人間不信様のハーレム世界
白炎の騎士
曜炎は愉快痛快の思いで彼らを嘲笑ったが、今一つという感じで何かが引っかかる。
目の前にいるこの男が原因だ。こんな状況であるにも関わらず、ただ黙って曜炎を見つめてくる。
「なぜ、俺が裏切ったことに驚かん」
「お前は何も分かってないな俺のこと。お前なんて誰が信じるかよ。これくらい予想の範囲内だ。驚く理由がないな」
「なるほど。全て理解した上で俺を利用したというのか。この煌炎を倒すために。だがこうしてしまえばお前の思惑は潰れる」
後ろにある白い塊に近づいて、黒い足を振り上げてそのまま降ろしてそれを壊そうとしたが、足は地面を蹴っただけに終わった。
「俺は用意周到なんでね。既に対策済みだ」
後ろを向いた曜炎の目には悠斗が白い玉を手に取っている姿があった。
「一体何をした?」
「これで引き寄せただけだ」
悠斗は左手にはめている指輪を見せた。そこからは一本の赤い糸が垂れていて、白い塊に繋がっている。
戦いの最中にレイナに頼んで仕入れた絆リングを煌炎にはめていおいたのだ。
「ば、馬鹿な! なんで餓鬼がそんな代物を」
お面の奥の目が震えているのが、悠斗からでも分かる。長生きしてるだけあって絆リングの事を知っているようだ。
「なんだ知ってんのか。説明しなくて済みそうでよかったぜ」
なんせ貰い物だから詳しいことまでは知らない。ただこれのおかげでここまで来れたとしか言えない。
「くっ、それで勝った気になるなよ」
取り戻した翼を広げて空に舞う。
大聖堂が見えるまで飛んだからそこで曜炎は止まって、剣を街の方向へ突き出した。
「こうなったら、まず邪魔が出ないように街を焼き払っておくか」
あの男は仲間がいると言っていた。ならば必ず助けに来るだろう。それはとても困る。彼一人でも厄介なのにこれ以上増え欲しくない。
今、一番安全なのは街。だからそこに仲間を置いていると確信して、黒い炎の玉を剣先から放った。
「待ってたっすよ〜〜〜〜!」
だが黒い炎を遮る一匹と一人。両者が同時に火を吐き、それが合わさって街への攻撃を防いだ。
「オイオイ、何処狙ってんだよ。俺はここだぜ。街なんて攻撃してどうすんだよ」
煌炎の成れの果てを掲げて挑発する悠斗。
「既に手は打ってあったか。ならば先に貴様から消すしかないようだ」
覚悟を決めた曜炎は体中から黒炎を吹き出して戦闘準備する。
「この炎は対象のものを全て壊す炎だ。細胞も残らないように消してやるよ」
滑空して悠斗へ襲いかかる。
しかし、そのタイミングを見計らって悠斗は煌炎とコネクトをして白く輝いた。
「お前の炎が破壊の炎なら、俺の……いや、俺達の炎は断罪の炎だ」
曜炎の剣撃は形を変えた悠斗の剣に受け止められていた。剣の腹には刻印があり、横幅が大剣と刀の間ぐらいになっている。
これで防御できる面積が減ったが、それは悠斗の技術で補われている。
そしてもちろん悠斗の姿も変わっていた。白い服に靴。それに所々に黄色が混ざっている。
「二度と見たくはなかったな。その指輪は」
封印される前のことを思い出す。
あの時も同じ指輪をはめた男がコネクトをして、力を増大させてきた。 
「どうした。翼生えただけじゃ力でねえか」
重ねた刃を前に押して曜炎を跳ね除けた。
堪らず曜炎は空へと逃げる。
「封印が一部だけとはいえ、解かれたというのにこんな男一人に手こずってしまうとは」
「どうした、どうしたーー。長年寝てたせいで戦い方忘れたのか?何なら俺が教えてやってもいいぜ」
剣で挑発する悠斗。
だが、それに乗るほど曜炎は馬鹿ではない。
「ふん、偉そうなことを言ってお前は空を飛べないだろうが。そんな奴、怖くもなんともない。塀の奥で吠えてる犬同然」
さらに上昇してから頭上から襲う。この時の衝撃はスピードで何倍にも増している。
「けっ!」
それを剣であしらって攻撃に転じようとしたが、すぐさま空へ逃げる曜炎には一撃も入れられなかった。
「分かったか。これが俺とお前との差だ。空を飛べるか飛べないかは大きな違いなんだよ。ここからだとお前、蟻に見えるぜ。ひゃっはっは!」
自慢気に高笑いする曜炎を睨みながら悠斗は唇を噛み締めた。
ホグアとコネクトをすれば飛ぶことは可能なのだがそれだと街の守りが薄くなってしまう。
それにどうしても曜炎は煌炎とコネクトした状態で勝ちたい。これは悠斗の意地であり、煌炎の為だ。
二人……というよりこの二匹には因縁があるようだ。それは絆リングの赤い糸を通じて伝わってくる。
「笑ってられるのも今の内だぞ曜炎。そこから叩き落として、今度は俺がお前を見下ろしてやる」
お互い、炎を激しく燃やして打って出る。
目の前にいるこの男が原因だ。こんな状況であるにも関わらず、ただ黙って曜炎を見つめてくる。
「なぜ、俺が裏切ったことに驚かん」
「お前は何も分かってないな俺のこと。お前なんて誰が信じるかよ。これくらい予想の範囲内だ。驚く理由がないな」
「なるほど。全て理解した上で俺を利用したというのか。この煌炎を倒すために。だがこうしてしまえばお前の思惑は潰れる」
後ろにある白い塊に近づいて、黒い足を振り上げてそのまま降ろしてそれを壊そうとしたが、足は地面を蹴っただけに終わった。
「俺は用意周到なんでね。既に対策済みだ」
後ろを向いた曜炎の目には悠斗が白い玉を手に取っている姿があった。
「一体何をした?」
「これで引き寄せただけだ」
悠斗は左手にはめている指輪を見せた。そこからは一本の赤い糸が垂れていて、白い塊に繋がっている。
戦いの最中にレイナに頼んで仕入れた絆リングを煌炎にはめていおいたのだ。
「ば、馬鹿な! なんで餓鬼がそんな代物を」
お面の奥の目が震えているのが、悠斗からでも分かる。長生きしてるだけあって絆リングの事を知っているようだ。
「なんだ知ってんのか。説明しなくて済みそうでよかったぜ」
なんせ貰い物だから詳しいことまでは知らない。ただこれのおかげでここまで来れたとしか言えない。
「くっ、それで勝った気になるなよ」
取り戻した翼を広げて空に舞う。
大聖堂が見えるまで飛んだからそこで曜炎は止まって、剣を街の方向へ突き出した。
「こうなったら、まず邪魔が出ないように街を焼き払っておくか」
あの男は仲間がいると言っていた。ならば必ず助けに来るだろう。それはとても困る。彼一人でも厄介なのにこれ以上増え欲しくない。
今、一番安全なのは街。だからそこに仲間を置いていると確信して、黒い炎の玉を剣先から放った。
「待ってたっすよ〜〜〜〜!」
だが黒い炎を遮る一匹と一人。両者が同時に火を吐き、それが合わさって街への攻撃を防いだ。
「オイオイ、何処狙ってんだよ。俺はここだぜ。街なんて攻撃してどうすんだよ」
煌炎の成れの果てを掲げて挑発する悠斗。
「既に手は打ってあったか。ならば先に貴様から消すしかないようだ」
覚悟を決めた曜炎は体中から黒炎を吹き出して戦闘準備する。
「この炎は対象のものを全て壊す炎だ。細胞も残らないように消してやるよ」
滑空して悠斗へ襲いかかる。
しかし、そのタイミングを見計らって悠斗は煌炎とコネクトをして白く輝いた。
「お前の炎が破壊の炎なら、俺の……いや、俺達の炎は断罪の炎だ」
曜炎の剣撃は形を変えた悠斗の剣に受け止められていた。剣の腹には刻印があり、横幅が大剣と刀の間ぐらいになっている。
これで防御できる面積が減ったが、それは悠斗の技術で補われている。
そしてもちろん悠斗の姿も変わっていた。白い服に靴。それに所々に黄色が混ざっている。
「二度と見たくはなかったな。その指輪は」
封印される前のことを思い出す。
あの時も同じ指輪をはめた男がコネクトをして、力を増大させてきた。 
「どうした。翼生えただけじゃ力でねえか」
重ねた刃を前に押して曜炎を跳ね除けた。
堪らず曜炎は空へと逃げる。
「封印が一部だけとはいえ、解かれたというのにこんな男一人に手こずってしまうとは」
「どうした、どうしたーー。長年寝てたせいで戦い方忘れたのか?何なら俺が教えてやってもいいぜ」
剣で挑発する悠斗。
だが、それに乗るほど曜炎は馬鹿ではない。
「ふん、偉そうなことを言ってお前は空を飛べないだろうが。そんな奴、怖くもなんともない。塀の奥で吠えてる犬同然」
さらに上昇してから頭上から襲う。この時の衝撃はスピードで何倍にも増している。
「けっ!」
それを剣であしらって攻撃に転じようとしたが、すぐさま空へ逃げる曜炎には一撃も入れられなかった。
「分かったか。これが俺とお前との差だ。空を飛べるか飛べないかは大きな違いなんだよ。ここからだとお前、蟻に見えるぜ。ひゃっはっは!」
自慢気に高笑いする曜炎を睨みながら悠斗は唇を噛み締めた。
ホグアとコネクトをすれば飛ぶことは可能なのだがそれだと街の守りが薄くなってしまう。
それにどうしても曜炎は煌炎とコネクトした状態で勝ちたい。これは悠斗の意地であり、煌炎の為だ。
二人……というよりこの二匹には因縁があるようだ。それは絆リングの赤い糸を通じて伝わってくる。
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