海の声
57.トクベツ
『海美ねぇに見せたかったんだ。』
俺は美雨のその言葉に違和感を覚えた。
「え、なんで?見せないの?」
そう、それは簡単な事な筈なのだ。それなのになんで美雨はこんなに切なそうにしているんだろう。
『ッ…たく、まぁいいや!おしまいッ!!もう喋んなくていいっ!』
「なんだよ、ったくお前はいつも勝手すぎんだよ。いいからさぁ、言えよ。」
『またボクにぶん殴られたいのかッ?』
「なんでそーなんだよ…」
『はは♪冗談ッ。…だからいいよ。せっかく…ううん、あ、そうだ、この家はボクが家族と住んでた家。もうずっと前なんだけどさ。』
そういうことか…それなら色々とつじつまが合うよな。
きっとこの家には特別な思いがあって、何でかわかんないけど急に悲しくなった。だけど恥ずかしいからもう追求するなとかそういう感じなんだろう、きっと。
「美雨ってさぁ、まぁ言いたくなかったら言わなくていいんだけどさ…もしかして両親は一緒に住んでないの?」
遠回しに親が居ないんじゃないかという疑問を投げかけると、その答えは意外にもあっさりしたものだった。
『両方居ないよ。2人が生きてた頃住んでたのがここでー、今住んでるのは父さんの知り合いのおじさんち。ちなみにこの家見せんのお前が初めてなんだからカンシャしろよー。』
俺が初めて?あぁ…だから"海美に見せたかった"なんて言ったのか。
「なんで俺なんかに見せてくれたんだよ。」
『ん?…見せる相手が"セイジ"しか居なかったから。別にトクベツな意味なんてないから勘違いすんなよっ。』
ふっ…セイジか。俺にはそれだけでもトクベツなんだけどな。
「そっかそっか、わかったわかった♪見せてくれてありがとなっ。」
『え…なにニヤニヤしてんだよキモいなぁ…』
「おぉそうかそうか♪ところでこの家の想い出話とかあったら聞かせろよっ。」
『はぁっ?なんだよイキナリ。』
「なんだよじゃねーよ、いきなり泣いたクセに。」
『うっっわ…サイアクッ!!あぁ!!サイアクー!!………でも、まぁ、聞きたいなら聞かせてやるケド…』
だろーな。
コイツの横顔に"誰かに話を聞いてもらいたい"って書いてあるもんな。
きっと俺もコイツに認められて…ってなんでコイツ主体に考えてんだろ。
とにかく、なんかコイツとは仲良くやれそうな気がするよ。
俺は美雨のその言葉に違和感を覚えた。
「え、なんで?見せないの?」
そう、それは簡単な事な筈なのだ。それなのになんで美雨はこんなに切なそうにしているんだろう。
『ッ…たく、まぁいいや!おしまいッ!!もう喋んなくていいっ!』
「なんだよ、ったくお前はいつも勝手すぎんだよ。いいからさぁ、言えよ。」
『またボクにぶん殴られたいのかッ?』
「なんでそーなんだよ…」
『はは♪冗談ッ。…だからいいよ。せっかく…ううん、あ、そうだ、この家はボクが家族と住んでた家。もうずっと前なんだけどさ。』
そういうことか…それなら色々とつじつまが合うよな。
きっとこの家には特別な思いがあって、何でかわかんないけど急に悲しくなった。だけど恥ずかしいからもう追求するなとかそういう感じなんだろう、きっと。
「美雨ってさぁ、まぁ言いたくなかったら言わなくていいんだけどさ…もしかして両親は一緒に住んでないの?」
遠回しに親が居ないんじゃないかという疑問を投げかけると、その答えは意外にもあっさりしたものだった。
『両方居ないよ。2人が生きてた頃住んでたのがここでー、今住んでるのは父さんの知り合いのおじさんち。ちなみにこの家見せんのお前が初めてなんだからカンシャしろよー。』
俺が初めて?あぁ…だから"海美に見せたかった"なんて言ったのか。
「なんで俺なんかに見せてくれたんだよ。」
『ん?…見せる相手が"セイジ"しか居なかったから。別にトクベツな意味なんてないから勘違いすんなよっ。』
ふっ…セイジか。俺にはそれだけでもトクベツなんだけどな。
「そっかそっか、わかったわかった♪見せてくれてありがとなっ。」
『え…なにニヤニヤしてんだよキモいなぁ…』
「おぉそうかそうか♪ところでこの家の想い出話とかあったら聞かせろよっ。」
『はぁっ?なんだよイキナリ。』
「なんだよじゃねーよ、いきなり泣いたクセに。」
『うっっわ…サイアクッ!!あぁ!!サイアクー!!………でも、まぁ、聞きたいなら聞かせてやるケド…』
だろーな。
コイツの横顔に"誰かに話を聞いてもらいたい"って書いてあるもんな。
きっと俺もコイツに認められて…ってなんでコイツ主体に考えてんだろ。
とにかく、なんかコイツとは仲良くやれそうな気がするよ。
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