俺の異世界体験法~自分で作った人工異世界で無双します

デコポッジスペシャル

3章 「非存在からスタートする異世界生活」

 「は?ここは一体どこなんだ。」
 いや、落ち着けそうだ深呼吸しよう…って俺にはまだ?体が無いんだ!でも意識があるってことは死んでないのか?それとも死後の世界なのか?左右も前後も上下すらわからないこの空間は一体なんなんだ。と全く頭が回らず状況が理解できない現在ひとつ分かることは自我がちゃんと俺に残っているということただ一つだ。
「そうだ、こんな感じのラノベなら…」
 とある思いつきを試してみると、頭の中に自分のアバター制作ができそうな画面が表れた。
 「やっぱり、こういうのは自分で思い浮かべると出てくるものなんだな、どうせならっと…」
 自分の顔や身長、武器の種類、服装などが選べるので俺は身長175cm、顔はもちろん黒髪のイケメンで武器は片手直剣、そして服装は黒革の艶のあるロングコートに黒のインナー、そして黒の長ズボンに赤のマフラー、スキルを選べたので片手直剣の二刀流を選び大満足なのだった。
「うわー、自由度高っ!!こんなゲームにしてたっけ?残りひと月で作り直したのかなマジ乙だわ。」と思いながら頭の中で他に出来ること探っていたら、アビリティーが作れたので取り敢えず、テレポートとステータスアップと神速を選び、
 「いざ、俺の求めた異世界へ!」とログインボタンを探すのだが全く見つからず、スタートボタンを探しても見つからず、クソゲーかよ!と思ったその時、視界が激しく揺れ、動悸が激しくなり息が苦しくなりまた、意識を失った。(アバター制作に伴い体が誕生していたことに今気づいた。)

目を開けるとそこは、俺が夢に見ていた異世界であり目の前には広大に広がった現実ではありえないほどの美しさが、まるで神秘の集合体のようだ。
 「うわーうわーうわー、ほんとに来ちゃったよヤバいまじパネー…」
 などと冷静になってみると39のおっさんが口にするような言葉じゃないのだが今は高校生ぐらいの姿だし別にいいよな、と自己完結し、この世界の街を訪れようと手に入れたばかりのスキル「テレポート」を使って見たところ、なんてこった自分の視界に入っているところが限界のようだ。一瞬、「マジか」と思ったが、ビュンビュンの縦横無尽に移動する感覚はめちゃくちゃ楽しい♪次に「神速」を使ってみたところこれもまた、ありえない速度で体が動くが俺の動体視力が追いつかず崖に激突、痛くはな、くない!というかめっちゃ痛いしHPが激減した。というか俺この世界で死んだらマジで死ぬんじゃねと思ってしまい体が震えた。よしこのスキルは封印だな…。HPは少しづつだが回復しているのだが俺のLvは1らしいのでモンスターにすぐ殺されそうということに今気づいた。
 「さて、最後はステータスアップを使うだけと」このアイコンを押すと、体が虹色に光りだした!そして少し跳ねるだけでさっきぶつかった崖を軽々と超え、この世界を見渡せるのではと思えてしまうほどに高く高く跳び上がったまでは良かったのだが、急に身体能力アップの虹色の光が消え、体は空中浮遊する訳もなく自由落下状態である。
 「あれ、これ落ちたら死ぬんじゃね?」と不吉な予感がしたのだがこれは間違いなく起こりうる事実であった。泣きたい。マジで嫌だ。せっかくここまで上手くいったのに最後はまさかの自滅とか絶対嫌だー!と「神さま仏さま神さま仏さま…」と祈り続けているとある異変に気づいた。体は確かに自由落下しているがあまりにも遅すぎる。普通なら「あれ、これ落ちたら…」当たりで落ちて死んでいるはずなのにまだ落下しているとなると一体どういう事なのか全くわからない。リアルでは意外と頭のよかった俺でもこの状況を把握することは出来ないが頭の中にピンコーンと音がしたので探ってみると「上空3万メートル突破、称号宇宙の番長カルロヴォランテ 、アビリティ空中浮遊会得。」
 「ウォーーーラッチキー」と舌をかんでしまったが頭を最大限に使ってアビリティ空中浮遊をセットし、使用。自由落下が止まり、何とかひと安心したところで、何と俺の頭にはマップ機能もあったらしく本当に便利だなと感心しながら最初の街「テルネバ」を目指すことにした。

 

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