僕の日常生活は終わってる。

伊月優

ルナや雪との温泉旅行 1 



雪が言った言葉がまだ脳裏を横切る。雪が帰ったあと守は自分の部屋にこもっていた。守は雪が言った言葉を気にしてるようだった。
「初対面の女の子にあんなことするとさすがにおこるよな……」
すると日菜が珍しく部屋に入ってきた。
「守ー、明日家族で温泉に行かない?」
どうやら元気づけようとしてくれているらしい。ルナも風呂好き出しな、と心の中で守は思う。
「お、いいなー。泊まりか?」
「うん。あと友達も一人連れてくる。私とルナさんの共通の友達。」
「わかった。でもその友達大丈夫なのか?」
守は日菜の友達だから小学生なのかと思っている。ちなみに日菜とルナの友達というのは雪である。守はまだそのことを知らない。
「大丈夫だって。あ、ちなみに守とは一緒に泊まるけど違う部屋ね。」
思春期というやつなのかと思い守は少しがっかりしながら明日の旅行の準備をした。
守は今日、たくさん疲れたことがあったのですぐに寝た。

翌日、久しぶりに早起きした守はなれないのかまだ目はぐんにゃりとしていた。ちなみに日菜とルナは早起きである。
守は着替えるのも遅いので日菜たちはまだなのかという白い目で守を見つめていた。しばらくして守が玄関から出てきた。今回の旅行は守、日菜、ルナ、雪、コロン(原野家の犬)
で行く。
友達との待ち合わせは土田端町のバス停だというのでそこへ行くことにした。そこへ行く途中守はずっとその友達は誰なのか考えていた。
守はバス停につき硬直した。なぜならそこへいたのは銀髪美少女,雪だったからだ。
「こんにちはルナ、日菜、ケダモノ。」
まだ守のことを許していないようだった。そして雪は守のほうへ行き
「今日はあなたに変なことをされにきたわけではありません。そしてそれを望んでもいません。あくまでも温泉を楽しみにしていただけです。次私に触れたらボコしますよ。一応私柔道黒帯ですから。」
冷静な口調で女子らしくないことを言う雪に守は驚くしかなかった。

「ついたー!」
背伸びして腕を上げ幼いような口調で言うルナはどこか可愛い。日菜はもうどこに行くか決めていたようだった。(場所はクレープ屋さんや女子に人気なブランドの店)
「ねえねえ、ここなんかどう?ルナさん、雪さん。」
「いいねー、早速いこうかー。雪ちゃんは?」
「いいですね。そこは私も行きたいです。」
たぶん女子だけいけるところだろうと思っていたら案の定そうだった。
「じゃ、俺はここら辺をコロンと歩いてるよ。」
こうしてルナ達と守は別々の行動をとるのだった。
まず、ルナたちはクレープ屋に行き普段買えないような高いクレープを買い満喫した。そのあとは和服を見たり、駄菓子屋に行ったり、3人で仲良く過ごしていた。
一方守はコロンと昔ながらの町の背景に見とれていた。まず守は小腹がすいたのでかき氷屋さんに入った。
店主のおばさんはコロンに見とれて守は景色に見とれていた。そのあと昔の玩具屋に行ったあと先に宿舎に戻っていた。今日の守は誰にも邪魔されずぼーとしている一日だった。
その後ルナ達が帰ってきた。
「ただいまー、ふぅ楽しかったー」
「楽しかったね、ルナさん達こういう体験初めて?」
「うん。そうだよー」
「とても楽しかったです。またよろしくお願いします。」
守がなぜか心配していた雪も満喫したようだ。
次は温泉に入ろうという話になった。そのあとに夕飯のバイキングに行く予定だそうだ。
ルナ達は全員入るというので守も部屋でゆっくりしている暇もなく必然的に入ることになった。(もちろんここは混浴・・・ではない)
守が温泉に入ると何やら女子の甲高い声が聞こえてくる。ルナ達だ。今日のことについて話しているようだった。この時間は男風呂には誰も人はいない。
「やっぱ今日のクレープおいしかったー、私こんなおいしいもの食べたの初めてだよ~」
「ルナさんすごくおいしそうに食べてたよね。あと意外だったのが雪さん和服に興味あるんだねー」
「はい。昔から浴衣などの動きやすい服装は好きで。まあ後はあのケダモノに何かされたときにすぐに対処できるので。」
女子の声は甲高いので守の耳にも入ってくる。どうしようか迷いながらも守は言葉を発する。
「おーいそこにいるのルナ達だよなー、少し声のボリューム下げてくれー。」
真っ先に反応したのは雪だった。
「なぜあなたは何かと女子トークに入りたがるのですか。あなたにはわからないかもしれませんが女子にも女子世界というものがあるのです。」
そうなのか。と納得している場合ではない。なぜ守がこんなことをお願いしているのかというと今日はいつも日常が終わってる守に対してはとても最高の時間だ。だから守も自由時間を邪魔されたくないらしい。
しばらくしていると、うるさかった女子風呂も静かになった。どうやら先に風呂を出たようだと思ってると、聞きなれた声が聞こえてくる。ルナだ。
「守ー風呂にいるんでしょ返事してー」
「ん?いるけどどうしたんだ?」
「女子風呂も誰もいなくなっちゃったから今日あまり守と話してないから話そうかなーと思って。」
「まあ、いいけど…」
少し照れながら言う守。最近またルナの告白のことに関して気にし始めていた。
「今日は楽しめたかルナ。」
「うん。とっても楽しめたよー、行きたいところは日菜が決めてくれて3人が楽しめそうなところばっかだった。守は?」
「俺も久しぶりに一人でいたけど楽しめたぞ。今日はコロンと一緒だったけど。季節外れだけどかき氷食べたりした。」
「そっかー、守らしいね。この後のバイキングの時の席隣にしない?」
「まあいいよ。ルナがいいなら。」
「もちろん!前にもいったでしょ守のことが好きだって。」
「え、え?じゃ俺もう出るぞ!また後でな。」
挙動不審になる守はすぐその場を去った。
ルナよりも先に風呂を出た守だったが一番最後に夕食会場の席に着いた。
日菜達は料理を選び始めていた。しかし、ルナだけは違い、ちゃんと守の来るのを待っていた。(決して日菜と雪が行儀が悪いわけではなく、女子風呂に守が話しかけてきたことに対して怒っていたからだ)
「守遅かったね。一緒に料理選びに行こうか。」
「・・・うん。」
とても優しいルナに態度に驚いていたため守は小さい声しか出なかった。ルナと選ぶ時間がとても楽しく思えてくる。

しばらくしてお腹いっぱいになった守達はデザートを選びに行っていた。そして守は残り一個だったプリンを手に取った。
他にもチョコレートフォンデュがあったのでマシュマロを選んでプレートに乗せた。
そのあと席に着き、マシュマロを食べていると真正面に座ってる雪がこちらをずっと見ていた。雪に気づかれないように目線を追うと、プリンを見ていた。雪はこれが食べたいようだ。
守は勇気を出して雪に声をかけた。
「もしかして・・・雪プリンいる?」
「なぜ気づいたのですか。まさかずっと私のことを見ていたのですか。それには感謝します。ではありがたく受け取ります。」
そういって守はプリンを渡した。雪は少し恥ずかしそうだった。

バイキングを終えた守は一人きりの部屋でスマホゲームをしていた。すると隣の部屋にいるはずの日菜が守の部屋に入ってきた。
「みんなで秘密の話しないだって守もよかったら来てだって。」
「俺はいいよ。3人で楽しんできたらどうだ。」
その言葉を聞いた瞬間日菜はムスッとした。
「女子が誘ってるっていうことは来てっていうことなのバカ兄貴!」
「わかったよ。バカっていうことはないだろ。」
いつも日菜と守はこんな感じだ。守がルナ達としゃべれるのも日菜のおかげだろう。
女子たちの部屋に行くと女子の甘い香りがした。守は顔をとても赤くしている。女子とはしゃべれるようになっても女子の部屋には耐性がないらしい。
「お、守来た~、一緒にお話ししよ。」
ルナが話しかけてきた。浴衣姿のルナに守はドキッとしてしまった。
「で、なんで俺を呼んだんだ?」
聞くと、日菜がこれは雪さんが『よべば楽しくなるのでは』と、言ったんだよと教えてくれた。どうやら雪は今日のプリンのことで少しだけ守を許す気になったらしい。
「で、どんな話をするんだ?」
「皆さんの秘密についてです。疑問でも構いません。あと原野守ここでも私に変なことしたらボコしますよ。」
雪が即答した。前まではケダモノと呼ばれていたが原野守とフルネームで呼ぶことにしたらしい。
「じゃ、俺からいいか。ずっと疑問に思ってたことだ。なんでルナと日菜はこんなに雪と仲がいいんだ?まだ出会って2日ぐらいだろ。」
その疑問に答えたのは、雪だった。
「まあそれはルナが私を原野家に誘ってくれてさらに日菜には昼食まで作ってもらいとても暖かいと感じたからです。あとは2人が親切そうだと感じたからです。そうでもなかったら私はこんなに人になつきません。」
自分の知らないことを聞き驚いた守だが、『お、おう』といいそこはスルーした。
そのあと日菜の秘密は兄の守も知らなかった内容だった。
「私実は・・・結構クラスの男の子にもてます。」
「え⁉」
守が驚いた。守と日菜はお互い学校の話はしたことがない。なので日菜がもてるとは思っていなかったのだ。しかし、日菜は兄から見ても可愛いさらに勉強もできる。だからもてるのだろうと守は推測した。
次はルナの秘密……と行きたかったのだが気づいたら布団で寝ていた。
雪が守に疑問に思ったことを言う。
「ルナと原野守は付き合ってるのですか?」
「付き合ってはいない。」
「では率直に聞きます。ルナのことをどう思ってるのですか?」
「まあ、可愛いし優しいかなくらい。」
「では好きか嫌いかで言うと?」
「……好き。他の男にルナを取られるなら付き合いたい。あいつを他の男に渡すなんて考えたくない。でも……」
息詰まった守に代わり日菜がしゃべる。
「でも守は別に好きな女の子がいるんだよね~」
「え!ちょ…なんで知ってるんだ日菜!」
「守のことなんてお見通しだよ。」
「これ以上いうのは可愛そうなのでやめておきます。あなたがどれほどルナのことが好きなのかわかりましたから。」
雪もさすがにまずいと思ったのか話はここでやめといた。日菜と雪は引き続き女子トークを楽しんだ。
その後守はすぐ部屋に戻り寝ようとしたが頭にルナのことが思い浮かび寝れなかった。布団に仰向けになる。
「俺はルナのことが好きか……」
まだまだルナとの日常は続く。

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