人間不信様のハーレム世界
開幕の火蓋
「何でこの人選なんだよ」
突撃部隊、つまり最初に攻撃を開始してギルドマスターであるガイザとその他の者と対抗する者たちは悠斗、レイナ、アリア、美鈴、シュエルの五人となった。
「しょうがないじゃない。ガイザを退くにはできるだけ戦力が欲しかったし、あんたは知ってる人の方がいいでしょ」
昔から、人間不信になる前からなった後の今までの悠斗を知っている美鈴はいつもこうだ。
とにかく五月蝿い。それにお節介でいつも強気な口調だ。
それでも悠斗が唯一信じれる人間である彼女は悪い人ではない。簡単に言うと裏表がない人なのだ。だからこそ信じれる。
だから愚痴はこの程度にしておこう。
「ねぇ、ねぇ。お姉さんはダメなの?」
肩をすくめている悠斗の背中にシュエルは胸を押し付ける。
「い、嫌というわけじゃないんですけど」
「こら女狐、我が主に近づくんじゃない!困っておるではないか」
「あら、そうかしら。むしろ喜んでるように見えるけど」
「何を申すか、主は我のようなビックでボンとしているこの胸のほうが喜ぶに決まっている。貴様のような乳と一緒にするな」
自慢の胸を寄せて上げて、披露する。主に悠斗に見せつけるように。
「残念ね、私のは巨乳とは違って美乳なの」
「びにゅうはびにゅうでも微妙な乳で微乳であろう」
「あら言うじゃない」
二人の間に火花が散る。悠斗はガン無視しているし、レイナはどう止めればいいかのかわからず困っている。
「何してる二人とも! ほら、来たわよ」
そんなレイナを見兼ねて、美鈴は二人に喝を入れつつ、前方を指した。
指の先には八名ほどの集団が三人の会合参加者の元へと近づくのが見えた。
まだ太陽が昇っている頃、会合の合図の足元が、戦いの火蓋が切られた。
「やはりあの人は来ていないか」
会合の参加者を見渡して、ガイザはがっかりすることなく呟いた。
この野原に集めたのは建物の中が危険だからだ。もし、木の家だったら出口を塞がれて燃やされてしまうかもしれない。
それにこういう風に見晴らしが良ければ奇襲に早く気づけて、いくらでも対応できる。
だからこそここを選んだが、ガイザの本心はここの方が戦いやすいからという理由で選んだが、ギルドメンバーはそうではないらしい。
それはここが現実だからだ。
ゲームでは戦闘禁止区域というエリアが存在していたが今ではそれがない。これこそこの世界とゲームでの大きな違いの一つであるが。
戦闘禁止区域は街の中、建物の中(街の外にある建物も)だったが、もう何処も安全ではなくなった。
だがこれはガイザのような奪う側の人間にはありがたいことだった。要するにいつでもどこでも襲えるようになったのだ。随分と楽になった。
しかし、それは逆になる可能性もある。それを心配してギルドメンバーたちは見晴らしのいいここを選んだ。
ガイザにとってはどちらでもいいことだが。
目的はただ一つ。それだけ達成できればこんなギルドが壊れたっていい。
「おい、いつも通りに始めろ」
とにかくこの面倒そうなのは部下に任せる。
一番任せられるのは、グラドビだ。
こいつは力を求め、探究している。
力はいい。これさえあれば何でも手に入るし、思うがまま。それに自分の言うことを聞いてくれる。
グラドビはその良さを知ってるからこそ気兼ねなく、仕事を任せられる。
「んぁ、でわこれより会合を始めるぅ」
だがこの喋り方はうざい。
「俺はここから出たいんだがどうせればいい」
そのうざい口調にも怯まず、一人の青年が手を上げながら立ち上がり唐突にそんなことを質問した。
「んぁ、何を言ってる貴様! お前たちにそんな権利はない。これからは俺たち……いやガイザ様に従ってもらう」
ドドンという音が聞こえきそうな態度で目の前の三人に言い放った。
「ふ、ふざけるな。情報交換をするんじゃなかったのか!」
もう一人の参加者の髭を生やした中年男が武器を持って抗議する。
「ええい、黙れ‼︎」
肩に掲げたハンマーを振り下ろし、中年男の剣をへし折る。
「カスがぁ、実力の差もわからんのか。さぁ行けお前ら」
グラドビの怒号で隠れていた他のギルドメンバーが飛び出す。
たった三人の会合参加者。圧倒的力の男とそれを従える紫色の男。
できるだけ抵抗はするが、力と数の差は大きい。勝てるわけがなかった。
左手に装着した盾と右手に握った剣で筋肉質な大きな男と対峙する。
「ちっ、悪者のくせに」
圧倒的劣勢であった。もう勝ち目はない。
「ふん、口だけの青二才が!」
足を蹴ってその青年を転ばせた。
すぐに起き上がろうとしたが、青年の目には大きく振りかぶられた巨大ハンマーがあった。
「安心しな、殺しゃあしない」
ハンマーは光り、躊躇なく振り下ろされた。
青年は盾で防ごうとしたが、衝撃は一切せずガンッという鈍い音が鳴った。
「それじゃあ峰打ちとかできないだろ。俺が教えてやる。てめえの体にな」
大きな剣でその巨漢ごと弾き飛ばす。
「あ、あなたは……」
「俺か? 榊 悠斗。お前たちを助けに来た」
ガイザは目を見開いて、驚いて、にやけていた。
「見つけた…俺の獲物」
美鈴のギルドメンバーがそれぞれ交戦する中、その男だけは笑い、高ぶっていた。
突撃部隊、つまり最初に攻撃を開始してギルドマスターであるガイザとその他の者と対抗する者たちは悠斗、レイナ、アリア、美鈴、シュエルの五人となった。
「しょうがないじゃない。ガイザを退くにはできるだけ戦力が欲しかったし、あんたは知ってる人の方がいいでしょ」
昔から、人間不信になる前からなった後の今までの悠斗を知っている美鈴はいつもこうだ。
とにかく五月蝿い。それにお節介でいつも強気な口調だ。
それでも悠斗が唯一信じれる人間である彼女は悪い人ではない。簡単に言うと裏表がない人なのだ。だからこそ信じれる。
だから愚痴はこの程度にしておこう。
「ねぇ、ねぇ。お姉さんはダメなの?」
肩をすくめている悠斗の背中にシュエルは胸を押し付ける。
「い、嫌というわけじゃないんですけど」
「こら女狐、我が主に近づくんじゃない!困っておるではないか」
「あら、そうかしら。むしろ喜んでるように見えるけど」
「何を申すか、主は我のようなビックでボンとしているこの胸のほうが喜ぶに決まっている。貴様のような乳と一緒にするな」
自慢の胸を寄せて上げて、披露する。主に悠斗に見せつけるように。
「残念ね、私のは巨乳とは違って美乳なの」
「びにゅうはびにゅうでも微妙な乳で微乳であろう」
「あら言うじゃない」
二人の間に火花が散る。悠斗はガン無視しているし、レイナはどう止めればいいかのかわからず困っている。
「何してる二人とも! ほら、来たわよ」
そんなレイナを見兼ねて、美鈴は二人に喝を入れつつ、前方を指した。
指の先には八名ほどの集団が三人の会合参加者の元へと近づくのが見えた。
まだ太陽が昇っている頃、会合の合図の足元が、戦いの火蓋が切られた。
「やはりあの人は来ていないか」
会合の参加者を見渡して、ガイザはがっかりすることなく呟いた。
この野原に集めたのは建物の中が危険だからだ。もし、木の家だったら出口を塞がれて燃やされてしまうかもしれない。
それにこういう風に見晴らしが良ければ奇襲に早く気づけて、いくらでも対応できる。
だからこそここを選んだが、ガイザの本心はここの方が戦いやすいからという理由で選んだが、ギルドメンバーはそうではないらしい。
それはここが現実だからだ。
ゲームでは戦闘禁止区域というエリアが存在していたが今ではそれがない。これこそこの世界とゲームでの大きな違いの一つであるが。
戦闘禁止区域は街の中、建物の中(街の外にある建物も)だったが、もう何処も安全ではなくなった。
だがこれはガイザのような奪う側の人間にはありがたいことだった。要するにいつでもどこでも襲えるようになったのだ。随分と楽になった。
しかし、それは逆になる可能性もある。それを心配してギルドメンバーたちは見晴らしのいいここを選んだ。
ガイザにとってはどちらでもいいことだが。
目的はただ一つ。それだけ達成できればこんなギルドが壊れたっていい。
「おい、いつも通りに始めろ」
とにかくこの面倒そうなのは部下に任せる。
一番任せられるのは、グラドビだ。
こいつは力を求め、探究している。
力はいい。これさえあれば何でも手に入るし、思うがまま。それに自分の言うことを聞いてくれる。
グラドビはその良さを知ってるからこそ気兼ねなく、仕事を任せられる。
「んぁ、でわこれより会合を始めるぅ」
だがこの喋り方はうざい。
「俺はここから出たいんだがどうせればいい」
そのうざい口調にも怯まず、一人の青年が手を上げながら立ち上がり唐突にそんなことを質問した。
「んぁ、何を言ってる貴様! お前たちにそんな権利はない。これからは俺たち……いやガイザ様に従ってもらう」
ドドンという音が聞こえきそうな態度で目の前の三人に言い放った。
「ふ、ふざけるな。情報交換をするんじゃなかったのか!」
もう一人の参加者の髭を生やした中年男が武器を持って抗議する。
「ええい、黙れ‼︎」
肩に掲げたハンマーを振り下ろし、中年男の剣をへし折る。
「カスがぁ、実力の差もわからんのか。さぁ行けお前ら」
グラドビの怒号で隠れていた他のギルドメンバーが飛び出す。
たった三人の会合参加者。圧倒的力の男とそれを従える紫色の男。
できるだけ抵抗はするが、力と数の差は大きい。勝てるわけがなかった。
左手に装着した盾と右手に握った剣で筋肉質な大きな男と対峙する。
「ちっ、悪者のくせに」
圧倒的劣勢であった。もう勝ち目はない。
「ふん、口だけの青二才が!」
足を蹴ってその青年を転ばせた。
すぐに起き上がろうとしたが、青年の目には大きく振りかぶられた巨大ハンマーがあった。
「安心しな、殺しゃあしない」
ハンマーは光り、躊躇なく振り下ろされた。
青年は盾で防ごうとしたが、衝撃は一切せずガンッという鈍い音が鳴った。
「それじゃあ峰打ちとかできないだろ。俺が教えてやる。てめえの体にな」
大きな剣でその巨漢ごと弾き飛ばす。
「あ、あなたは……」
「俺か? 榊 悠斗。お前たちを助けに来た」
ガイザは目を見開いて、驚いて、にやけていた。
「見つけた…俺の獲物」
美鈴のギルドメンバーがそれぞれ交戦する中、その男だけは笑い、高ぶっていた。
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