僕の日常生活は終わってる。

伊月優

守達の自己紹介、そしてテスト

日菜の誕生日が終わり、無事に過ごしたのか、というとそうではない。
それは前の日の夜。日菜の誕生日を終えた守がお風呂場に入ろうとした時日菜と雪が着替えていたのだ。
もちろん二人は裸。ばっちりと守は日菜の膨らみかけの胸や、雪の股間を見てしまったのだ。慌てて守は手で目を隠したがもう遅かった。
物を投げられた上に日菜の部屋で説教された。雪にもだ。その日はいいような悪いような感じのあいまいな日だった。

今日、守の学校は一時間目はガイダンスだが、二時間目から四時間目はテストである。
守の学校は新学期の最初らへんで毎年テストがある。簡単に言うと学力調査テストみたいなものだ。
テストする教科は国語、数学、英語である。
守の苦手な教科がすべて入っている。特に数学はひどい点数を取る。
でも何とかしようとは思っている。
しかし守は勉強しようとするとどこから手を付けていいかわからず結局何もせず終わってしまう。
というのが現状だ。これは定期テストでもそうなってしまう。

当の本人はそんなことは覚えているはずもなくまたルナとドタバタな朝を送っているかと思えば……
今日は珍しくルナは守の部屋には来ていない。すると守の部屋からアラームが鳴る。
守の体がもぞもぞと動く。守は眠そうだ。少ししか目が開いていない。

一方ルナは何をしているのかというと朝風呂を終えており、制服を着ている。なんとあのルナが勉強している。
ルナの部屋は比較的物は少ない方だ。部屋には前、守にゲームセンターでとってもらった可愛いぬいぐるみや、机が置いてある。
今は今日のテストに向けて勉強しているようだ。

ルナの部屋にも守の部屋から鳴ったアラームが聞こえてくる。

「あ、守起きたかな?」

ルナがすぐに勉強を止めて守の部屋へ走っていく。
そしてルナが勢いよく守の部屋のドアを開ける。

「おはよう!守!朝だよー」

守はルナの朝から元気な声に驚いたのか体がビクッとして起き上がる。もうすっかり守は目が覚めたようだ。

「朝から大きな声だすなよ。まだ朝早いんだから。」

すると部屋に守を起こしに日菜もやってくる。

「別に早くないよ。守が遅いだけ。ご飯できたから二人とも一階に下りてきて~」

ルナはすぐに一階に下りていく。守もルナを追いかけ目をこすりながらゆっくり階段を下りる。

席に着いた守にルナが今日のテストのことを話す。もちろん守はテストのことなどあることすら知らない。

「守、今日学力調査テストだよね。勉強した?」
「あ!やべ忘れてた……今日の二時間目からだよな。学校早く行って勉強するか。ルナ付き合ってくれ!」
「え⁉付き合う?どっちの意味で?」
「違う!そういう意味ではなくて勉強に付き合ってという意味だ!」
「まあ学校行ってもやることないから一緒に勉強しようか。」

ルナは付き合うという意味を取り違えたようだ。でも守がすぐに否定した。
学校でそんな短時間で何をやるのかというと先ほども言った数学である。
もうこうなってしまった以上山をかけるしかないと思いご飯を終えすぐに家を出る守であった。

今の時刻は七時半。まだ教室には誰も来ていなく暖かい春の風などが感じられるが守にはそんなのは感じるる由もない。
ルナと守は席が隣なので机をくっつけて勉強している。
守達の様子を見ていると本当に付き合っているみたいだ。
ルナは守のペンが止まってるのを見ると大丈夫?と優しく声をかけ丁寧に教えてくれた。

そこへ雪が教室へ入ってくる。雪は教室に入ろうとした時一瞬戸惑っているかのように見えた。
たぶん雪はこのいい感じのムードを壊したくないと思ったのだろう。
するとルナが雪に気づく。

「あ!雪ちゃん。おはよう。今日は珍しく早いね。」

雪はいつもギリギリに来る。あまり目立ちたくないからだ。
しかしなぜこんなに早く来たのかというとやはり今日のテストがあるからだった。
雪は守を少し白い目で見たが守が雪の方を見るとぷいっと見ている方向を変えてしまった。

「雪ちゃん勉強した?」
「ええ。まあそれなりには。でもまだ英語が不安なので勉強しないといけません。」
「雪ちゃんえらいね~守はテストのことなんか覚えてなかったよ。」
「ちょ……ルナ!は、恥ずかしいからそんなこと…雪には、い…言うなよ!」

それを聞くと雪はクスッと笑っていた。それに守は気づいていたが恥ずかしいので勉強をしているふりをしていた。

それからあっという間に八時二十五分になった。この時刻は朝のHRが始まる時間だ。静かだった教室もクラスのみんなが登校しにぎやかになっていた。
すると先生が入ってくる。
長いHRの間は守はなるべく教科書を読むようにしていた。

次の時間はガイダンスだがまずはクラス全員の自己紹介からである。
お題みたいなものは名前と趣味だった。ちなみに発表の順番はバラバラである。

まずはクラス会長の日和からであった。

「皆さんこんにちは。永田日和と言います。趣味はスポーツで水泳が好きです。これからよろしくお願いします。」

緊張しないで言えてる日和に勉強していた守もつい見とれてしまっていた。

しばらくは他の人の発表が続いたが守はそんなの無視して勉強に集中していた。
今やるのが悪いのだが。

次はルナだった。守は聞きなれている声なのですぐにわかっているようだった。

「はじめまして。ルナといいまーす!えーと……趣味は守や雪ちゃんとと日常を過ごすことです!うーん趣味ではないかもしれないね。まだわからないことだらけなのでよろしくお願いします!」

守と雪に一斉に視線が行く。ほぼ全員が驚いていてこちらを向いているだけだったが数人ににらまれていた。

その次は守の番である。とても気まずい雰囲気になっているようで守は恐る恐る前に出て自己紹介をする。

「原野守です。趣味はスポーツ全般は好きです。気軽に声をかけてください。あとルナと暮らしているというのは本当ですが、付き合っているわけではないです。」

男子が守に対して険しい顔をしていたが守の最後の言葉を聞き少しホッとしたような顔になっていた。
何とか学校生活はうまくやっていけそうだと守はその時思っていた。
次は雪の番だが守はまた緊張している。何を言われるかがわからないからだ。

「皆さんこんにちは。小森雪と申します。趣味は読書、ルナや原野守の妹と遊ぶことや原野守をからかうことなどです。あと友達を作る気にはなれません。今は。いろいろと問題を抱えてるので。ですがよろしくお願いします。」

またまた視線が集まる守。でもそこまで心配していた雪の自己紹介ではなかったので安心する守。
でも雪が言ったことで気になることが守はあった。それは雪の趣味が守をからかうこと言ったからだ。
そこで守はハッとなる。今まで雪がやってきたのはからかいだったのではないかと。
そう思い込んでいると雪が守の頭を指でつんつんと突く。

「原野守。さっき趣味であなたのことを言ったのは警告です。これ以上セクハラ行為を止めないというのであれば私も本気を出さなければいけません。」

守はニコニコとしていた顔が一気に曇った。でも守はそんな余裕はない。テスト勉強が終わってないのだから。
それからしばらくは他の人の自己紹介などを聞かずに数学の勉強していた。

全員の自己紹介が終わり、しばらく休憩してからテストに入った。

「よーい始め!」

試験監督の先生が試験開始を告げる。
守、ルナ、雪、の三人の姿を見ていると今までにない感じの真剣な顔だった。

約三時間後チャイムが鳴る。

「ふぅ~、終わったー!」

ルナや守そしてクラスのみんながチャイムが鳴ったとたんその言葉を口にした。

今日はこれで帰れる。守は解放感に満たされていた。
この学校は始業式に近い日は基本は四時間で終わることの方が多い。でもそれは今日までだが。

―その日の夜―


「守答え合わせしょう~。」

ルナが突如守の部屋に押し寄せてくる。
なぜ答えを持っているのかというと単に配られたからである。
しばらく答え合わせをしている守の顔を見ると結果は聞かずともわかる。
守の顔は死んでいた。ルナは小さな声で歌を歌いながら丸付けをしていた。
結果はルナは満点だった。(守の点数は公表しない。)

「守もしかしてあまりできなかったの?なんかごめん。」
「あ…うん。大丈夫気にしないで。」

すると守のほっぺに柔らかい感触がした。
ルナがほっぺにキスしたのだ。

「元気が出るおまじない!さっこれで元気出して。お休み。」

そう言って守の部屋を出ていった。
近くで日菜がその様子を見ていて(守の部屋のドアは開いていた)大人だね~守、と思っていたことには気づいてはいなかった。
明日は通常授業である。まだ守のドタバタな学校生活は続くようです。

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