人間不信様のハーレム世界
年寄りたち
「止めなくていいんすか?」
大婆は出て行く悠斗をただ見つめるだけで止めはしなかった。
「いいんじゃ、いいんじゃ。あの若造からはあの勇者様と似た感じがする。だが少々危なかしいからついてやってはくれぬか?」
「はいっす。喜んでやるっすよ〜」
ホグアは跳ねるように悠斗たちを追った。
「気をつけるんじゃよ」
元気で明るく飛びたして行くその後ろ姿にそっと大婆は囁いた。
「というわけで大婆の言いつけで悠斗のサポートをするこになったっす」
三人の前で敬礼する。
「そうか、じゃあドラゴンがいる洞窟に案内してくれ。できれば中も案内してほしいんだが」
「はいっす。どこまでも案内するっすよ」
「ですが大丈夫なのでしょうか」 
ホグアの明るさとは逆にレイナは心配のようだ。
「ドラゴンといえば有名な上級モンスターです。まだこの世界に慣れていない悠斗様に倒せるでしょうか」
痛いところをつかれてしまった。
以前、グラドビとリラーノのコンビに苦戦しトリーに助けてもらわねばやられていた時があった。
ゲームの時ならこんなことはなかっであろう。
やはり現実で戦うとなると体がついていけないことがある。
レイナはそんな悠斗が心配なのだ。
「大丈夫だ。俺がやるのは討伐じゃなくて撃退だ。それならみんなで力を合わせればどうにかなるだろ」
「それなら良いのですが……」
まだ心配なのか言葉が濁る。
「まさか主を疑っているのではないだろうな」
腰に手を当ててアリアは威嚇するようにレイナに詰め寄る。
「いえ、そうわけではありませんが……私は悠斗様を失いたくなんです」
「いや俺の代わりなんていくらでもいるだろ」
ただこの世界の神を決める審査の第一段階のネットゲームで一位をとった引きこもりニートに過ぎない。
昔は社長として働いていたのにこの様だ。
「そんなことありません。悠斗様は優しくてこんな私でも受け入れてくれました。このご恩は一生忘れません」
それでも彼女は……いや、彼女だけではない。アリアもホグアも自分を頼りにしてくれる。
こんな世界が愛しくて、こんな人間ではない彼女たちが愛しくてたまらない。
「ありがとなレイナ。でも俺はドラゴンを退治するぜ。安心しろ死にはしないさ」
「そうですか……その約束、絶対に守ってくださいね」
「ああ、もちろんだ」
まっすぐ目を見て話してやると、レイナはホッとため息をした。
「わかりました。私は悠斗様を信じます」
「じゃあ、洞窟に行くっすよ〜」
“信じる”そう言った時のレイナはほっこりと笑っていた気がした。
本当に人間であるかのように。
「ここがドラゴンがいる洞窟っす」
入り口からしてアリアがいた洞窟よりも大きい感じだ。食糧庫と言っていたのでそうでないと困るのだが。
「じゃあ入るか」
何の迷いもなく歩みを進める。
中は乾燥していて周りの岩とかもかさついていてなぜか熱い。これはドラゴンがいる影響なのだろうか。
「あっちすね」
案内されるがままに洞窟を進んで行くと大きく開いたところに出た。
「ニンゲンか……」 
そこにいたのは巨悪なドラゴンではなく、年老いたドラゴンだった。
やはりキングゴブラのような上級モンスターなので話せるようだが、キングゴブラと違うのはこちらの方が人間のようにスムーズなところだ。
年の功というやつだろうか。
「お前か、この食糧庫を根城にしてるドラゴンは。ホグアたちが困ってんだどいてくれないか?」
考えが変わった。こんな年老いたドラゴンなら殺すのが可哀想だ。話し合いで解決しようと思った。
それなら誰も傷つかなくて済む。
「残念だがニンゲン、わしはここから離れられないじゃよ。わしは住処から追い出された老いぼれじゃからの〜」
流暢な言葉で、ゆっくりとした言葉で断れた。
「追い出された? 一体誰に」
「さぁのぉ〜、全く見たことないドラゴンじゃったがかなり強かったの〜。貴様のような若造には敵わんのは確かじゃて」
年寄りドラゴンは伏せたまま、そう宣言してみせた。
「年寄りは人を若造扱いするのが好きなのか?いいか俺はもう二十過ぎてる大人だ、子供扱いするんじゃねえ」
「そう頭に血が上りやすいのが若造の悪いところじゃて」
「もういい。行くぞお前ら」
「何処へ行くんじゃ若造よ」
「年寄りドラゴンがいた住処だよ。ちょっとそこを荒らしに行ってくる」
説得しようと思ったのだが結果、勢いで他のドラゴンと戦うことした。
これが正しい選択なのかまだ若い悠斗にはわからなかった。
大婆は出て行く悠斗をただ見つめるだけで止めはしなかった。
「いいんじゃ、いいんじゃ。あの若造からはあの勇者様と似た感じがする。だが少々危なかしいからついてやってはくれぬか?」
「はいっす。喜んでやるっすよ〜」
ホグアは跳ねるように悠斗たちを追った。
「気をつけるんじゃよ」
元気で明るく飛びたして行くその後ろ姿にそっと大婆は囁いた。
「というわけで大婆の言いつけで悠斗のサポートをするこになったっす」
三人の前で敬礼する。
「そうか、じゃあドラゴンがいる洞窟に案内してくれ。できれば中も案内してほしいんだが」
「はいっす。どこまでも案内するっすよ」
「ですが大丈夫なのでしょうか」 
ホグアの明るさとは逆にレイナは心配のようだ。
「ドラゴンといえば有名な上級モンスターです。まだこの世界に慣れていない悠斗様に倒せるでしょうか」
痛いところをつかれてしまった。
以前、グラドビとリラーノのコンビに苦戦しトリーに助けてもらわねばやられていた時があった。
ゲームの時ならこんなことはなかっであろう。
やはり現実で戦うとなると体がついていけないことがある。
レイナはそんな悠斗が心配なのだ。
「大丈夫だ。俺がやるのは討伐じゃなくて撃退だ。それならみんなで力を合わせればどうにかなるだろ」
「それなら良いのですが……」
まだ心配なのか言葉が濁る。
「まさか主を疑っているのではないだろうな」
腰に手を当ててアリアは威嚇するようにレイナに詰め寄る。
「いえ、そうわけではありませんが……私は悠斗様を失いたくなんです」
「いや俺の代わりなんていくらでもいるだろ」
ただこの世界の神を決める審査の第一段階のネットゲームで一位をとった引きこもりニートに過ぎない。
昔は社長として働いていたのにこの様だ。
「そんなことありません。悠斗様は優しくてこんな私でも受け入れてくれました。このご恩は一生忘れません」
それでも彼女は……いや、彼女だけではない。アリアもホグアも自分を頼りにしてくれる。
こんな世界が愛しくて、こんな人間ではない彼女たちが愛しくてたまらない。
「ありがとなレイナ。でも俺はドラゴンを退治するぜ。安心しろ死にはしないさ」
「そうですか……その約束、絶対に守ってくださいね」
「ああ、もちろんだ」
まっすぐ目を見て話してやると、レイナはホッとため息をした。
「わかりました。私は悠斗様を信じます」
「じゃあ、洞窟に行くっすよ〜」
“信じる”そう言った時のレイナはほっこりと笑っていた気がした。
本当に人間であるかのように。
「ここがドラゴンがいる洞窟っす」
入り口からしてアリアがいた洞窟よりも大きい感じだ。食糧庫と言っていたのでそうでないと困るのだが。
「じゃあ入るか」
何の迷いもなく歩みを進める。
中は乾燥していて周りの岩とかもかさついていてなぜか熱い。これはドラゴンがいる影響なのだろうか。
「あっちすね」
案内されるがままに洞窟を進んで行くと大きく開いたところに出た。
「ニンゲンか……」 
そこにいたのは巨悪なドラゴンではなく、年老いたドラゴンだった。
やはりキングゴブラのような上級モンスターなので話せるようだが、キングゴブラと違うのはこちらの方が人間のようにスムーズなところだ。
年の功というやつだろうか。
「お前か、この食糧庫を根城にしてるドラゴンは。ホグアたちが困ってんだどいてくれないか?」
考えが変わった。こんな年老いたドラゴンなら殺すのが可哀想だ。話し合いで解決しようと思った。
それなら誰も傷つかなくて済む。
「残念だがニンゲン、わしはここから離れられないじゃよ。わしは住処から追い出された老いぼれじゃからの〜」
流暢な言葉で、ゆっくりとした言葉で断れた。
「追い出された? 一体誰に」
「さぁのぉ〜、全く見たことないドラゴンじゃったがかなり強かったの〜。貴様のような若造には敵わんのは確かじゃて」
年寄りドラゴンは伏せたまま、そう宣言してみせた。
「年寄りは人を若造扱いするのが好きなのか?いいか俺はもう二十過ぎてる大人だ、子供扱いするんじゃねえ」
「そう頭に血が上りやすいのが若造の悪いところじゃて」
「もういい。行くぞお前ら」
「何処へ行くんじゃ若造よ」
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