ラブコメで幼馴染が報われない法則について
第28話 第一印象って結構大事な法則について
「黒い羽事件?」
新堂に呼び出され、いつもの部室へ行くとついさっき仕入れた情報だというものを聞かされた。
「そうよ。最近、あのサッカー部の王子様がまた襲われたって話題になってるの。その近くに黒い羽が落ちていたから黒い羽事件」
「そのまんまだな。てか、黒い羽ってそんなに珍しいか? カラスの羽とかじゃないのか」
「それが今回はまるで天使みたいに黒い翼の女に襲われたって言ってるの」
「ただ見間違えただけだろ」
「私もそう思うわ。それに前回の件で彼の信頼度は地に落ちているから誰も信じていないけど、襲われたのは事実だから生徒会も見回りを強化したりして再発を防ごうと動いているみたい」
「まあ、俺には関係ないな」
「そう。せいぜい襲われないように気をつけなさい」
まさか警告のためにわざわざ教えてくれたのか?
いや、それはないか。
しかしこの一件は気になる。あいつに確認してみる必要がありそうだ。
***
昼休み、屋上で黒い羽事件のことが気になってリリエルを呼び出して話し合うことにした。
何故か大量のパンを抱え、無表情でそれらを平らげているのは無視しておこう。
「それで蓮さん、ご用件とは?」
「この街にお前以外の天使はいるのか確認したくてな」
「他の天使ですか……。私はあの方の命令で動いているだけですので他の天使とはあまり交流がないので」
「そうか。最近、黒い羽が生えてる天使みたいなのに襲われたって奴がいてな。何か知ってるかと思ったんだが」
「存在が露見しては今後の活動に支障が出るので基本、天使は人間界では目立つようなことはしません。ただし堕天使なら人間を襲うかもしれません」
「堕天使?」
「元は天使ですが規則を破ったりなどでその資格を剥奪された存在です。黒くなった羽はその戒めで天使と同等の力が使います」
「なんでそんな奴が人間を襲ったりするんだ?」
「私にそれは分かりません。ただ堕天使は我々天使を逆恨みしていますので邪魔をしようとしているのかもしれません」
それはあのサッカー部のエース様はとんだとばっちりだな。だが堕天使まで出てくるとはファタンジーな展開になってきてるじゃないか。
「天界の連中に知らせて退治してもらうってことは出来ないのか?」
「確証もなしに部隊は動きません。それに堕天使が全員悪者というわけではありません」
「ふ〜ん。まあ、しばらくは様子見だな。俺らはバトルものやってるわけじゃねえし。何かあったら神頼みでもするか」
被害に遭ったのはあのサッカー部の王子様。俺とはそんなに関係はないから襲われる心配はないだろうと高を括っていた。
だがそんな考えは甘かったようで一人で帰宅している途中、妙な違和感に襲われた。
それは何度か見て、自分でも使ったことのある力に酷似している。
「認識阻害の結界を張ったから助けは来ないわ。さて、どう料理してあげようかしら」
黒い羽を広げる黒髪ツインテールの少女は塀の上で獲物を見つめるような目で蓮を捉えーーそして滑って地面に激突し、カエルのような声をあげた。
新堂に呼び出され、いつもの部室へ行くとついさっき仕入れた情報だというものを聞かされた。
「そうよ。最近、あのサッカー部の王子様がまた襲われたって話題になってるの。その近くに黒い羽が落ちていたから黒い羽事件」
「そのまんまだな。てか、黒い羽ってそんなに珍しいか? カラスの羽とかじゃないのか」
「それが今回はまるで天使みたいに黒い翼の女に襲われたって言ってるの」
「ただ見間違えただけだろ」
「私もそう思うわ。それに前回の件で彼の信頼度は地に落ちているから誰も信じていないけど、襲われたのは事実だから生徒会も見回りを強化したりして再発を防ごうと動いているみたい」
「まあ、俺には関係ないな」
「そう。せいぜい襲われないように気をつけなさい」
まさか警告のためにわざわざ教えてくれたのか?
いや、それはないか。
しかしこの一件は気になる。あいつに確認してみる必要がありそうだ。
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昼休み、屋上で黒い羽事件のことが気になってリリエルを呼び出して話し合うことにした。
何故か大量のパンを抱え、無表情でそれらを平らげているのは無視しておこう。
「それで蓮さん、ご用件とは?」
「この街にお前以外の天使はいるのか確認したくてな」
「他の天使ですか……。私はあの方の命令で動いているだけですので他の天使とはあまり交流がないので」
「そうか。最近、黒い羽が生えてる天使みたいなのに襲われたって奴がいてな。何か知ってるかと思ったんだが」
「存在が露見しては今後の活動に支障が出るので基本、天使は人間界では目立つようなことはしません。ただし堕天使なら人間を襲うかもしれません」
「堕天使?」
「元は天使ですが規則を破ったりなどでその資格を剥奪された存在です。黒くなった羽はその戒めで天使と同等の力が使います」
「なんでそんな奴が人間を襲ったりするんだ?」
「私にそれは分かりません。ただ堕天使は我々天使を逆恨みしていますので邪魔をしようとしているのかもしれません」
それはあのサッカー部のエース様はとんだとばっちりだな。だが堕天使まで出てくるとはファタンジーな展開になってきてるじゃないか。
「天界の連中に知らせて退治してもらうってことは出来ないのか?」
「確証もなしに部隊は動きません。それに堕天使が全員悪者というわけではありません」
「ふ〜ん。まあ、しばらくは様子見だな。俺らはバトルものやってるわけじゃねえし。何かあったら神頼みでもするか」
被害に遭ったのはあのサッカー部の王子様。俺とはそんなに関係はないから襲われる心配はないだろうと高を括っていた。
だがそんな考えは甘かったようで一人で帰宅している途中、妙な違和感に襲われた。
それは何度か見て、自分でも使ったことのある力に酷似している。
「認識阻害の結界を張ったから助けは来ないわ。さて、どう料理してあげようかしら」
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