蝶々結び

永麗

ー5ー



「っはぁ、、。」


違う違う違う違う違う!!!!


先生はアイツとは違うのにっ、、


身体の震えは止まらない
泣きそうになるのを必死に堪える


冷たい廊下があの日を思い出させた








「白華〜?どこにいる〜?
ほらこっちにおいで?楽しいことしよう?」


教室に響く足音と声

逃げられない中で必死に
道具入れに隠れた


「早く出てこいよっ!!!!」


ガンッ!


蹴られた拍子に反動でドアが開く


震える私を見つけて彼は


「みーつけた。」


言った直後、髪を引きちぎる勢いで
引っ張られ床に叩きつけられる


「っや…!!!」


もがけば楽しそうに嗤い


「お前が悪い子だから
お仕置きしてやってんだよ!!!!」


やだ…やめて!!!









飛び起きれば酷く汗をかいていた


「夢…。」


右手に感じた温もりの先には


「え…。」


アイツが笑っていた


「な、んで…??」


頭に伸びてくる手が私を恐怖に陥れる


「やっ!!!もうやめてっ…!
お願い…だか…らっ、殴らないで…っ!」


声にならない声で懇願する


「白華さん。」


頬を温かい手が包む


その声に目を見開く



「相沢…せん、せ。」



なんでここに?晴風ちゃん、は??



「気分まだ悪い?」


哀しそうに苦しそうに眉を下げ
ゆっくりと優しく私の涙を拭う


「い、や。大丈夫です、」


そっか。とほのかに笑う








またその顔をするんですね




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