はデスゲームをセッティングすることだが、それはゲームクリアに必死にもがき、苦しみ、悩み、壊れ、悔しそうに死ぬのが見たいので会って、街から出ずにうずくまるやつなんて見たくねーんだよ。だからチャンス希望をやる。」
 と言い、男は手を少し上げ振り下ろしたその時、空から大量のナイフが落ちてきた。まるで雨のように光に照らされて、輝きながら落ちてきた。だがダメージを受けることはなくそのまま、地面一面に散らばっている。
 「これで一体何をしろと言うんだ。」
 「カンタンだ、自殺しろ。自分で無理なら殺してもらえ。今、この瞬間だけ死んでも生きてリアルに戻ることが出来るように設定してある。」
 「本当なのか、絶対死なないと言いきれるのか?」
 「さぁな、だがこの時を逃せば次は無いぞ。ただそれだけだ。コレは希望の光慈悲なんだよ。自分で決めろ。」
 本当なのかはわからないだが、私たち3人は汰稀を見つけ出すためにここに来た。だからこんな所で諦めなんていない自殺なんてしない
 だが、少し待て、何かがおかしい。一体何がおかしいんだ。いや、しかし何かがおかしい。そして、
 「待って、死んじゃダメー」
 私は叫んだ。そうしなくてはいけない。気づいた人が止めなくては。あいつの狙いはこれだったんだって…。だが、遅かったここにいるプレイヤーの7割が自殺していた。そして、あの男やつの狙い通りこの広場で壮大な協奏曲絶望と悲鳴は奏でられた。

コメント

  • デコポッジスペシャル

    ほんとうにありがとうございます。書いていて中々楽しい回でしたがそう言ってもらえるとほんとに嬉しいです。

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